ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

グリル・フレーバー(2) @滋賀県彦根市

2019年04月08日 | 滋賀県

滋賀県彦根市周辺の散策。この日は夕方には帰る予定だったけれど「折角だから」という理由をつけて、嫁に夕飯までには帰らない旨連絡し、夜は市内で摂ってから帰ることにする(休日なので向こうは向こうで気が楽だろう)。結局朝に居た「銀座商店街」へ舞い戻った。車を停めてまず向かったのは商店街の裏手にある銭湯「山の湯」(創業明治12年!)。映画のセットかと思うような素晴らしい雰囲気の銭湯でゆっくりと汗を流した。そして歩いて向かったのは商店街の洋食屋「グリルフレーバー」。「スイス」とどちらにしようか迷ったのだが、ご高齢の大女将さんの姿を思い出してこちらに。店に入ると先客は数名。大女将さん達は端のテーブルで箸入れ作業中。厨房には以前見かけなかった若い調理人の姿が。跡継ぎかお弟子さんか…。

汗を流したので本当はビールを流し込みたいところだが、運転があるので”堪え難きを堪え、忍び難きを忍び…”(涙)。メニューを眺めながら思案。「オムライス」食べたいナ…、「カニグラタンライス」は鉄釜に入ってるのか…、などと長考の末、選んだのは「ビーフシチューセット」。横で女将さんの「いつもビーフシチューセットのあのお客さん、もう来はった?」なんて声が聞こえてきて反射的に注文してしまったのだ(笑)。ピアノ協奏曲が流れる店内で料理の出来上がりを待つ。カトラリーが置かれてまずはスープが運ばれた。「え、シチューのセットでスープ?」と意表を突かれる。しっかりと1人前の量があるコーンポタージュ。クルトンとパセリが浮いている。コーンスープを飲むのは久しぶり。これ自分の小さい頃の大好物(「あさくま」のが好きだった)。これがまたしみじみと旨い。きれいに飲み干した。

そしてしばらくすると蓋付きの耐熱皿に入った「ビーフシチュー」とライスが登場。ライスは半分の量にしてもらった。「ビーフシチュー」には牛肉の他にポテト、人参、いんげんが入っている。シチューはしっかりと濃い色、濃い味付け。酸味が強いのは上にかかったサワークリームのせいもあるだろうか。たっぷり熱々のシチューをまとった肉片を取り上げて口中へ。簡単に筋状にほぐれていく。旨い。熱いのでコップの水を飲み干すと、氷の音がカランとしただけで女将さんと作業をしていた女性(若女将?)がすぐに水を足してくれた。こういう気遣いがうれしいもの。中のポテトだけは既製品のようなクリンクルカットで味も正直今ひとつ。これが普通の茹でジャガイモだったら良かったのになァ。こちらではまだまだ食べたい物が沢山。行列の出来る「スイス」の人気も分かるが、こちらも勝るとも劣らない素晴らしい正調洋食屋ですヨ。Long live 大女将。(勘定は¥1,620)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 

 ※フレーバーのマッチ

 


 

↓ 商店街の路地裏にある「山の湯」(建築詳細不明)。創業は明治14年(1879)だそう。彦根唯一の銭湯。銭湯のすぐ近くに社(やしろ)があるのがまた何とも言えない雰囲気。いつの建物か分からないが番台から何から古いまま。格天井の脱衣所には床がガラス板で下が見える凝った池庭もある。浴場は湯気抜き天井で、薬湯の壁には埋込み水槽も(魚は居るが暗くて見えない・笑)。真ん中にあるごく小さい湯舟は子供用(ちゃんと温め)なのだとか(おじいさんが入っていたけど・笑)。熱めの温度設定も好み。ツイッターがあってビックリ(笑)。

※令和19年8月末に廃業されました

  

↓ 夕闇迫る「滋賀中央信用金庫銀座支店(旧・明治銀行彦根支店)」(大正7年・1918・建造)。もう少し暗くなるとライトアップされた姿が観られるはずなのだが…。

 

 


 

 

グリル・フレーバー

滋賀県彦根市銀座町4-19

 

