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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

万年堂 @名古屋市中区・新栄 (2)(※移転)

2019年11月22日 | 名古屋(中区 老舗)

新栄の「万年堂」へ。この日は好物の最中を買おうと寄ってみた。天候が荒れると予報が出ていた前日だったが、まだ空は快晴。店に入ると年配の男性店員が迎えてくれた。いつものように少量でも構わないか声を掛け、ショーケースの中から「宿の梅」という最中と、「頬杖」という菓子をお願いする。奥で包んでくれる間に、すぐお茶とこちらの名物干菓子「おちょぼ」がひとつ届けられた。店内で座らせてもらい、有難くいただく。気が利いているなァ。その間に男性店員と世間話。しかも届けられた菓子はしっかりと小さい箱と包み紙で綺麗に梱包。少量の買物なのにと恐縮してしまう。さすが。

帰ってから包みを開ける。こうしてしっかりと包んでもらうと特別な気分になるもの。「宿の梅」は丸い最中種(皮)に梅の花の形が押してある。つぶ餡の「焦がし」と、こし餡の「白」があったが、自分が選んだのは「焦がし」。こちらのつぶ餡はしっかりと甘め。「頬杖」は小さいどら焼きのような菓子。皮はしっとりとしている。つぶ餡とゆずこし餡があったが、こちらもつぶ餡を選択。ふわっとした皮に香ばしい香りがある。どちらも旨かった。本当は上生菓子を買って帰りたいが、手に持って歩くのが嫌なので避けてしまう。次は車で来ないと。(勘定は¥600程)

以前の記事はこちら (1

万年堂

愛知県名古屋市東区東桜2-17-21

※令和3年に千種区山門町2-34へ移転しました

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ まんねんどう 和菓子 干菓子 おちょぼ 上生菓子 もなか もなかだね 老舗  )

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飛騨天狗 @岐阜県岐阜市

2019年11月22日 | 岐阜県(岐阜)

JR岐阜駅の北西側、長住町、花園町辺り。近辺は繊維問屋が立ち並び、かつて「国際園」と呼ばれた色街があって賑わった所だが、現在は寂れて平日休日を問わず人通りも多くない。古いアーケード下もシャッターを閉めた商店跡が多いが、ポツポツと飲食店は残っている。この日はその中にある「飛騨天狗」へ。創業は昭和38年(1963)だとか。”飛騨”で”天狗”だと高山の中華そばの店を思いだすけれど、何か関係があるのかな。暖簾をくぐって中に入ると赤いカウンター席の奥にテーブル席が2つ。ブラウン管テレビが現役の年季が入った店だ。年配のご夫婦でやっていらっしゃる。この日は市内をバスで移動していたので、折角だからとビール有りで何かつまんでいこうという目算。顔を上げると、カウンターの上にも、厨房の壁にも、後ろの壁にも、紙短冊に書かれたメニューがいっぱい。もちろん看板通りラーメンなど中華料理が中心だが、定食、丼物をはじめ、どて煮、串カツなど酒のつまみも沢山あり、値付けも安い。まずは瓶ビール(ドライ大瓶)と「餃子」を注文した。

「餃子」は油たっぷりめでしっかりと焼き目が付いたもの。キンキンに冷えたビールをコップに注ぎ、餃子を放り込んだ口を洗い流す。ウメーッ。その頃には肉体労働の若者が何人も入ってきて定食やラーメンを注文していた。居酒屋メニューを追加しようと思っていたのだが、店頭や店内にもあった”当店だけの味・中華風焼そば”の貼紙が気にかかる。焼そばを頼んでしまうともう後が入らないが、どうしても気になったので「中華風焼そば」を追加した。主人と女将さんの息の合った調理が始まる。手際よく出来上がった「中華風焼そば」は、白菜、玉ねぎ、長ネギ、椎茸、タケノコ、人参、もやし、豚肉、玉子、と野菜が盛り沢山のあんかけ焼そば。麺は短めの細麺で、味付けは少し胡椒っ気が強め。戻した椎茸がいい風味になっていて旨い。麺と野菜を交互に手繰っていき、食べ終わる頃にはちょうどビールも無くなった。”当店だけの味”というのが何を指すのか分からないが、昔はこういう中華餡かけの焼そばが珍しかったのかな。ただ女将さんが目の前の「中華風焼そば」の貼紙を破ったのは何故なんだろう?(笑)。次はラーメンか、ご飯物をいただこう。(勘定は¥1,700)

