今日、いつもにように買い物にイトーヨーカドウへ行きました。
買い物も終わりエレベーターで駐車場に向かう時に、同乗された
70代後半のご婦人2人と息子さんらしき30代の方が、
「さっき行ったばかりなのに… また行きたい気がする。まったく
外出はもう出来ないね…」とお母様らしき方が嘆く。
歩行する姿も、お二人とも失礼ながらO脚で膝も曲がり…
昨日はきららの体操教室だったので、なおさら…感じた。
きららの70.80代のお姉さん(お姉さんといつも‘きらら'で呼んで
いる)のなんと若いことか!
年を取ったら、足が悪くても悪くなくても気持ちの問題の方が
大きいかも?! そうか、年を取ったら‥お小水の方の心配も
あるんだっけ。そういえば、義母も30分おきに家でトイレへ行って
いたなあー。 医者に診せたけど病気ではなく、加齢のせいって
言われたっけ。リハビリパンツをはいても外に出かけて欲しい
なぁー、って思いました。
『変股症患者の患者さんとの15年の歩み』整形外科医山崎先生
の続きです。
1975年5月から1991年3月までの間に運動療法のみで経過観察
した384例中、定期的に観察できた74例、106関節、観察期間は
3年から16年、平均7年で、病期の早い例ではX線・臨床症状と共に
進行(悪化)がみられましたが、ある程度進行した例ではそれ以後の
進行は遅くなるという結果を得て、日本整形外科学会に発表しま
した。
この治療法で重要なことは、次の通りです。
①治療の目的を理解して、運動療法を継続し定期的なチェックを
受けること
②定期的なX線検査から、X線の変化を知り、自分の状態をよく知る
こと。X線の変化と症状は必ずしも一致しないことが多い。
③医師を信頼して、自分の状態を告げ、日常生活の指導、運動療法
のやり方についてアドバイスを守ること。
④適宜、薬物の使用・補装具の使用を行う。
⑤この治療は完全なものではないので、X線所見の変化や症状の
進行程度によっては手術が必要になることも知っていること。
⑥運動療法上の注意として、筋力強化、関節運動性の改善をする
際は出来るだけ体重をかけずにやること。
Ⅱ渡辺千鶴子さんとの出会い
初診時の訴えは、車の乗り降り(運転のため)の痛み、ブレーキ動作
での痛み、テニスが出来ないなどで、右股関節部は自動運動・他動
運動とも痛みが有りましたが、個々の筋力は比較的良好でした。
X線所見では痛みのある右側では進行期にあり、左側は症状は
ないが関節適合性から前期(無症状)と診断しました。
渡辺さんの希望としてはなるべく薬は使いたくないとのことで、日常
生活上の問題を探り、運動療法のみで治療することに合意を得まし
た。その後10数年の経過は、ご自身が記されているとおりですが、
症状に波のあることがよくわかります。
初診後5年目頃から左側にもX線上での変化が認められるように
なりますが、関節運動範囲は良好で、訴えのあった右側も関節の
動きは良好でした。この長い間、嫌いな薬物も服用し、杖も使用され
入院しての牽引療法とリハビリを行い、実に忍耐強く私のアドバイス
に従っていただきました。
X線上の変化が認められ、症状も悪くなった時など、そろそろ手術の
時期と思うと話をすると、自分の症状を的確に説明され手術の適応や
今後の治療について様々に話し合い、もう少し様子をみようということ
になり、今日を迎えることができました。その間、あらゆる努力と工夫
を重ね、増悪期を度々乗り越えられてきたことにただ頭の下がる思い
であり、患者と医師の関係からみると理想的な経過といえます。
私自身教えられたことも多く、医師として感謝すると共に、このたび
の出版には心から拍手を贈りたいと思います。またまた続きます。よい週末を!