ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Last Experience / The Jimi Hendrix Experience

2019年04月15日 | クラシック・ロック

The Last Experience / The Jimi Hendrix Experience (1994)

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)のライヴの中でも悪名高い1969年、イギリスはロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ音源。悪名といってもリリース状況が滅茶苦茶なだけでライヴ演奏自体は素晴らしく音質も悪くない。それゆえにいつまでも決定版を待ち焦がれ、ファンは散財してしまうのだ…。この音源は元々映画のサントラとして企画されたものらしく、映像はその昔に海賊版で色抜けしてしまったような画面のビデオを見たことがあるし、80年代にはアナログ・レコード(ジャケット下)をよく見かけた(持ってません)。

映画の企画だったからか、音源の権利は所属レコード会社が所有していなかったようで、正規だか非正規だか分からない曖昧なリリース状況がずっと続いており、今でもジミの正規音源を管理する親族側の「Experience Hendrix」も手の出しようがないようだ。そのためCD時代になっても粗製乱造で様々なタイトル、編集、アートワークで発表されている。完全版なるものも出ているようだが、本当に実際に演奏された順で正しい音源なのか、あるいはリハとかの音源が混ざっているのか、何が”真実”なのかよく分からない。もちろん今から買うならそちらの方がベターだし、実際に聴いてみるとこの盤よりは違和感なく楽しめるのだが…(音源だけは所有)。

ま、ここはひとつ探求するのは止めにして、安い盤で久しぶりに軽く聴いてみようと買ってしまった次第。今回購入したこの盤も一応ビクターから発売された日本盤ではあるが、なにせ1曲目が「Little Wing」(そんな訳ないだろうに…)。昔からライヴとしての会場の臨場感はあまり感じられない音源だが、この盤でもそれは同じ(だからリハ音源とかが入っても分からなくなる)。曲順はバラバラだし、急にフェード・アウトとか、ぶった切りとか…。ただし曲間のチューニングやなんかで間延びすることはあれど、ジミのギターは冴えまくっていて演奏は本当に素晴らしい。ミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)とノエル・レディング(Noel Redding)の演奏も問題なく、やっぱり個人的にはバンド・オブ・ジプシーズ(Band Of Gypsys)よりもエクスペリエンスの疾走感がある演奏の方が好き。ただしジミとノエルとの関係は完全に破綻していて数か月後にはあえなく解散ということになる。これが空中分解するバンドの音かしらんと思うくらい充実した演奏なんだけどなァ…。そもそも”解散直前”という本来なら知らないはずの情報が余計なだけかもしれない。

オークションにて購入(¥462)

  • CD  (1994/12/16)
  • Disc : 1
  • Label : ビクターエンタテインメント
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ピーターパン @岐阜県高山市

2019年04月15日 | 岐阜県(飛騨)

早朝からの高山散策も終わり帰路につくのだが、このまま車を出すと道中のどこかで夕食となる。チェーン店やサービスエリアみたいな所で済ませるのはつまらないので市内で食べて帰りたかったが、目当ての店はどこも中休み時間。あまり遅い時間まで居ると今度は帰りが遅くなるので、少し早めに摂ってから高山を出ることにし、候補に上がったのは…高山に来るきっかけとなった記事にもあった喫茶「ピーターパン」(←昼夜続けてカツ丼喰うつもりか…)。喫茶ならもちろん中休みは無い。店はごく普通のロードサイドにある喫茶店だった。もちろん観光客がわざわざ来るような要素は微塵も無い(笑)。しかも、店先のサンプルでも、中に入って見たメニューでも、”カツ丼”を推してる訳ではないので、記事にあったような情報がないと確実に寄らなかった店だ。三角屋根でウッディーな内装の店内には権利関係にうるさい某D社の店名通りのキャラクターも。一応メニューはひと通り眺めたのだが、”プチレストラン”と称しているだけあって大きな写真入りで食事メニューも数え切れないほど沢山(全然”プチ”じゃない)。中には「ミーカーライス(ミートスパとカツカレー)」なる興味深い名前も。注文した「かつ丼」は写真さえ載っていなかった。