 


 

↓ 旧・国際園の名残(たぶん)が残る花園町の建物(建築詳細不明)。この隣にあった「ミカド」「祇園」という看板が残っていた建物は取り壊されて駐車場になっていた。

 

↓ 繊維問屋街への西入口。外壁の色が違っていたので今まで気付かなかったが、両脇の建物(建築詳細不明・)はシンメトリーだ。

 


 

 

中華そば・山菜食事 飛騨天狗

岐阜県岐阜市長住町7-3

 

( 岐阜 ぎふ JR岐阜駅 ひだてんぐ ラーメン 中華そば 高山ラーメン 定食 丼物 居酒屋 酒場 中国料理 中華料理 花街 色街 繊維問屋街 )

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The Definitive Story Of CBGB : The Home Of U.S. Punk / Various Artists

2019年11月21日 | パンク・ニューウェーヴ

The Definitive Story Of CBGB : The Home Of U.S. Punk / Various Artists (2006)

ニューヨークのマンハッタン・バワリー地区にあったライヴ・ハウス「CBGB」にちなんだアーティストを集めた2枚組CD。「CBGB」はヒリー・クリスタル(Hilly Kristal)が1973年に開いたライヴ・ハウスで、正式名称は「CBGB & OMFUG (Country Bluegrass Blues and Other Music For Uplifting Gormandizers)」という(ちなみに2006年に閉業)。 当時の写真やフィルムを見ると本当に小さくて汚い店で、特に初期はステージなんて言えるほど立派な物も無いくらいの小屋。そこがいわゆる「ニューヨーク・パンク」の拠点となって数々の有名アーティストを輩出した。自分はテレヴィジョン(Television)、ラモーンズ(Ramones)、パティ・スミス(Patti Smith)、リチャード・ヘル(Richard Hell & The Voidoids)辺りからニューヨーク・パンクのアーティストを聴くようになったので、当然「CBGB」という名前を知るに至り、中古レコード屋で当時廃盤だった「Live At CBGB's(邦題:パンクロックの極致)」(ジャケ下)というオムニバス盤を結構な金額(¥8,000位だったか)を出して購入したこともある。

自分が漁っていた80年代後半ではまだまだ情報は少なく、映像は音とシンクロしていない白黒映画「Blank Generation」をVHSでチラッと見られるくらい(今では映像もネット上に沢山転がっている)、洋書(洋雑誌)も買ったけど読み切れず、後に発行された書籍「CBGB伝説」を読んで情報を整理、後追いするくらいだった。このCD2枚組に収録されているのは、

<Disc 1>

  • 1-01 Television - See No Evil
  • 1-02 Patti Smith - Piss Factory
  • 1-03 Johnny Thunders & The Heartbreakers - Born To Lose
  • 1-04 Blondie - X Offender
  • 1-05 Ramones - I Wanne Be Your Boyfriend
  • 1-06 Mink DeVille - Soul Twist
  • 1-07 The B-52's - Planet Claire
  • 1-08 James Chance & The Contortions - I Got You (I Feel Good) (Live)
  • 1-09 Destroy All Monsters - Bored
  • 1-10 Suicide - Cool As Ice
  • 1-11 The Cramps - Human Fly
  • 1-12 The Gun Club - Sex Beat
  • 1-13 Plasmatics - Butcher Baby
  • 1-14 Pere Ubu - Final Solution
  • 1-15 Mars - Helen Fordsdale
  • 1-16 Bad Brains - Pay To Cum
  • 1-17 Mumps - We Ended Up

