名古屋の麺類食堂を代表する屋号「一八」の総本山(※)、仏壇通りの「一八本店」へ。創業は明治23年(1890)。昼時を少し過ぎた時間がったが、暖簾をくぐって店に入ると4つあるテーブルや3つの小上がり席の全てに食事をした跡が。今の今まで満席だったようだ。2階からも客が降りてきた。片づけられた1つのテーブル席に座り、今季沢山食べた「きしころ」をこちらでも注文した。現在4代目という主人は結構年齢がいっているはずだが相変わらず若々しい。この日も「はーい!」「よっこいしょっと!」と元気よく声を出しながら調理が進んでいく。
※「一八」の屋号の店は他にもありますが、全てこの店からの暖簾分けという訳ではないようです
こちらも飄々として鼻歌を歌いながら片付けをしていた女将さんに主人が「ハイ、ひらころー!」と告げて「きしころ」が届けられた。”ころ”という東海地方独特の呼び名のうどんの食べ方には細かく決まった形はないように見えるが、簡単に言えば茹でたうどんを水にさらして熱くない濃いつゆをかけたもの。こちら「一八本店」の”ころ”はしっかりと冷やすタイプのようで、麺もつゆもキンキンに冷えている。確かに品書きには「きしめん 冷・温」と書いてあった。水面にはかなり甘く煮た揚げ、蒲鉾、花鰹が浮いている(ほうれん草はどうだったか忘れた)。きしめんは薄打ちでピロピロの食感なのにグズグズにはなっておらず、ちゃんと張りも残っている。つゆは色濃いが塩分濃度はそう高くない。喉を通る麺が心地よい。スルスルっといただいた。次は”具色々入”という「旗本みそ煮込」か「たまり煮込」、丼物をいただいてみよう。(勘定は¥600)
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一八本店
愛知県名古屋市中区橘1-5-14
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