ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

鵝鴨歡 (2) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2019年11月18日 | 岐阜県(岐阜)

少し前に岐阜市雄総(おぶさ)の「ハイカラ食堂21」へ行った際にこちら「鵝鴨歡(がおうかん)」の前を通ったら、主人が”営業中”の看板を出しているところに出くわした。おぉ、ご健在であったか。というのも以前の訪問から何度もこちらに寄ったのだがことごとく店が閉まっていたのだ。平日は来られないので休日しか分からないが、ご高齢だしもう営業はしていらっしゃらないのかもと思っていた。ある祝日にすぐ訪問してみた。この日も”営業中”の看板はあった。ドアを開けて階段を昇り、広い店内に入ると…中は真っ暗。あれっ?と「こんにちはー。」と声を掛けるも返事が無い。もう一度「こんにちはーっ!」と大声を張り上げると「はーい。」と主人の声。出てきたご高齢の主人がきょとんとした顔で…、「ん、お客さんかね?」。…苦笑。「いいですか?」と訊くと店内の電気を点けてくれた。以前と同じように広い店内の一番奥のテーブル席に座ると、主人がゆっくりと水とメニューを持って来てくれた。メニューは前回訪問時よりも更に減ったようで4品しか書かれていない。「ぎょうざ」と「ヤキソバ」をお願いした。普段は飲食店店内で携帯電話を取り出すことは無いが、あまりの静寂と孤独感に耐えかねて(?)写真を撮ってみた。パシャッ。

…潔い(笑)。値段にもビックリ。それまで流れていたラジオの音が消され、店内に物音ひとつしない静寂が流れる。広い店内に残され、微かに聞こえる主人の一挙一動と息遣いに聞き耳をたてる。店は広いので見えない厨房は遠いのか、焼く音も鍋を振る音もほとんど聞こえてこない。もちろん客席には自分以外誰も居ないので、この空間を再度撮影。パシャッ。(←主人に断っていないので盗撮です・陳謝)

シーン…。結局さして音も聞こえないまま主人の歩く音が聞こえてきて、先に「ぎょうざ」が、後から「ヤキソバ」が置かれた。以前にも食べたことのある「ぎょうざ」は大きなものが3つ。しっかりと焼き目が付いており(前はこんな焼き目が付いていたっけな?)、皮は厚めでモチモチ。辛さのあるつけだれには五香粉のような独特の風味が効いていて、この店の調理が普通の町の中華料理屋と違うことが分かる。口に入れるとたっぷりの肉汁が溢れ出て、旨い。「ヤキソバ」はやや油多めで、玉ねぎ、もやし、ニンニクの茎が使われている。てっぺんには独特の肉味噌がのせられていて、いわゆるソースとかの味付けではないもの。麺は細ストレート。これも旨い。出来る事ならビールと一緒に味わいたいが、それがあるのかどうかも分からない(笑)。添えてある紅生姜で口直ししながら、最後は肉味噌を麺にしっかりと混ぜていただいた。あぁ、旨かった。席を立って、また大きな声で「ごちそうさまーっ!」と張り上げ、出てきた主人に勘定してもらった。次は「タンメン」と「からあげ」だ。(勘定は¥550・笑)

※閉店されたようです(令和3年1月現在)

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↓ 食後は自転車で「岐阜公園」内の「名和昆虫博物館」(大正8年・1919・建造)を再訪。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ すぐ隣の「記念昆虫館(旧・特別昆虫標本室)」(明治40年・1907・建造)。こちらは木造煉瓦壁。屋根の妻部分の凝った意匠が見もの。蝶々の姿も。

 

 

↓ 記念館の前に建つ「昆蟲碑」(大正6年・1917・建造)。ギフチョウを発見した研究所創立者、名和靖の還暦を記念して作られたそう。これら全ての設計は名和靖の教え子でもあったという武田五一。

↓ 昆虫博物館の東側の金華山麓には「殉職警察官消防員忠魂碑」(大正15年・1926・建造)があった。毎年5月には慰霊祭が執り行われているようだ。

 


 

 

中國料理 鵝鴨歡

岐阜県岐阜市雄総桜町3-60

 

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コメント (6)
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