しばらくして蓋付きの丼ぶりで「かつ丼」が運ばれた。味噌汁と揚げ玉入りの小うどん、漬物にゼリーとサービスたっぷり。蓋を開けると何とも整った姿がいい。ゆるゆるのとじ玉子が綺麗に一面に広がり、かつで盛り上がった真ん中に青海苔が振られている。玉子はしっかり溶かれて均一の色合いで、説明しづらいがしっかりと”完成された料理”感がある。同じとろとろ系でも「万人橋」のかつ丼とはまた違った雰囲気。早速箸を付ける。しっかりと玉子をまとったかつはほどほどの厚さ。いい出汁の頃合いの玉子との一体感があって旨い。そして掘り進んでいくと…、記事で知ってしまってはいたが、ご飯の中からもう1枚のかつが出てくる。1切れ、2切れではなくちゃんと”1枚”。ス、スゴイ。下の段のかつまではとじ玉子が滲みていないので、上手く食べるとまた違ったかつ丼としても楽しめる。こんな特殊な、それでいて完成されたかつ丼を、ごく普通の喫茶の体の店が出しているというのがまたスゴイ。絶対名物として”受ける”と思うんだけれど、そんな雰囲気が微塵も無いのも潔い。旨かった。さすがにお腹がいっぱいで、濃い味噌汁とうどんを吸い上げるのにヒーヒー言いながらご馳走様。(勘定は¥880)

 


 

↓ 馬場町の小高い場所に建つ「山岸寫真館」(昭和元年・1926・建造のち改修)。繊細で何とも素敵な佇まいの元写真館。2階窓廻りのデザインも秀逸。中はどうなっているんだろう。隣接する蔵と共に国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ 同じく馬場町の通り沿いに建つ建物(写真下左・建築詳細不明)。2階の6連の窓や、玄関周りの意匠が素敵。外壁は修繕されているもよう。写真館だったとか。写真下右は「高山市図書館(煥章館)」。これは同地にあった「煥章学校」をモデルとして近年造られた近代建築風の建物。なのであまり興味なし。

 

↓ 上一之町の「レンガ館 茉莉花(旧・日下部味噌醤油醸造煉瓦館)」(大正11年・1922・建造のち改修)。現在はカフェとして使われている。壁面の黒い跡は隣家が失火した時の煤だそう。さすが煉瓦。

 

 

↓ 神明町にある「旧・三星製糸所」(明治21年・1888・建造)。この建物が工場だったのか、事務所棟だったのか分からないが綺麗に改修されている様子。飲料会社として使われたこともあったようだ。

 

↓ 日曜休みなので入湯の候補に上がらなかった銭湯「天満湯」(建築詳細不明)。腰壁がタイル、看板がモザイクタイルで出来ていた。入ってみたかったなァ。

 

↓ 本町通り商店街の北、七日町で見つけた端正な建物(建築詳細不明)。玄関周りの雰囲気や、採光部分の広い2階窓などから想像するに医院か何かだったろうか。とても綺麗に維持されている。

 

 


 

プチレストラン ピーターパン

岐阜県高山市片野町6-252

 

( 高山 たかやま 喫茶 軽食 洋食 レストラン 食事 パスタ ピザ 丼物 定食 ランチ 珈琲 コーヒー カツ丼 亜種 近代建築 有形文化財 山岸写真館 )

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松竹大歌舞伎「襲名披露・口上」「菅原伝授手習鑑・加茂堤」「同・車引」 「奴道成寺」@岐阜県多治見市・バロー文化ホール

2019年04月14日 | 歌舞伎・文楽

松竹大歌舞伎「襲名披露・口上」「菅原伝授手習鑑・加茂堤」「同・車引」「奴道成寺」 (4月10日・バロー文化ホール)

