「トヨタ&デンソー杯第3期世界王座戦」決勝三番勝負が1月、6、8、9日、東京の「ホテルニューオータニ」で行われた。激しい戦いは最終局までもつれ込んだが、李世ドルが前期に続いて優勝し、またしても韓国の壁を崩すことができなかった。
第1期、第2期は韓中決戦となり、日本は蚊帳の外に置かれていたが、今期初めて決勝進出を果たした。満を持して登場した張栩碁聖は第1局で逆転半目勝ちして好発進したが、第2局、第3局で失速して李世ドルの軍門に下った。
<李世ドル九段の話>
序盤がひどかった。昼食休憩の時に「勝つまでは大変だが、最善を尽くそう」と思った。午後に入っても勝てるとは思わなかったが、相手のミスでいい勝負になった。第2回(前回)も3局目の苦しい碁を逆転したし、今回も同じように逆転できた。私は日本では運が良いのかと思う。
<張栩碁聖の話>
序盤は相手のミスではっきり良くなったが、その後はいろんなところでミスがあり、ちょっとずつ悪くなってしまった。
(週間碁/日経e碁サロンより抜粋)
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今期の世界王座戦は日韓頂上対決となり、日本の囲碁ファンは張栩優勝を切望していたと思いますが、韓国/李世ドル九段の前に涙を飲んでしまいました。残念!!。
それにしても李世ドル九段の戦闘力と切れ味は凄味があります。どちらかといえば、やさしげな童顔のどこからあのパワーが生まれてくるのでしょう。少年時代に過酷な囲碁競争を勝ち抜いてきた潜在能力かもしれません。
準優勝に終わった張栩碁聖、第3局は序盤から優勢との評判でしたが、後半崩れてしまいました。日本棋士優勝への期待が重圧として、マイナス作用したのでしょうか。残念、しかし韓中に押され気味の中での奮闘、お疲れさまでした。
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今回の決勝三番勝負は1月6日~9日の4日間で3局。日本棋士にとってはつらい状況ではなかったでしょうか。
日程上の問題もある思いますが、もう少し余裕をもった対局条件にしてほしいと思います。