( 滋賀 しが 彦根 ひこね グリルフレーバー パブフレーバー 銀座本店 グリル 洋食 喫茶 スパゲッティー 彦根銀座商店街 近代建築 銀行建築 銭湯 廃業 )

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陽春花形歌舞伎 「通し狂言・南総里見八犬伝」 @名古屋・御園座

2019年04月07日 | 歌舞伎・文楽

陽春花形歌舞伎 「通し狂言・南総里見八犬伝」(4月5日・御園座)

半日休みをもらって御園座の歌舞伎4月公演を観覧に。この日はバスで伏見に向かっていたのだが、栄のバス停で停まった際に救急患者が出て、バスの運転手が救急車を呼ぶことに。一連の始末にかかりきりで乗客は途中で降りることも出来ず、仕事の約束や乗り継ぎ時間が決まっていた人は冷や汗をかいただろう。結局30分余り停車していたので自分も劇場に間に合うかヒヤヒヤだった。急いで弁当と酒を買って場内へ。

まだ4月公演は始まったばかりだが客の入りは正直良くない。平日昼間の公演とはいえ2階の自分の席の周りもガラガラだった。この日の演目は「南総里見八犬伝」。この演目を観るのは初めて。ストーリー的には難しくない勧善懲悪、敵討ち物なのであまり予習をしてこなかったが大丈夫かな(歌舞伎を観劇する際は内容を把握してストーリーを知った上で観るのがお勧めです)。幕が開いて役者が登場すると、後ろから「成駒屋!」の掛け声。大向うさん(※「〇✕屋!」等の声を掛ける人、大抵の場合そういう特定のグループに属している)がすぐ後ろに居るようだ。

命を落とした姫が所持した数珠のうち、文字が浮かぶ不思議な水晶の玉8つを持つ勇士が集まって御家の再興を計るストーリー。スモークやSE(音響効果)などの外連(けれん)も沢山あって、勇士が集まっていく過程や、みんなが並んで一人一人台詞と共に見得を切るところは完全に戦隊ヒーローもの(笑)。敵は化け猫だ。分かり易くて楽しい。芝翫と息子達(橋之助、福之助)も揃い踏み。出演陣が豪華なので見せ場も多い。こういう演目はまだあまり歌舞伎を観たことがない人にもとっつきやすいんじゃないかな。

舞台転換が多いので幕が閉まった後の大道具さん達は大変だろうが、今日はえらく裏の声が聞こえた。まだ始まったばかりなので手探りの部分もあるのかも。御刀検めのシーンとした場面ではどこかの席のバーサンが大きな声で会話していてずっこける(笑)。ま、こういうのは年配の客が多い昼間の公演ではよくあることだ(というか、こういう”読めない”人達は必ず一定数存在するようだ)。こういうのは役者側からは「あの人」と、とてもよく分かるのだそう。

幕間は席に座ったまま買ってきた弁当を広げる。沢山観に行ける人なら幕間30分の弁当なんてコンビニのおにぎりでも何でもいいんだろうけれど、こちらは歌舞伎観劇の日は一応”ハレの日”なので、なるべく気分が上がるものを探して買うようにしている。この日は栄の料亭「蔦茂(つたも)」の「料亭弁当」。料亭とはいってもこの弁当はプラスチック容器に入ったキオスクとかに売っているもの。バスの件もあって慌てていたので選ぶ時間もなかったが、ちょこちょこと煮物、焼物をつまみにして酒(守山区の東春酒造の「龍瑞・純米」)で口を湿らせる。そういえば名古屋市の登録建造物資産にも指定されていた「料亭蔦茂」の風情ある店舗は昨年秋にあっけなく取り壊されてしまった。繁華街のど真ん中にあるあの建物こそ100年の歴史を象徴していたと思うが、そんな老舗名門でもあの場所で古い建物を維持するのは困難だったということか…。