御園座に続き、今度は多治見市で開催された歌舞伎の巡業公演へ。1年以上も前に始まった白鸚、幸四郎の襲名披露はまだ全国を回っている。歌舞伎の名跡を継ぐというのがどれだけ大きなイベントなのかが伺い知れて興味深い。雨模様のこの日は周辺の駐車場の混雑を予測して少し遠くの駐車場に車を停め、昼食を摂ってから歩いて会場へ。会場入りすると2階席の真ん中と両脇の悪くない席がどういうわけかごっそりと空いている。こちとら頑張ってすぐにチケット取っているんだけどなァ…。

まずは襲名披露の口上の後に幕間が入り、歌舞伎の定番演目「菅原伝授手習鑑」のうち<加茂堤>の段。梅玉と高麗蔵の夫婦役が芝居を回していく。梅玉演じる桜丸は”和事”という優しい人柄の役。それが逢引の手助けをするのだが、夫婦間の台詞の中にもセックスを想像させる内容があり、思いのほか艶めかしい。<車引>の段では「待ってました!」と幸四郎が登場(この日は大向うの掛け声の威勢がよかった)。今の彼を観ていると全身から力がみなぎって、動きにもメリハリがあり、まさに脂の乗った役者というのが雰囲気だけからでも分かる。よく見ると白塗りをしただけの時の顔はとぼけた顔なのだが(笑)、隈が描かれているとやはり華がある。口跡にも迫力がありカッコイイ。比較するのもあれだが、團十郎襲名を控えている海老蔵は、自分の少ない観劇経験からすると独特の節回しの口跡に何となく迫力が足りない気がするのだが…(←偉そうな口を…)。

閑話休題。<奴道成寺>では幸四郎がお面の早変わりの技(瞬時にお面を何度も変え3役を踊り分ける”三ツ面<みつおもて>”)を見せる。黒子という特殊な役回りのサポートがあるとはいえ、こういう奇抜で楽しい演出を考えた昔の人は偉いものだ。様々なトリックが溢れている現代から見ても、あれ?どうやっているんだろうとダマされる。客席からも思わず歓声が。歌舞伎役者の超人ぶりは色々な演目で感じられるが、台詞のある主演目の他に、こういう長い舞踊の振り付けをこなし(どうやって覚えるのか…)、また翌月には全く違う演目を数種こなすんだから恐れ入る。そのほかにも取材やら何やらがあるんだから遊んでいる暇なんて全く無いだろうと思うのだが、しっかり遊んでいるらしいのも凄い(←想像です・笑)。花形役者ともなると濃密な毎日なんだろうなァ。

 

一、襲名披露 口上(こうじょう)

  • 幸四郎改め 松本白鸚
  • 染五郎改め 松本幸四郎
  • 幹部俳優出演  

二、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

<加茂堤>

  • 桜丸              中村梅玉
  • 斎世親王        澤村宗之助
  • 桜丸 女房八重 市川高麗蔵

<車引>

  • 松王丸         幸四郎改め 松本白鸚
  • 梅王丸         染五郎改め 松本幸四郎
  • 杉王丸         大谷廣太郎
  • 藤原時平公   松本錦吾
  • 桜丸           中村梅玉

三、奴道成寺(やっこどうじょうじ)

  • 白拍子花子実は狂言師左近  染五郎改め 松本幸四郎
  • 所化文珠坊                     市川高麗蔵
  • 所化不動坊                     澤村宗之助
  • 所化西念坊                     大谷廣太郎

 

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まさ @岐阜県岐阜市  (※閉店)

2019年04月14日 | 岐阜県(岐阜)

雨が降った後で小寒い中を歩いて、以前から赤い提灯に惹かれていた岐阜市日ノ出町のおでん屋「まさ」へ。西柳ヶ瀬だがこの辺りは夜ともなると暗く人通りも少ない。路地を歩いていると角に建つこの店の赤い提灯がよく目に入るのだ。この日は他所で呑んでからのハシゴ。初めてでどんな店か知らないので少々気遅れするが、店の人も誰か知らない客がいきなり戸を開けて入ってくるわけだから(当たり前か)大変な商売だ。引き戸を開けると中はL字のカウンターになっている。カウンター上のタネケースとおでん鍋の向こうには年配の主人が1人。先客は4人程の年配の男女で、すでにかなり召し上がっている様子。