<Disc 2>

  • 2-01 MC5 - Kick Out The Jams (Live)
  • 2-02 Iggy & The Stooges - Penetration
  • 2-03 New York Dolls - Jet Boy
  • 2-04 The Velvet Underground & Nico - Run Run Run
  • 2-05 Lydia Lunch / Teenage Jesus & The Jerks - Orphans
  • 2-06 The Shirts - Teenage Crutch
  • 2-07 The Runaways - Cherry Bomb
  • 2-08 Devo - Jocko Homo
  • 2-09 The Waitresses - I Know What Boys Like
  • 2-10 John Cale - Heartbreak Hotel
  • 2-11 Rocket From The Tombs - Never Gonna Kill Myself Again
  • 2-12 Dead Boys - Sonic Reducer (Live)
  • 2-13 The Electric Eels - Spin Age Blasters
  • 2-14 The Dictators - Next Big Thing (Live)
  • 2-15 Bush Tetras - Too Many Creeps
  • 2-16 Tuff Darts - Fun City
  • 2-17 Hilly Kristal / Mad Mordechai - Mud

という面々。1枚目はまあ妥当という感じ。2枚目の最初、MC5(フェードアウト…)やイギー、ヴェルヴェッツなどは年代的に実際にCBGBで演奏はしていないと思うが違うのかな。ひょっとするとソロ(イギー、ルー・リード、フレッド・スミスなど)での出演があったかも。権利の関係か、リチャード・ヘルとトーキング・ヘッズ(Talking Heads)が抜けているのはちょっと痛い。未発表音源でもあれば飛び上がる程うれしいが、収録されているのはスタジオ・テイクが主なので珍しい音源も無いだろう(未確認)。それでも90年代くらいまではパティ・スミスの1-02だってレア曲だったのだ。”No New York"の面々もラインナップされているは〇。このニューヨーク・パンクというムーヴメントはある一定の様式があった訳ではないので音楽性もファッションもバラバラだし、そもそも出演しているアーティスト達には”パンク・ロック”という意識はまるで無かったらしい。それはこれらの音源を聴いてもよく分かる。それでもこれだけのアーティストを集めるのはかなり大変だし、特に自分がアルバムを所有していないアーティストの曲が楽しめるのは有難い。各アーティストを端的にまとめたライナーノーツもいいし、この盤が90年代くらいまでに発売されていたら名コンピレーションと評されたろう。ニューヨーク・パンクに興味のある人なら必聴(←今の時代にそんな人いるのかな?・笑)。

オークションにて購入(¥880)

  • CD  (2006/10/24)
  • Disc : 2
  • Format: Import
  • Label : Salvo
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いろは東店 (3) @岐阜県関市

2019年11月20日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県の関市内で呑む機会があると2軒目などで時々寄っている「いろは東店」。店は関高校のすぐ近くにあり旧国道248号線沿いなのだが、周囲に店舗が少なく、夜ともなると真っ暗。店は窓も少ないし、遠くから見ると回転灯だけクルクル回っているような状況だ。でも中に入ると店内は賑やか。この日もカウンター席こそ空いていたが、他はほぼ満席状態だった。ただ自分が入った遅めの時間にはもう皆ひと段落しているような感じで、主人も片付けをやっている最中。瓶ビール(キリンラガー)をお願いし「さがり」を焼いてもらう。

2軒目なのでビールも感動は無いが、出来上がった濃い味付けの「さがり」の後に流し込むとやっぱり旨い。歯応え十分で”肉喰ってる”感が強くてイイ。更に少し一味を振ったりして喰らっていく。追加で「ニラレバ」をお願いしたらニラを切らしているとの事。給仕女性が「もやしだけなら…」って言ったら主人が「レバーだけ炒めた方がええわ」と「レバー炒め」をしてくれることに。どういう具合か知らないが、カウンターの品書きにはテーブル(ロースター有)の方では注文できる「レバー」は載っていないので、願ったり叶ったり。主人がフライパンで焼いてくれた「レバー」は軽い炒め。なので食感は軟らかく、レアかミディアムレアといったところ。新鮮なので旨いが、もう少しだけ火入れした方がビールには合うかな。再追加は「どて串」。これもしっかり煮詰まっているようで濃い味。若干の辛味もある。ビールでお腹がいっぱいなので、この日はこの辺で。(勘定は¥1,600程)

以前の記事はこちら (1)(2

この後の記事はこちら (4

炭火焼肉・中華そば いろは東店

岐阜県関市鋳物師屋3-1-1

 

( 関 せき いろは 焼肉 炭火焼肉 ホルモン ホルモン焼 小腸 ハラミ 中華そば 酒場 居酒屋 うまいろは )

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とらや饅頭 @三重県桑名市

2019年11月20日 | 三重県(老舗)