勇士が集まってずらりと並び、悪役の首領扇谷定正(彦三郎)と並んで見得を切る場面。悪役も一緒に並んで客席の方を向いて”かっこつける”のが歌舞伎ならでは。伏姫と犬坂毛野の二役の梅枝。毛野ではモモレンジャー的な(←例えが古い)立ち位置だと捉えたが、容姿も、張りのある口跡も抜けていてカッコ良かった。口跡といえば贔屓にしている彦三郎。悪役とはいえ、いや悪役だから彼が台詞を口にするとその迫力で圧倒される。勇士達をも凌駕する存在感はさすが。浜路・雛衣を演じた新悟は今までに何度か観ているがあまり印象に残っていなかった。今回は幸薄そうな役がはまっていて良かった。橋之助、福之助兄弟は端正過ぎてまだ色が出ていないが、これから色んな役をやることによって育っていくのだろう。彼らが主役を張るようになった頃に「そういえば彼がまだ若い時分に観たよ」と言えるのが楽しみだ。

 


 

通し狂言 南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)

  • 曲亭馬琴 作
  • 渥美清太郎 脚色
  • 今井豊茂 補綴
  • 戸部和久 補綴

 

  • 犬山道節/網干左母二郎     芝翫
  • 犬飼現八                      松緑
  • 犬塚信乃/赤岩一角          愛之助
  • 犬村大角                     亀蔵
  • 伏姫/犬坂毛野              梅枝
  • 浜路/雛衣                   新悟
  • 犬川荘助                     橋之助
  • 犬田小文吾/安西景連の亡霊 福之助
  • 犬江親兵衛                   玉太郎
  • 伏屋                          梅花
  • 蟇六/馬加大記              橘太郎
  • 扇谷定正                     彦三郎
  • 丶大法師                     松江
  • 滸我成氏                     友右衛門
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大黒屋 @岐阜県高山市

2019年04月06日 | 岐阜県(飛騨)

高山訪問で早めの昼食に美味しいかつ丼を頂いたあと市内散策を続け、ちょっと麺類でもとわざわざ訪問した郊外の「くぬぎそば」は営業時間に間に合わず振られてしまった。そこで古い建物を探した後に中心部へ戻る。市内を流れる宮川の支流「江名子川」川沿いの空町辺りはとても風情があり、観光客の姿が全く見えないこともあって同じ高山でも雰囲気がちょっと違う感じ。その川沿いにあった蕎麦屋「大黒屋」に入ってみた。暖簾をくぐると奥には座敷があり、こたつの席もあった。古くからある店なのかは分からないが、年配のお母さんを含めた女性3人でやっていらっしゃる。先客はおらず、入口近くのカウンター席に座って、品書きから「ころそば」を選んだ。木の蓋の大釜でそばが茹でられる。

鉢に盛られた「ころそば」は”ころ”なので水で締められていて、上には大根おろし、ほうれん草、刻みネギ、揚げ玉、そして刻み海苔ととても賑やか。少なめのつゆはあっさりとした味付け。手打ちだというそばは細平打ちでのど越し良く、旨い。まずはそれぞれの具材を、そして後からは混ぜながら食べていく。ちゃんと蕎麦湯も出してくれた。とろっとした蕎麦湯を鉢に残ったつゆに落とし、きれいに飲み干す。次は貝柱を使っているという天ぷらの種物を頂いてみたいナ。さて外はまだ冷えているので、近くにあった銭湯に入りに行こう。(勘定は¥750)

 


 

↓ 「旧・大八賀村役場」(昭和12年・1937・建造)。しっかりと手がかけられているようだが、このむらのある外壁はどうしてこういう色なんだろう。

 

↓ とても風情のある江名子川沿いにある銭湯「鷹の湯」。営業開始時間が早かったので入ってみた。綺麗に整備されていて、奥の築70年という日本家屋で宿泊も出来るのだとか。風呂は窓が無く小さいが、熱めで薬湯もある。いい湯に浸かって温まることが出来た。こちらの風呂の富士山のペンキ絵は有名な絵師・中島盛夫氏によるもの。

 

↓ 「鷹の湯」のすぐ近くにあった平屋の建物(建築詳細不明)。生活感は無かったが、綺麗に手が入れられていた。何かに使われているのかな。

 

↓ 江名子川に架かる「東橋(ひがしばし)」(建築詳細不明)。デザインがなかなか素敵。一部修復されているが元のデザインをしっかりと残している。

 


 

飛騨そば・うどん 大黒屋

岐阜県高山市天性寺町2

 

