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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「犬塚勉展」を観ました。

2012-01-18 19:50:46 | 京都・奈良
京都高島屋で開催されていました。
1月23日まで開かれています。
犬塚勉さんは、1949年生まれですが1988年に谷川岳で遭難しています。



パンフには、「多摩に住み美術教師をしながら、多摩の山の風景を描き続け、早世したした画家、犬塚勉。没後20年の2009年にNHKの「日曜美術館」で紹介されると多くの感動の声が寄せられて注目を集めました」

「山に登り自然と一体となって描いた作品は、スーパーリアリズムともいえる精緻な筆遣い」

実際に作品を観ると、驚くばかりのデイテールです。草木や石ころひとつひとつが絵から立ち上がってくるようです。

作品から離れて構図を観る。どんどん近づいて細部を観る。どの距離からでもピントが合っているという作品です。

もちろん美術作品をこのような技術的な見方をするのはオーソドックスではないとは思います。
彼は自然は細部にこそ真理を宿していると考えたようです。
視覚に届くものはすべて描こうというスーパーリアリズムです。

写真よりもリアルな絵といってもいいでしょう。
草原もブナの木々も圧倒的なリアルさで迫ります。

しかし、最晩年(といっても38歳ですが)はリアリズムの手法も変化を見せ始めたようです。
彼のリアリズムは変遷していく過程だったのかもしれません。
新しい絵画の地平が開かれたかもしれない。
残念に思います。

絵に賭ける情熱は信じられないほどです。

私が出かけたのは平日でしたが多くの人々が来場していました。
新聞やテレビで紹介したこともあるでしょうが、絵画に興味がある人々の口コミで拡がったのではないでしょうか。




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