自転車で三重県桑名市の「桑名宗社(春日神社)」辺りをフラフラと散策していたら、路地に年季の入った木製看板を掲げた「とらや饅頭」という店の前に。事前に調べていた訳ではなかったが寄ってみることにした。見上げると破風には木製の虎の像も。帰ってから調べてみたら創業宝永元年(1704)で現在は11代目というとんでもない歴史のある店だと分かった。江戸時代の桑名藩の下級武士の日記にもこの店の饅頭の記述があるのだとか。スゴイ。”とらや”の屋号は全国各地にあり、その出自はよく分からない事がほとんどだが、こちらは京都とかと何か関係があるのかな。それはさておき店に入ると売場は大きくなくシンプル。女性の店員さんにはもちろん「とらや饅頭」をお願いした。

持ち帰って家で食べた「とらや饅頭」は、いわゆる酒種(酒蒸し)饅頭。少し黄味がかった皮はしっかりめで無骨。中には甘さ控えめなこし餡がたっぷりで、酒素を使った饅頭特有の酸味ある香りも鼻に昇ってくる。桑名は東海道で熱田宿(名古屋)から海路(七里の渡し)での到着先で、伊勢参りの玄関口となって栄えたところ。昔の人もこちらでひと休みして、こういう饅頭を味わったのかな。こういう饅頭はすぐに皮が硬くなってくるのは承知で、蒸し直したり、焼いたり、揚げたりして食べるといいのだとか。今度は自分も焼いてみよう。(勘定は¥170/個)

 

 


 

↓ 自転車で市内を散策していた折、飲み物でも買おうと最寄りのスーパーに行こうとしたら見覚えのない洋館の屋根が見えた。周りは工事フェンスで覆われている。全然知らなかったが、こちら「諸戸氏庭園の敷地内裏手に当たるようだ(未確認)。周囲を巡ってみると水路があり、フェンスの間から覗くと敷地内にも煉瓦造りの塀と水路でつながっていた(写真下3枚目)。スゴイ。全然知らなかったので興奮した。入園するとこちらの建物や掘も見られるのかな。

 

 

 

 

↓ 表の「諸戸家住宅主屋」(写真下左・明治20年頃・1887・建造)は現在大改造中。並び建つ「諸戸家住宅煉瓦蔵」(写真下右・明治20年・1887・建造)も夕方はひっそり。

 

 


 

 

とらや饅頭

三重県桑名市本町54

 

( 桑名 くわな 桑名宿 とらや とらやまんじゅう 虎屋饅頭 酒蒸饅頭 酒素饅頭 酒種饅頭 和菓子 アイス饅頭 七里の渡し 近代建築 洋館 諸戸家庭園 煉瓦塀 )

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御幸亭 (3) @名古屋市中区・大須

2019年11月19日 | 名古屋(中区 老舗)

休日の昼、久しぶりに大須の「御幸亭」へ。創業は大正12年(1923)。現在、平日は昼営業のみになっている(営業時間が限られてくると心配になるなァ…)。ほぼ口開けの時間に店内へ。大テーブルに案内され腰を下ろす。厨房には老齢のご夫婦(たぶん)がコックコートで調理、給仕は若い男女が2名。メニューを眺め、この日は「オムライス」にすんなりと決定、注文した。すぐに家族連れや1人客が次々と入って来て賑やかさが増した。用意されたスプーンの下の紙ナプキンも皿と同じように「Miyukite」〔ママ〕と書かれている(笑)。

しばらくして、これぞというようなこんもりとした美しい姿の「オムライス」が登場。白い平皿に綺麗に巻かれた玉子の黄色、程良く綺麗にかけられたケチャップの赤、添えられたパセリの緑、の調和が美しい。時々ケチャップ(あるいはトマトソース)がぞんざいにかけられていたり、ビャーッと線状にかけられていたりするオムライスに当たることがあるけれど、萎えるよね(←こんなこと気にするの自分だけか…)。早速スプーンを入れていく。こちらの中身はバターライス。細かく切ったハムが使われている。ケチャップは酸味控えめなもの。この店でも扱っている清須の「太陽ケチャップ」だろうか。包んである玉子は薄焼きだけれど、少しバターライスに馴染んでいる部分もあり、申し分なし。旨かった。次は”牛タン入り”という「コロッケ」か「メンチカツ」をビールか”菊正宗”で。(勘定は¥950)