入口近くの席に腰を下ろし、まずは酒(三千盛)をお願いする。”ぬるめ”と頼んだつもりだが冷蔵酒が出てきた。これからおでん頼むからいいやとそのままいただく。ガラスの徳利と猪口で出された酒でまず口を湿らせる。お通しはほうれん草のお浸しとかぼちゃの煮物。「おでん5種」というような品書きがあったのでそれをお願いする。主人が見繕ってくれるのではなく自分で選べるようだ。美味しそうに湯気を立てているおでん鍋から、大根、すじ、がんも、玉子、ロールキャベツ、を選んで皿に取ってもらった。つゆは色が淡い(どちらかというと)関西風。タネにしっかりと滲みていて旨い。そういえばおでんでロールキャベツを食べたのは初めてかも。外のキャベツもトロトロになっていて、日本酒と頂いてもなかなか旨いものだ。そのまま静かにゆっくり出来れば追加でもしようと思ったが、先客の1人のオヤジがかなり酔って”べらんめえ調”で大声を出している。周りも一応「うるさいよー。」かなんか言っているが止められない。酔って大声を出す輩は同席しているだけでも嫌なのですぐに勘定してもらった。あの客が居なかったらたぶんいい感じで呑めたろうに…。機会を見つけて出直そうっと。(勘定は¥1,500)

 


 

↓ 夜の閑散とした柳ヶ瀬商店街のアーケード下の建物を鑑賞。昼間はあまり気付かないが、ゆっくりと上を見上げてみるとモザイクタイル壁面だったり、木枠窓だったりと、結構古いままの建物が目に付く。

 

 


 

おでん まさ

岐阜県岐阜市日ノ出町3-19

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 やながせ 柳ヶ瀬商店街 西柳ヶ瀬 おでん 居酒屋 近代建築 看板建築 酔客 閉店 廃業 )

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松月 (タッチもとこい) @名古屋市千種区・今池 (※閉店)

2019年04月13日 | 名古屋(千種区・守山区)

今池と吹上の間の飯田街道から北へ上がった住宅街にある「元古井公設市場(タッチもとこい)」にあるうどん屋「松月」へ。この市場が開設されたのは大正15年(1926)で、現在の建物は昭和39年(1964)の建造だという。2階から上は「元古井荘」という市営住宅になっている。建物の外の幟には「ありがとう!開場100周年祭」と書かれているが…計算合うかな?。すぐ近くにはカレーうどんで有名な「三朝」があるのでこの辺りには前にも来たことがあって、この市場の中にも入ったことがあるが、食べに入るのは初めて。「松月」は以前大須の「中公設市場(廃場済)」にあった店だそう(当時未訪問)。麺は手打ちで公設市場らしく生麺も扱っている店なので前から食べてみたいと思っていたが、今月で店を閉めると聞いて前倒しで訪問した次第。

公設市場内のスーパーや商店に隣接したこの店、中は二手に分かれたカウンター席が10席ほど。横では生麺が売られている。この日は女将さんだけがいらっしゃった。随分と歩いてきて少し暑かったので「きしめんの冷たいの」を注文。天ぷらは「紅たま天」をお願いした。すぐに玉が湯に投入され、ほどなくして「きしめん」が登場。別皿で「紅たま天」も出された。

つゆはきれいな赤つゆ。刻みネギのみ散らされている。麺はやや平打ちのうどんといって差し支えないくらいの幅と厚さ。さっそく手繰ってみると、キンキンに絞められてはおらず、ややぬるめ位の温度がちょうどいい。「紅たま天」は紅生姜と玉ねぎのかき揚げ。一口はそのままいただく。もちろん揚げ置きだが紅生姜がアクセントになって旨い。これを途中で丼ぶりの中に投入してあっさりした透明感のあるつゆにコクが加わる。スルスルッと頂いて、ゴクゴクッとつゆを飲み、箸を置いた。帰りに横で売られている生麺を眺めたら、きしめんの横に2玉だけえらく幅広で乱切りの無骨な麺がパックに入っていた。まだ用事があるので買って帰られなかったが、あの麺でも食べてみたかったなァ…。(勘定は¥390)