( 高山 たかやま 飛騨高山 だいこく屋 だいこくや 蕎麦 饂飩 手打ち 手打 蕎麦屋 そば屋 近代建築 空町 堀端 銭湯 たかの湯 宿泊 ペンキ絵師 )

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The Miracle / Queen

2019年04月05日 | クラシック・ロック

The Miracle / Queen (1989)

映画「Bohemian Rhapsody」の異例の大ヒットによりクイーン(Queen)の人気がえらいことになっているようで、どこの居酒屋や商店に入ってもクイーンが流れている始末(笑)。メディアにもかつてないくらいの露出だ。映画は公開してちょっと後に自分も観に行ったのだが、夜遅い上映時間とはいえ5人位の客しか居なかった。それがどんどん後から客が増えていったようで、いまだに上映している映画館もあるというから凄い。内容は、史実を知ってしまっている身としては「?」な部分も多々あったが充分に楽しめた。だからという訳ではないが、当時自分もやや冷めていた晩年期のアルバムを聴き直そうと、この作品「The Mracle」のCDを探すが、どうしても棚に見つからない。その後にたまたま寄ったブックオフにワンコインで刺さっていたのでつい購入してしまった(往々にしてそういうのに限ってすぐに見つかったりする)。

1989年のこの作品は、映画でもラストシーンに使われたライヴ・エイドでの圧倒的な演奏から復活し、その後のツアーも大成功した後の作品。少し間が空いたのはソロ活動の為だったという。自分はこの頃のクイーンの活動は全然と言っていいほど記憶に無く、ジャケットのインパクトに反してこのアルバムの印象も薄いままだった(CDは正直惰性で買っていた)。しばらくぶりに聴いてみて「お、けっこう躍動していたんだな」というのが正直な感想。曲は思い切ってポップな方向に振っていて、こんなにもポップだったかと改めてびっくり。今聴くと当時自分が好んで聴いていた音楽とは乖離があり、興味を失っていたのも仕方がないだろうなと納得。曲も粒ぞろいでなかなかの作品。

ブックオフにて購入(¥500)

  • ・CD (1991/12/16)
  • ・Disc : 1
  • ・Format: Import
  • ・Label : Parlophone

 

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気晴亭 @名古屋市中区・鶴舞

2019年04月05日 | 名古屋(中区 老舗)

改修なった名古屋市公会堂で行われた「ミュージック・ライフ展」(写真下)へ。自分は当時まだ同人誌然としていた薄っぺらい「rockin'on」派だったので、一度も「ミュージック・ライフ」を買ったことはないはずだが、購読していた親友のをずっと読ませてもらっていた。パネル中心でもう少し名古屋と洋楽の歴史に関する展示があるのかなと期待していたがわりとあっさりした内容で、ご時世なのかやはりクイーン(Queen)ありきの展示(同誌と縁が深いので当たり前か)。でもジミヘン(Jimi Hendrix)が同誌宛てにサインをした写真があったりと、さすがに先達ならではの長い歴史(昭和21年に前身が創刊)が感じられるものではあった。

ついでに館内を巡って公会堂の鑑賞をしてから昼食に向かったのは、とんかつで有名な「気晴亭」。創業が昭和20年(1945)という歴史のある店だ。鶴舞公園でレモン水を売る屋台から出発したのだとか(店内メニューより)。2階が店舗になっていて、店に入るとウエイターが奥のテーブル席を案内してくれた。先客は家族連れが多い。メニューを眺めながら思案。和風洋食といった感じのラインナップで「らーめん」〔ママ〕まである。こちらの名物だという「まんざ」のミニサイズと、同じく名物の「ひれお手前とんかつ(八丁味噌味)」のミニサイズ、それにビールをお願いした。

まずはビール(サッポロ黒ラベル)が柿ピーの小袋付きで運ばれる。その際に飄々としてコミカルな喋り方のウエイターから「どちらかいらっしゃいましたか?」と訊かれた。店でいきなりこんな事を訊かれるのは珍しいので訝ったが、厨房(たぶん主人の意?)からとんかつを頼んだ人に訊いてこいと言われているのだとか。ま、隠す程のことでもないので正直に答え、料理の到着を待つ。