以前の記事はこちらこちら

 

 


 

↓ 大須仁王通商店街のアーケード下にある化粧品店「大門屋本店」(建築詳細不明)。看板によると創業は明治4年(1871)。もうすぐ150年という老舗だ。舞台演劇用の化粧品や小間物を扱っているのだとか。2階に目をやると木製の窓枠とタイル壁が歴史を感じさせる。

 

 


 

洋食屋 御幸亭

愛知県名古屋市中区大須3-39-45

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす 大須商店街 みゆきてい みゆき亭 洋食 洋食店 みそかつ オムライス ハヤシライス 定食 ランチ 近代建築 )

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鵝鴨歡 (2) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2019年11月18日 | 岐阜県(岐阜)

少し前に岐阜市雄総(おぶさ)の「ハイカラ食堂21」へ行った際にこちら「鵝鴨歡(がおうかん)」の前を通ったら、主人が”営業中”の看板を出しているところに出くわした。おぉ、ご健在であったか。というのも以前の訪問から何度もこちらに寄ったのだがことごとく店が閉まっていたのだ。平日は来られないので休日しか分からないが、ご高齢だしもう営業はしていらっしゃらないのかもと思っていた。ある祝日にすぐ訪問してみた。この日も”営業中”の看板はあった。ドアを開けて階段を昇り、広い店内に入ると…中は真っ暗。あれっ?と「こんにちはー。」と声を掛けるも返事が無い。もう一度「こんにちはーっ!」と大声を張り上げると「はーい。」と主人の声。出てきたご高齢の主人がきょとんとした顔で…、「ん、お客さんかね?」。…苦笑。「いいですか?」と訊くと店内の電気を点けてくれた。以前と同じように広い店内の一番奥のテーブル席に座ると、主人がゆっくりと水とメニューを持って来てくれた。メニューは前回訪問時よりも更に減ったようで4品しか書かれていない。「ぎょうざ」と「ヤキソバ」をお願いした。普段は飲食店店内で携帯電話を取り出すことは無いが、あまりの静寂と孤独感に耐えかねて(?)写真を撮ってみた。パシャッ。

…潔い(笑)。値段にもビックリ。それまで流れていたラジオの音が消され、店内に物音ひとつしない静寂が流れる。広い店内に残され、微かに聞こえる主人の一挙一動と息遣いに聞き耳をたてる。店は広いので見えない厨房は遠いのか、焼く音も鍋を振る音もほとんど聞こえてこない。もちろん客席には自分以外誰も居ないので、この空間を再度撮影。パシャッ。(←主人に断っていないので盗撮です・陳謝)

シーン…。結局さして音も聞こえないまま主人の歩く音が聞こえてきて、先に「ぎょうざ」が、後から「ヤキソバ」が置かれた。以前にも食べたことのある「ぎょうざ」は大きなものが3つ。しっかりと焼き目が付いており(前はこんな焼き目が付いていたっけな?)、皮は厚めでモチモチ。辛さのあるつけだれには五香粉のような独特の風味が効いていて、この店の調理が普通の町の中華料理屋と違うことが分かる。口に入れるとたっぷりの肉汁が溢れ出て、旨い。「ヤキソバ」はやや油多めで、玉ねぎ、もやし、ニンニクの茎が使われている。てっぺんには独特の肉味噌がのせられていて、いわゆるソースとかの味付けではないもの。麺は細ストレート。これも旨い。出来る事ならビールと一緒に味わいたいが、それがあるのかどうかも分からない(笑)。添えてある紅生姜で口直ししながら、最後は肉味噌を麺にしっかりと混ぜていただいた。あぁ、旨かった。席を立って、また大きな声で「ごちそうさまーっ!」と張り上げ、出てきた主人に勘定してもらった。次は「タンメン」と「からあげ」だ。(勘定は¥550・笑)

※閉店されたようです(令和3年1月現在)

以前の記事はこちら

この後の記事はこちら

 

 


 