※平成31年4月末を以て閉店されました

 


 

↓ 近くにあるなかなか風格のある銭湯「出口湯」(建築詳細不明)。風呂を浴びようと定休日を知らずに行って「開かないなぁ…。」と20分も棒立ちしていたのは内緒の話。

 


 

手打うどん 松月

愛知県名古屋市千種区今池2-27-22 タッチもとこい

 

( 名古屋 なごや 今池 吹上 しょうげつ 名古屋市公設市場 手打ち うどん そば きしめん 生麺販売 閉店 廃業 製麺小売 銭湯 )

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大正庵 (3) @岐阜県岐阜市

2019年04月12日 | 岐阜県(岐阜)

JR岐阜駅の南にあるうどんの「大正庵」へ。まだまだ寒の戻りがあるこの季節、この日も結構な寒さ。一度暖かくなってからの寒さは堪える。温かいものをと駅から歩いて店へ。昼時を外したので先客は2名のみだったが、通し営業は本当に有難い。席に着いてすぐにお願いしたのは、以前から食べてみたかった「味噌煮込みうどん」を玉子入りで。こちらは生麺か茹で麺を選べるのだが、実態を知らぬまま「生麺で。」と告げた。この地方の味噌煮込みうどんは基本的につゆと麺を一緒に煮るので、通常のうどんのように塩が使ってあると塩辛くなってしまう。それ故に煮込み用のうどんは塩を使わずに打つのが定石(店によっては別に茹でてつゆと合わせる所もある)。”生麺”なのでこちらも塩を使わず打った麺だろうか。

しばらくして木の蓋をした鉄鍋で「味噌煮込みうどん」が運ばれた。蓋を開けてビックリ、麺が細い。太めの中華麺よりも細いくらい。これは予想外だった。味噌煮込みでここまで細い麺は初めてかも。水面には沢山のネギと飾り切りをした蒲鉾、それにかしわ、ごぼうが見える。もちろん玉子も。早速うどんを手繰ってみる。縮れが入っていて若干のコシは残るものの、やはりこの地方でイメージするゴワッとした麺の味噌煮込みうどんとは大きく違う。つゆも出汁感がかなり弱め。なのでガツンとは来ず、あっさり。この麺はつゆに合わせたのか、つゆを細い麺に合わせたのか。この店のつけつゆは古(いにしえ)の東海地方仕様で、濃いめ、甘めのものだったと記憶しているが、この「味噌煮込みうどん」はなぜか…、不思議だなァ。さあ、こうなると”茹で麺”ではどうなるのか、興味が沸いてきたゾ…。(勘定は¥820)

以前の記事はこちらこちら

釜揚げうどん 大正庵

岐阜県岐阜市加納清水町1-10

 

( 岐阜 ぎふ 岐阜駅南 南口 駅裏 加納 たいしょうあん 釜あげうどん かまあげうどん 饂飩 手打ち 手打 みそ煮込み 味噌煮込 味噌煮込みうどん  )

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DON @岐阜県高山市

2019年04月11日 | 岐阜県(飛騨・老舗)

高山市内散策中の午後の休憩場所に選んだのは本町2丁目商店街の喫茶「Don(ドン)」。こちら創業が昭和26年(1951)と市内でも最も古くから営業している喫茶店なのだとか。洒落た店構えの店内へ入るとカウンター席の他にテーブル席がいくつか。棚には外国の市販菓子がいくつも並んでいた。年配のご夫婦でやっていらっしゃる様子。クラシックな内装で、白いカバーのかかった椅子がキリッとしていい。FMラジオがBGMで流れていた。混んではいなかったのでカウンター席に腰を下ろしメニューを眺める。ドリンクの種類も多く、サンドイッチなどの軽食の他、ケーキやアイスクリームなども載っていた。「コーヒー」は決まっていたが、甘いものをと「シュークリーム」を注文。