まずは「まんざ」が運ばれた。「まんざ」というのはこちら独特の餃子のようなもの。薄皮で丸く平べったい形をしていて、酢醤油の他にケチャップでもいただく。皿にはカレー味のもやしも添えてあった。「まんざ」は両面がカリッと焼かれていて、見ただけでビールに合うことが分かる(店のHP曰く「しゅうまいと餃子の良いとこどり」)。元の味付けはあっさりで、しっかりと肉の味が味わえて旨い。そして「ひれお手前とんかつ」が登場。丸い2つのひれかつがそれぞれ半分にカットされている。”70年つぎたしのオリジナル味噌味”というたれが半分だけにかけられているのは気が利いている。みそだれはこってりと濃厚。それでも甘味は控えめ。いわゆる”焼きとんかつ”で歯切れ良く旨い。付け合わせは水菜とスライス玉ねぎ。こちらにもカレーもやしが添えられているが、これが老舗らしからぬ本格的なスパイス感があるもの。何しろどれもビールにはぴったりなので大瓶もすぐ空になった。するとさっきのウエイターが「厨房からです。」と熱々の胡麻団子のプレゼントしてくれた。何だか憎めない方だ。次は「まんざ」のヴァリエーション(蒸し、茹で、揚げ)に、「バーガーかつ(メンチかつ)」でも頂いてみようかな。(勘定は¥2,000程)

 

 


 

 ↓ 改修が終了し、新規オープンとなった「名古屋市公会堂」(昭和5年・1930・建造、改修)。以前の古びた感じが明るい感じに変わっていた(ような気がする)。設備の近代化が図られたようで、残念ながらアナログのエレベーター階数表示は撤去されデジタルに…。ああいうのを修理刷新することは出来ないのかなァ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓ 「鶴舞公園」内の近代建築、カフェ「ヌンク・ヌスク」(明治42年・1909・建造)。庭側の軒下の看板はかつての店のものだろうか。(※ちなみに鶴舞駅は「つるまいえき」と読み、鶴舞公園は「つるまこうえん」と読みます)

 

↓ 以前に見ようと思っていた時はコスプレイヤーに占拠されていて叶わなかった園内の「鶴々亭」(昭和3年・1938・建造)。同年に開催された「御大典奉祝名古屋博覧会」に茶席として設けられた建物。せっかく静かだと思ったら利用者だけしか中には入られない。

 

 


 

気晴亭

愛知県名古屋市中区千代田5-21-6

 

( 名古屋 なごや 鶴舞 きはる亭 きはるてい とんかつ 味噌かつ みそかつ 洋食 ラーメン 中華そば とんざ 丼物 近代建築 名古屋市指定有形文化財 )

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あじろ亭 (4) @岐阜県岐阜市

2019年04月04日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

未確認の情報だが、名古屋の円頓寺商店街にある老舗洋食店「勝利亭」が近々閉店するかもしれないのだという(間違った情報でありますように…)。日露戦争の勝利にちなんで名付けられたという店名が歴史を感じさせるこの名店だが、最近は不定休になり夜の営業もほとんどなかったりして、店前まで行っては振られることも多く、足が遠のいている。そんな創業110年を誇る店と同じく、112年もの歴史がある岐阜市の洋食屋「あじろ亭」へ(両者に共通するのは東海地方にわずかに残る料理「ミヤビヤ(こちらではミヤベヤ)」)。雨が降りそうな空の下、バス停から店まで歩いて行く。まだ早い時間だったが、店に入ると先客は1名。奥のテーブル席に座りメニューを眺めた。最初はビールでも呑もうと思っていたが、気分が変わってご飯物をと「オムライス」を注文した。この日給仕をやっていたのは年配の男性。