↓ 食後は自転車で「岐阜公園」内の「名和昆虫博物館」(大正8年・1919・建造)を再訪。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ すぐ隣の「記念昆虫館(旧・特別昆虫標本室)」(明治40年・1907・建造)。こちらは木造煉瓦壁。屋根の妻部分の凝った意匠が見もの。蝶々の姿も。

 

 

↓ 記念館の前に建つ「昆蟲碑」(大正6年・1917・建造)。ギフチョウを発見した研究所創立者、名和靖の還暦を記念して作られたそう。これら全ての設計は名和靖の教え子でもあったという武田五一。

↓ 昆虫博物館の東側の金華山麓には「殉職警察官消防員忠魂碑」(大正15年・1926・建造)があった。毎年5月には慰霊祭が執り行われているようだ。

 


 

 

中國料理 鵝鴨歡

岐阜県岐阜市雄総桜町3-60

 

( 岐阜 ぎふ 雄総 おぶさ がおうかん 中華料理 中国料理 水餃子 ぎょうざ ギョーザ 餃子 焼きそば 焼そば やきそば 近代建築 昆虫碑 閉店 廃業 )

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Bridges To Buenos Aires ( DVD+2CD) / The Rolling Stones

2019年11月17日 | DVD

 

Bridges To Buenos Aires ( DVD+2CD) / The Rolling Stones (2019)

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の蔵出し映像+音源シリーズ。今回は1998年の「Bridges To Babylon」ツアーの南米はアルゼンチン公演。アルゼンチンでは2回ほど前座にボブ・ディラン(Bob Dylan)が出演し、この作品にもディランとの共演が1曲(曲はもちろん「Like A Rolling Stone」)収められている。次から次という感じで発売されるストーンズのアーカイヴ作品集。ここまで頻繁だと正直ありがたみは薄く、当初は寺田正典氏の長文ライナーノーツ目当てで日本盤を購入していたが、値段やパッケージの不揃いなどで、とうに日本盤で揃えるのは諦め、輸入盤を購入。上のジャケ写と違って思い切り”15歳以上”の年齢制限マークが印刷されてしまっているのは残念…。全くジャケット・アートを何だと思っているんだ(シールでいいじゃないの)。にしても80年代頃の飢餓感が嘘のような話だ。当時はオフィシャル・リリースは僅か。ネットが無いから情報も少なく、なけなしの小遣いの中から高いお金でブートVHSを購入し、赤く色飛びしたような滲んだ映像をかぶりつくようにして見ていたものだった。

それはさておき、3月に発売されたばかりのドイツ公演「Bridges To Bremen」は予想通り聴く頻度も観る頻度も少なく、ファン失格というところだが果たしてこれはどうか。アルゼンチンといえばその観衆の熱さが有名。絶対定員以上入れてるだろっていうフィールドで波打つ観衆がライヴ中延々と歌い続ける光景は他のアーティストの映像でも確認できる。現地での”追っかけ”やなんかも凄いらしい。CDではあまり歓声は大きくミックスされていないし分かり辛いが、アーティストにとったらスタジアムの眺めは壮観だろう。全体の演奏としてはなかなか。CDではBステージへ行く部分は端折られているので、いきなりBステージでの演奏が始まって面喰う。しかもミックは「When The Whip Comes Down」のところ「Respectable」を歌いだしてしまい…(確かに間違い易い・笑)。最近はメンバー(特にキース)もイントロのリフやメロディーを簡略化(省力化?)しているのでこんな間違いも起きやすい。もうこういうのが楽しみにさえなってきている(笑)。

ミックの”曲名先に言っちゃう”クセは相変わらずだし、ディランとの共演は映像なしでもあっても正直辛いが(あの歌い方と合わせるのは不可能…)、十分に楽しめた。「Brown Sugar」の最初のイントロ・リフはやっぱりこのクラシック・ライヴ・スタイル(”チャッチャ”でなく”チャラッチャ”)なのがイイね。 

amazonで購入(¥2,491)

  • CD  (2019/11/8)
  • Disc : 3
  • Format: CD, Import
  • Label : Eagle Rock Entertainment
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享楽亭 @愛知県知多郡武豊町