ふと奥を眺めると、梁の部分に「春夏冬・二升五合・紀二六一一」と立体文字が貼られている。「あきない・ますますはんじょう」のシャレ。”紀二六一一”は昭和26年を皇紀で表したのだろう。手前の梁にはそれがそのまま英語で「SPRING SUMMER × WINTER 1.8 +1.8 + 0.9 1951」と表記されているのが可笑しい。これ直訳で英語で書いてもどう説明するんだか(笑)。

コーヒーは主人が1杯づつ丁寧にドリップさせている。奥さんが自分の後ろに回ったなと思ったらシュークリームの皮をガラス蓋の入れ物から取り出した。ちゃんとその場でクリームを詰めてくれるようだ。コーヒー(ベルギーのビスケット”VERMEIREN”付き)は苦味がしっかりと味わえる濃いめの味。香りもいい。すぐ後に出された「シュークリーム」は手に持つとまだ皮が温かいのでビックリ。焼き立てのようだ。中のカスタードクリームは濃厚でこってりとした舌触り。これは旨い。濃いコーヒーと、しっかりと甘いシュークリームがばっちりの相性だった。落ち着いた雰囲気の中でとてもいい休憩時間。次は先代から引き継がれたという自家製のチーズケーキや、自家製のプリンを食べてみたい。(勘定は¥680)

 


 

↓ 筏橋西詰の交差点で圧倒的な存在感を見せる「天狗総本店」(昭和11年・1936・建造)。国登録有形文化財に指定されている。”精肉”の文字や天狗の絵は浮き出ているようなのでコテ絵だろうか。オーダー(列柱)のあるバルコニーに立って交差点を見下ろしてみたい。

 

 

 

 

↓ こちらは同じ筏橋西詰の北側にある「旧・春日堂」(昭和9年・1934・建造)。こちらもまた素晴らしい。まるで屋上に柵があるような意匠だが実際に登れるのだろうか。以前は雑貨屋が入っていたようだがガランとして見えるので撤退したのかも。

 

 

 

↓ 市内を流れる宮川に架かる「筏橋」(昭和8年・1933・建造)。綺麗に整備されて真新しく見える。

 

↓ 「天狗総本店」(昭和11年)、「旧・春日堂」(昭和9年)、「筏橋」(昭和8年)という贅沢な3つの戦前建築の共演(笑)。スゴイ。

↓ 「天狗総本店」の対角に位置するレストラン「LE MIDI」(建築詳細不明)。ちょっと判断が難しい建物だが、場所が場所だけに古い可能性も捨て切れず。

 

↓ 本町のアーケード商店街にある食品スーパー「駿河屋本町店」(建築詳細不明)。2階を見上げるとギリシャ風のオーダー(列柱)が。

 

↓ 自転車に乗りながらアーケードの上を眺めていて(←不審者)目に留まった建物(建築詳細不明)。2階の壁面が変わった模様で装飾されている。アーケード敷設以前のものだろうから古いかもしれない。

 

↓ 街中で見つけた下見板張りの一般住宅(建築詳細不明・場所失念)。2階の”おたふく窓”、1階の”はかま腰屋根”など昔のままだろうか。とても綺麗に保たれている。

↓ 人通りの多い観光地ど真ん中にある「中橋湯。本当はこちらに寄る予定だったが時間と動線の都合上「鷹の湯」に変更。暖簾が出ているがこんな早い時間から開けているのかな。

 


 

coffee Don (喫茶ドン)

岐阜県高山市本町2-52

 

( 高山 たかやま ドン 純喫茶 珈琲 ケーキ サンドウイッチ 洋菓子 老舗 近代建築 看板建築 洋風建築 )

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Tommy : Live At The Royal Albert Hall / The Who

2019年04月10日 | クラシック・ロック

Tommy : Live At The Royal Albert Hall / The Who (2017)

アナログの頃からずっと追いかけているザ・フー(The Who)。中高生の頃には地元の町のレコード屋さんに居座って業者発注用カタログを見せてもらい「今月はこれ。」なんて少ない小遣いを貯めて定価で購入していたのが懐かしい。その頃はザ・フーのアルバムが何枚も並んでいるレコード屋なんて岐阜はもちろん、名古屋市内だってそう無かった(はず)。今では年相応の金は持っているというのにその頃よりシブチンになり、ネットで安い値段の品を探したり、中古で買ったりと”アーティストの敵”と言っても過言ではない状態(笑)。