まずはいつものように大根やらのピクルスの小皿が運ばれ、後から「オムライス」が登場。給仕男性が「うちで作っているソースです。よかったら使って下さい。」とソースの瓶を添えていった。このソースはテーブルにも置いてあったので前にも味見をしたことがある。「うち」という言い方が血縁を想像させる。ひょっとしてご子息だろうか。調理は別の女性のようなので先行きは分からないが、この店にはなんとか続いて欲しいものだと思う。白い平皿に盛られた「オムライス」は薄焼き玉子タイプでライスをきれいに覆っている感じ。同じ皿にはちょこんとサニーレタスが添えられている。ライスは色付いているが味付けはごく薄め。中にはブロッコリー、マッシュルーム、玉ねぎ、ハムなどが見える。ブロッコリーって珍しいナ。勧められたソースを少したらしてみた。ソースは酸味が強めのもので、大雑把に言うと”焼肉のたれ”のような味の組立のもの。淡い味付けのオムライスに使うといい感じになる。このソース前提の薄味なんだろう。旨かった。(勘定は¥700)

以前の記事はこちら (1)(2)(3

この後の記事はこちら (5)(6

 

欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス 老舗 100年食堂 勝利亭 閉店 廃業 )

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寿命そば @滋賀県犬上郡多賀町

2019年04月03日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の「多賀大社」近辺を散策。お参りをした後、おやつ代わりに境内にある蕎麦屋「寿命そば」に入ってみた。とても風情ある年季の入った建物に、これまた趣のある書体の暖簾が掛かっている。多賀大社のHPにもしっかり”そば舎”と記されていて”福井の有名そば店の味を伝授され”と書かれているのだが、古い店なのか新しい店なのか、直営なのかテナントなのか、後から調べてみても分からないことが多い。どういう歴史のある店なんだろう。通しで営業していて、中に入ると券売機があった。こんな場所なので品書きは多くないだろうと思いきや、色々な種物が揃っている。甘味なども扱っているようだ。寒かったので(訪問2月末)熱い蕎麦をと選んだのは「長寿海苔そば」。券を手に奥へ行くと「お好きな場所へどうぞ。」と指示される。セルフではなくちゃんと運んできてくれるようだ。

給仕女性がお茶と引き換えに券を下げ、しばらくたって「長寿海苔そば」が運ばれた。濃いめの色をしたつゆの上には丼ぶりからはみ出るほど大きな海苔が1枚そのままのっている。いわゆる”花巻そば”のような感じ。海苔が崩れる前に早速つゆをいただく。匙は用意されていないので直接丼ぶりに口をつけた。しっかりとした出汁感がありやや甘めのつゆ。そして蕎麦を手繰る。麺の茹で加減はやや軟らかめ。他の具材は切った青ネギのみ。特に香り高い海苔という訳ではないが、だんだんつゆに溶けて風味が変わっていくのが旨い。するするっといただき、崩れた海苔で黒くなったつゆも多めに啜って箸を置いた。(勘定は¥650)

 


 

↓ 「多賀大社」境内。境内に置かれていた献酒された酒造の菰樽の数々。「どんな銘柄があるのかな」と気になってしまうのが呑兵衛の情けないところ(笑)。なぜか真ん中にはサントリーのウイスキー樽も。

 

↓ 国登録有形文化財に指定されている料理旅館「かぎ楼」(明治10年・1877・建造、のち増築)。べんがらに塗られた壁が目を引く主屋+三層(客室)の建物。現役の建物だと聞いていたがこの日はひっそりとしていた。

 

↓ 「かぎ楼」の向かいにある江戸創業の料理旅館「亀屋(かめや旅館本館)」(大正13年・1924・建造)。こちらも有形文化財に指定されている。色褪せた看板も渋い。広い2階の広間が往時の隆盛を物語る。

 

 

↓ 絵馬通りにあった古そうな家屋(建築詳細不明)。軒下が銅板で処理されていて緑青が吹いている。この通りの両脇の建物もかなり古いものが多く、往時の風情を残している。

 

↓ 少し路地を入った所にあった建物(建築詳細不明)。木枠の窓や引き戸に加えて、1階壁面はモザイクタイルでびっちり装飾されている。2階壁面はブリキ板かな。

 

↓ 絵馬通りの端にあった日本家屋に洋館(洋間)がくっついた建物(建築詳細不明)

 

 


 

 

お多賀名物 寿命そば (寿命蕎麦)

滋賀県犬上郡多賀町多賀604 多賀大社境内

 