2019年11月17日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県武豊町へ遠出を決めた目的は、近代建築の観察はもちろんだが、この店の訪問のためでもあった。洋食の「享楽亭」。創業は大正元年(1913)で現在3代目だとか。東海地方にのみ残る絶滅危惧メニュー「ミヤビヤ(ミヤベヤ、メアベヤ)」を提供する数少ない店のひとつ。この5月に名古屋の「勝利亭」が廃業してしまったので、昔からメニューに載っている店は、もうここと岐阜市の「あじろ亭」、三重県津市の「中津軒」の3軒だけになってしまった。どちらも創業100年越えの店だ(※古くない店では、知っている限り瑞浪市の「満月」と岐阜市の「マカロニ亭」がある)。「享楽亭」は市街地を外れた名鉄線路沿いに店があった。勇んで開店時間に到着したのになぜか”準備中”の看板のまま。車に乗ったまま待つも状況は変わらず…。その間にも何台かの車が来ては看板を見て引き返す。「すわ(臨時休業?)…」と思い始めた頃、店内から女性が出てきて「今日は出前の予約があるので店を開けるのが12時頃になります。」とのこと。予定は狂ったけれど、とりあえず店が開くことだけは分かったのでひと安心。近代建築探しを続行した。

時間になって店に戻っても、まだ店は開いていなかった。駐車場で引き続き待つ。後客も何台か入って来た。すると知らないうちにもう何人かの客が店の中に入っていった様子。開店したことは教えてくれないようだ(苦笑)。あわてて店内へ。店自体は古くなく、住宅の一部を改造してあるような建物。テーブル席と奥に小上がりがある。店内には「ルービトブカ」「ルービンオニユ」と逆に書かれたとても古いバーカウンター(キャビネット)が鎮座している。カッコイイ。厨房の中には白髪の主人、給仕は女将さんとさっきの女性(娘さん?)が担当。老齢の女将さんに「タンシチュー」と「チキンミヤベヤ」を注文した。「ミヤベヤ」はちょっと時間がかかるとのこと。「構いません。」と伝える。メニューには注文したもの以外にも「海老の玉子巻き」「イタリアンビフ」など、読んだだけではどんな料理か分からないワクワクするような品もある(現在は写真入りメニューもあり)。でも全部頼むわけにもいかない…。

30分以上の時間がかかって「タンシチュー」と「チキンミヤビヤ」が運ばれた。まずは平皿に盛られた「タンシチュー」から。カドのないデミグラスソースで煮込まれたタンはとても軟らかく仕上がっている。旨い。シチューの口当たりも滑らかで、いかにもクラシックな日本式洋食といった感じでご飯に合いそう(老舗らしくライスは別)。同じ皿の上にはサラダ(千切りキャベツ、ポテトサラダ、トマト等)も添えられているが、ちゃんとトマトが湯剥きされていたりと丁寧な仕事がされている。「チキンミヤビヤ」はケチャップ寄りのソースでチキンと大振りに切られた玉ねぎが煮込まれていて、真ん中に玉子が落とされている。上面に焦げが見当たらなかったのでオーブンで焼かれているかどうかは分からず。玉ねぎの火入れは浅くシャクシャクとした食感も残していた。玉子は黄身が全部流れ出ないくらいの硬さ。これで「中津軒」以外では「ミヤビヤ(ミヤベヤ)」を食べる機会があったが、火の入り方は別として、どちらも味は複雑なものではなく、見たまま、想像したままの味。

食べ終わってお茶をいただいていると女将さんが「遠くからいらしたの?」と話し掛けてくれた。岐阜方面から来たことを告げると「「あじろ亭」って知ってみえる?」と。「ハイ、何度も食事に寄っています。」と答えると、「あそこ、うちの親戚なのよ。」との事(なーにーっ!!・驚)。「お姉さん(現在の主人)がまだ元気でやってみえるでね。」「うちの初代があちらと姉弟で、あちらがお姉さん。」と衝撃の事実が明らかに(※”姉弟”のくだりは、こう聞いたような気がしたが不正確かも)。実は食事中に卓上にあったガラス瓶に入ったソースをスプーンに垂らして舐めてみたのだが、その味が「あじろ亭のソースみたいだナ。」と思っていたばかり(同様の作り方かどうかは未確認)。いやぁ、びっくりした。創業100年を超え、貴重なメニューが残る、かくも貴重な洋食屋同士が親戚筋だったとは。「遠くからありがとうね。」という女将さんの優しい言葉を背に店を後にした。近くだったら絶対全メニュー制覇したい店なのに、易々と行けないのが悔しい。(勘定は¥2,100)