1969年に発表された「Tommy」の全曲演奏ライヴという企画は今までにもあったと思っていたが、実は数曲抜けていて全ての曲の演奏は初めてなのだとか。意外。ロジャー(Roger Daltrey)が以前から盛んに活動していた十代の癌患者のチャリティー企画だったようだ。贅沢な話だが2人になったザ・フーはなんやかんや言って様々な企画があったので正直言って特別感は薄れ(なので今頃になって購入)、自分はピート(Pete Townshend)とロジャーの生き残り2人が元気ならばそれでいいという温かい眼差しに変わっている。

このロック・オペラと呼ばれた作品は最初に聴いた高校生の時も、そして今でも自分に取って分かり易いストーリーではなく、後にケン・ラッセル(Ken Russell)監督の映画をレンタルビデオで借りて観て余計に訳が分からなくなってしまったが、英語を母国語にする人達にとってもそういう面はあるようで、こういう作品は苦手だという人は結構多いようだ。それでもウン百回、ウン千回も聴き倒した作品なので思い入れはあり、聴き慣れた「Overture」が始まるとやっぱりザワザワと胸が高鳴る。曲が進んでいくとやっぱり観れるものならライヴで観てみたい、聴いてみたいという欲求が出てくる。

さすがに2人のヴォーカルはだんだん厳しくなっていてキーも上がらなくなっている(後半持ち直すが)。でもやっぱりこの2人がまだ現役でステージに立っているという事実で胸が熱くなってくるのだった。これをテクノロジーのサポートなしで、たった4人で(しかも当時の音源を聴く限り大迫力で!)演奏していた当時のオリジナル・メンバーというのはやっぱり凄かったんだなァ。

amazonにて購入(¥1,417)

  • CD  (2017/10/13)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : EAGLE ROCK ENTERTAINMENT
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DOLCI cafe(ドルチカフェ) @岐阜県岐阜市(サンデービルヂングマーケット)

2019年04月10日 | 岐阜県(岐阜)

再開発に伴って変化の著しい柳ヶ瀬商店街で定期的(毎月第3日曜)に開催される「サンデービルヂングマーケット」(通称:サンビル)。自分は実店舗でない飲食店はあまり利用しないし、利用してもほとんどブログに書いたことはないが、結構な頻度でこのマーケット開催には遭遇している(偶然)。クラフト系、ナチュラル系の店が集結するこのサンビルも客の数が増えるに従って次第に出店者が増え、最近は弥生町の方にまで店舗が並ぶようになった。まだまだ人通りの多いとは言えない柳ヶ瀬商店街だが、サンビル開催時は活気に溢れていて大成功企画と言えるだろう。この日もある場所へ行くのに柳ヶ瀬を通り抜けると、まだブースは準備中がほとんどにも関わらず人出が多かった。

「岐阜タカシマヤ」前を通ると「DOLCI cafe」のテントが目に入る。こちらはもう商品が並んでいたのでちらっと見ていると、女性店員さんが「まだ時間でないので販売は出来ませんが、お取り置きいたしましょうか?」とのこと。この日は帰りに嫁に何か買っていこうと思っていたので、他の店も見ようかなと「後から来ます。」と答えると、「時間によっては売り切れてしまうことも…」なんて煽られたのでつい「じゃ。」とお願いしてしまった。取り置きしてもらったのは「カヌレ」。自分は今までたぶん一度もしっかり食べたことがない菓子なので気になっていた(もちろん味見させてもらおうという魂胆)。