( 滋賀 しが 多賀 たが 多賀大社 参道 絵馬通り じゅみょうそば 寿命蕎麦 長寿そば 越前屋 お多賀名物 お多賀さん 近代建築 )

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とらや老舗 @岐阜県高山市

2019年04月02日 | 岐阜県(飛騨・老舗)

歴史のある店が多い高山市内なので寄ってみたかった店はいくつもあったが、きりがないので和菓子の店は1軒だけ、こちら上二之町の「とらや老舗」へ。創業は天保元年(1830)というから凄い歴史。こちら饅頭の種類が多いらしく、特に「草まんじゅう」が有名なのだとか。もちろんそれ目当てで店に入ってみた。店の普請は大きくなく、入ってすぐにガラスケースがある。ずらりと並んだ菓子はやはり饅頭が中心。味見程度の量しか買って帰られないので、定番の「草まんじゅう」と、味が気になった「しそまんじゅう」を2人分づつ購入した。

帰ってから嫁といただく。「草まんじゅう」は皮自体によもぎが練り込まれた蒸し饅頭。見ただけでもその含有率がかなり多いのが分かる。深い緑色をした皮と共に口に入れるとふわっとした口当たりと裏腹にブワッと香るよもぎの風味が濃い。ふだん草餅はよく食べるが、饅頭ってそういえばあまり口に入れていないかも。次は「しそまんじゅう」。赤紫蘇で色付けされているのか、皮は優しい桃色に染まっていて、点々と緑の粒が見える。口に含んでみるとなるほど紫蘇だが、饅頭としては初めての風味。ほんのり酸味が残る皮の具合と、餡の対比が面白い。まだまだ色々な饅頭があったので食べてみたいナ。(勘定は¥500程)

 


 

 ↓ 登録有形文化財に指定されている「山桜神社火の見櫓」(昭和7年・1932・建造)。混みいった街中にあり、寺の正面からは塔の先が少し覗けるだけ。

 

↓ 上一之町の「三ノ町倶楽部」(昭和23年・1948・建造)。現在は同名でバーとして使用されている。こういう所で呑んだら酔い心地も違うだろうか(笑)。

 

 ↓ 繁華な通りを走っていて気になった建物(建築詳細不明)。屋根上の窓付きのでっぱり部分は何だろう。階段でもなさそうだし…、明かり取りだろうか。

 

↓ 筏橋の東詰、片原町のシックな出で立ちの喫茶「バグパイプ」(建築詳細不明)。2階壁面にオーダー(列柱)のような飾りが。外からは分からないが窓はステンドグラスか何かになっていそう。今回は時間が合わなかったが次は是非入ってみよう。

 

 ↓ 花川町の「上野家具店」(建築詳細不明)。軒下にこちらもオーダー(列柱)を模したような装飾がある。

 

 ↓ 反対側の朝日町にある「人形のうつぼ(うつぼ人形店)」(建築詳細不明)。2階の3連窓×2の装飾が素敵。向かって右側は日本酒バーとして使われているよう。そちらも入口ドアが渋い。角側の店舗も続きの建物だろうか(そこの外壁の装飾も気になる)。アーケードをとっぱらって見てみたい(笑)。

 

 ↓ 道を挟んですぐ隣の「高山信用金庫川西支店」(建築詳細不明)。装飾は無いが窓の並びがそれらしい感じ。1階のレンガ様装飾は新しいもののように見える。

 

 


 

とらや老舗

岐阜県高山市上二之町75

 

( 岐阜 ぎふ 高山 たかやま 虎屋 とらやしにせ 虎屋老舗 和菓子 御菓子司 まんじゅう 蒸しまんじゅう 蒸饅頭 蓬生 よもぎ饅頭 近代建築 国登録有形文化財 )

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Tower Of Power / Tower Of Power

2019年04月01日 | ソウル・ファンク・R&B

Tower Of Power / Tower Of Power (1973)