「あじろ亭」(岐阜)の記事はこちら

「勝利亭」(名古屋)の記事はこちら

 その他「ミヤビヤ」の店の記事はこちら

 

 


 

↓ JR武豊線の「石川B鉄橋」(明治24年・1891・建造)。イギリス人技師ボナールによって設計されたボナール型と呼ばれる物で、明治初期の煉瓦・切石造りの橋梁は全国的にも珍しいものなのだとか。

 

↓ 武豊町から半田市に向かっている道中でちょっと気になった隅切り屋根の建物「旧:杉江歯科醫院」(建築詳細不明)。うっすらと木製看板が残っていた。母屋の屋根頂部には立物(たちもの)と呼ばれる飾りも。

 

↓ 帰り道に半田市の亀崎に立ち寄る。亀崎にある創業安政2年(1855)という歴史ある料亭「望州楼」(江戸期建造)。傾斜地に建っているので料理を運ぶケーブルがあるのだとか。

 

↓ 「望州楼」の向かいにあるべんがら塗りの「旧・成田家住宅」(明治11年・・建造)。元々は「望州楼」の旧店舗で、明治になって住居兼店舗として建て直しされたのだとか。平成20年間で使用されたとのこと。

 

↓ 「望州楼」の前の通りで見付けた豆タイルを多用した商店(建築詳細不明)。何に使われているかは分からないが、とてもしゃれた店舗だ。

 

↓ 「JR亀崎駅」(明治19年・1886・建造)。日本最古の現役駅舎との話もある(※諸説あり)。

↓ 「盛田金しゃち酒蔵」(建築詳細不明)。蔵は1800年代の建造だとか。ここの売店も日曜は休み。酒造の売店ってほとんどが日曜休みばかりで買えない。残念。

 

 


 

 

洋食 享楽亭

愛知県知多郡武豊町字池田1-114-3

 

( 武豊町 たけとよちょう きょうらくてい 洋食店 洋食 ミヤビヤ ミヤベヤ メアベヤ 老舗 100年食堂 ハヤシライス オムライス 近代建築 閉店 廃業 近代化産業遺産 )

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寿恵広 @三重県桑名市

2019年11月16日 | 三重県(老舗)

三重県桑名市は”アイス饅頭”が有名。元祖がどこかとかは知らないが、市内にはいくつもの”アイス饅頭”の幟を掲げた店がある。いわゆるメーカーの市販品と違ってどこもカッチカチに硬いのが特徴。桑名駅から自転車で南下してある店を目指すも残念ながら休業日。その次に向かったのがこちら「寿恵広」。創業は大正12年(1923)。こちらアイス専門という訳ではなく、普通の和菓子屋さん。なのでもちろん和菓子もディスプレイしてある。でもやはり推しはアイス饅頭。店を入ったすぐ横にアイス饅頭各種が沢山入った冷凍庫があった。中を覗くと「アイスドリアン」なるものがあった。アイスで”ドリアン”…? アイス饅頭を買う気満々だった当初の意気込みはどこへやら「アイスドリアン」を手に取っていた。主人にお代を払って外で早速包みを開ける。

「アイスドリアン」といってもドリアンは入っておらず(もちろんそうだろうとは思っていた)、アイスキャンデーを総称して「アイスドリアン」と呼んでいるようだ。名前の由来は知らず。後で調べてみたけれどお店の人も知らないようで、そもそもアイス饅頭よりも歴史が古いのだとか。意外。自分が買ったのは「ココナッツ」味。口にしてみるとさっぱりとした味で、ほのかにココナッツの風味がして、何とも旨い。自分は乳脂肪分が多いアイスクリームよりもシャーベットや、アイスキャンデーの方が好きなので、こういう口当たりのアイスが大好き。1回店を出てしまったから戻らないけど、近くに居たらもう1個買ってただろう。他の味も試してみたいナ。(勘定は¥97/本)

 

和菓子処 寿恵広

三重県桑名市三ツ矢橋11

 

( 桑名 くわな すえひろ 和菓子 アイスまんじゅう アイス饅頭 ドリアン 老舗 新栄堂 )

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