岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

佐野章二さんの講演を聞きました。

2014-06-01 09:19:47 | ビッグイシューと岡山市販売店
佐野章二さんはビッグイシュー日本の共同代表です。

佐野章二さん?と思われる方も多いと思います。
私も2003年の日本版創刊当時にビッグイシューを購入して、スタッフ欄の見て、Sano who?と思ってしまいました。

佐野眞一さん(『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』の著者)に名前が似ているけど違うし。
そこそこ名のある出版社や編集人の方が始めたのではないかと思いました。
でもまったく心当たりがないし。

発行所の住所は大阪になっていました。
当時、私は大阪の街をよく歩いていました。

繊維産業が構造不況に陥り、勤めていた専門商社も大量の希望退職者を募りました。
募集と言っても実態は肩たたきです。
私もその対象になりました。

職を失ってから、一層大阪の街を歩くことが多くなりました。
今までのサラリーマン生活と全く違い、時間的な自由さと引き換えに収入を得る方策を考える必要に迫られました。
私のような立場の人が大阪には大勢いました。

この街で、ビッグイシューが創刊される潜在的な動機はあったのですが、それを実行する人があらわれるかどうか。
「ホームレスが路上で本を売る」という形態です。
日本でそれも大阪で、常識的には考えられません。
もちろん、出版社や編集者が始めるわけはありません。

創刊当時に購入した私も、すごいことを始める人がいるんだと驚きました。
この人、相当資金があるのだろうと。

この推測はまったく間違っていたことがしばらくして分かりました。
資金難に陥り四苦八苦されている様子が紙面から伝わってきたからです。

後日、佐野章二さんが書かれた本に当時の様子が書かれています。

ビッグイシューの挑戦

この本を読まれるとわかりますが、ビッグイシュー日本版は佐野さんだけが始めたのではないということです。
二人の女性がリードしているのです。
水越洋子さんと佐野未来さんです。
女性陣のリードがあって始めることができた事業です。
やはり、大阪の元気な女性がいたから、「できるはずがない」ことができたのです。


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