カリフォルニア州オークランド出身のファンク・バンド、タワー・オブ・パワー(Tower Of Power)の3枚目のアルバム。バンド名が冠してあるので、ずっとこの盤がファースト・アルバムだと思っていた。ベスト盤は所有しているが、オリジナル・アルバムを聴くのはこれが初めて。自分が彼らを知った曲「What Is Hip?」が収録されていて商業的にも成功したアルバム。彼らは74年に来日してかまやつひろしや、RCサクセションの「シングル・マン」のレコーディングに参加しているので、このアルバム発表後ということになる。どうしてそんなコラボが実現したのかは知らないが、一線級のバンドが日本のロックの歴史(まだまだ黎明期)に参加していた事実が興味深い。当時、清志郎とメンバーの間にどんなやりとりがあったのだろう(演奏に不満だったというのは本当だろうか…)。

何といってもリズム隊の跳ねるような独特のリズムと、ホーン・セクションの畳みかけるようなアレンジが最高。休むヒマ無しといった感じで次々とフレーズが襲ってくる。メンバーの詳しいことは全然知らないが、ホーン・セクションは全員白人だったっけ。ま、こういうのを聴くと黒も白も関係ないナと思う訳だが。ずっと昔にベスト盤を聴いて自分にとってもドンピシャな感じなのに、今までアルバムを集めなかったのが不思議でしょうがない。今は映像で探すことも出来るが、この頃の彼らのライヴでラッパやリズムの音圧を体験出来たら凄かったろうなァ…。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD  (1999/2/26)
  • Disc : 1
  • Format: CD,
  • Label : Warner Bros / Wea
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COFFEE ROAST 各務原店 @岐阜県各務原市

2019年04月01日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜県各務原市にある自家焙煎コーヒー豆の店「コーヒーロースト各務原店」へ。最近やっと自宅では豆から挽いてコーヒーを淹れるようになったので、その豆を買いに。行ったことのない店を検索して訪問。来てみて、あぁここかと場所を認識。すぐ近くに何度か利用したことのあるパン屋さんがあるので、この店も見たことがあった。店内に入ると生豆やコーヒーの機材、コーヒーと一緒にいただく菓子類などがずらりと並んでいる。展示の仕方も、店内で焙煎するやり方も、以前何度か利用した大垣の店に酷似しているが、HPで見てみると特に関係は無さそうで、こちらは名古屋近辺にこの店を入れて6軒あるローカルチェーン店のようだ。店内では先客の焙煎が行われていて香ばしい香りが充満している。

数ある豆をじっくり眺めていると「この店は初めてですか?」と男性店員に訊かれたので「ハイ。」と答えると、好みの味や、普段どれくらいの量を飲むかなどの尋問が始まった。これに答えるのがなかなか難しい。好みは気分や時々によって変わるし…。今飲んでいるのが割と苦味の強いものだったので、変わったものを飲みたいなと「酸味の強いものを。」とお願いして、選んでもらったのはエチオピアの「モカ・イルガチャフィー」。生豆を見せてもらい、240gを焙煎して約200gになるとのこと。待っている間にコーヒーを淹れていただけるのだが、年配の女性店員が淹れ方を実演してくれるとのこと。「普段何でどうやって淹れてますか?」なんてこれまた細かい質問を受けながらレクチャーして下さるが、他の客の手前、プロファイリングされるのはこっ恥ずかしいなァ。アクを落としたものと、そうでないものの飲み比べなんかもしてもらったが、”そう言われると…”程度しか分からないので正直に感想を述べる。やりがいの無い客で申し訳ない(苦笑)。

持ち帰った豆を早速挽いてみる。10gで100㏄が適量らしいので普段自分が飲んでいる量だと豆(粉)がちょっと少ないかな。以前はオイルも余さず抽出出来るフレンチプレスで飲むことが多かったが、嫁の「後始末が…」という嘆きを耳にしてからはペーパードリップに戻った。さすがに挽き立てはブワッと膨らむガスの量が違い、香りも濃厚。お願いした通りしっかりとした酸味が味わえて旨いコーヒーだった。普段ちゃっちゃと淹れてガブ飲みしているのだが、自分で挽くともう少しゆっくりとコーヒーを淹れるようになりそうだ。それはそれで楽しいもの。(勘定は¥1,000程)

 

プロショップ 豆工房 COFFEE ROAST 各務原店(コーヒーロースト東海 各務原店)

岐阜県各務原市蘇原野口町1-80-1

 

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