用事を済ませてサンビルに戻ると、長い列が出来ている人気菓子店もいくつか。みんなよく知っているんだなァ。「ドルチカフェ」に戻り注文しておいた「カヌレ」を受け取る。購入したのは4種「バニラ」「ロイヤルミルクティー」「生チョコ」「京宇治抹茶」。1種だけ味見させてもらう。食べる前から「これ生焼けじゃないからね。」と注意が(笑)。外側こそ硬いが中はしっとり。濃厚な味わいでしっかりと甘く、なるほど食感が面白い。「ドルチカフェ」の実店舗は行ったことがないが、今度は店でコーヒーと一緒に食べてみようかな。(勘定は¥1,300程)

 


 

↓ 西柳ヶ瀬にある川魚・鰻の店「かめ宗」(建築詳細不明・廃業済)。いつ頃まで営業していた店か知らないが、古い木製看板はそのまま。2階外壁はべんがらに塗られている。

 


 

DOLCI cafe(ドルチカフェ)

岐阜県岐阜市 柳ヶ瀬商店街 催事

 

( 岐阜 ぎふ サンデービルジングマーケット ドルチ工房 手作り スイーツ 菓子 洋菓子 カヌレ・ド・ボルドー cannelé de bordeaux saco マルシェ 近代建築 )

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丸太屋 (クック瑞穂) @名古屋市瑞穂区・桜山 (※閉店のち移転)

2019年04月09日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

名古屋市博物館へ浮世絵の特別展「挑む浮世絵・国芳から芳年へ」(ポスター下)を観に行った。浮世絵は以前から興味があるので大型本や関連書籍も沢山所有しているが、怪奇系の浮世絵は実物を観賞するのは初めて。特別展はえらく人気のようで館内は人がいっぱい。結果順路に沿ってノロノロと並ぶようになってしまうのでやや苦痛(あれ苦手)。何でみんな時間がかかっているかというと(後から知ったが)会場内は写真撮影がOKなのだった。なのでみんな作品の前で何枚も(”映え”るように)写真を撮っていく。もうそれが目的になっているような人も居て…、なんだかなァ…(図録を買えばいいのに)。

観賞後の腹ごしらえは、博物館斜め向かいにある民営市場「クック瑞穂」へ。建物は古くないが、戦後の闇市の後に出来た「瑞穂百貨店」が前身で、かつては50もの店がひしめいていたという。平成3年にこの建物になったのだとか。当初はそれでも21軒あったらしいが、現在店舗数は減っていて中もちょっとくたびれた感じに(写真下)。

 

自分が向かった麺類食堂の「丸太屋」も以前は瑞穂通沿いにある独立した店舗だったようだ(博物館の外に昔の商店街の写真パネルがあった)。手打ちの店で、暖簾がかかった食事処の横には市場らしく生麺などの販売もしている。その横には麺打ち場があった。中に入るとカウンターに椅子が並んでいる。品書きから選んだのは「きしめん」。丼物も沢山あって本当は迷ったのだが、昼をとうに過ぎた半端な時間だったので沢山食べるのは止めておいたのだ。ご高齢のお母さんと息子さんが切り盛り。

ほどなくして「きしめん」が手渡された。水面には刻みネギ、飾り切りをした蒲鉾、わかめがのっている。花鰹は無し。麺は薄打ちでピロピロとした口当たりのもの。それでもだれていないのはさすが。つゆの色は濃くなく、「きしめん」ではしっかりと甘味を感じるつゆの時も多いが、こちらのはさほどではなくすっきりとした味わい。つゆの味が変わってしまったりするので麺類に入ったわかめは正直好きではないが、のど越しの良い麺はスルスルと入っていく。麺量がかなり多くて結局お腹いっぱいになってしまった(苦笑)。次は冷たい麺と丼物を頂いてみよう。(勘定は¥350)

 

手打めん処 丸太屋

愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-6-1 クック瑞穂内

※令和5年2月14日に「クック瑞穂」の閉鎖に伴い閉店されましたが、牛巻団地商店街に移転して再開されました(令和6年7月現在)

 

( 名古屋 なごや 瑞穂 みずほ 瑞穂通 名古屋市博物館 クックみずほ 丸太屋 まるたや 手打 手打ち うどん そば きしめん 麺類食堂 ヤミ市 瑞穂通商店街 閉店 廃業 再開 復活 )

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