井久保伊登子さんは、『女性史の中の永瀬清子』という評伝を書かれています。
ご存知のように永瀬清子さんは戦前、戦中、戦後に活動した詩人です。
上下2巻計1000ページの本です。
ひとりの人生を書くには1000ページの分量は必要なのでしょう。
特に、89年間という長い人生の上に活動の幅広さを持つ人には。
10年前に「戦後編」が出版されています。
古本を手に入れました。
井久保伊登子さんは医師であり、詩人であり、随筆家です。妻で母です。
この方も多忙な日々を過ごされておられるのでしょう。
手元にある著書は、
『近代岡山の女たち』共著 1987年
『水かがみ』1991年
『カルテに書かなかったこと』1993年
『残りの秋ー老人病院の周辺から』1995年
『栗の木ー病院のうちそとで』2007年
『落葉木』2010年 詩集
と先に触れた『女性史の中の永瀬清子』 戦前・戦中編2007年、戦後編2009年の2巻です。
『女性史の中の永瀬清子』以外は、集中して読んでいるわけではありませんが、
文章が素晴らしく、大切に読み進んでいます。
井久保伊登子さんは兵庫県の赤穂市の「老人病院」※で勤務医として過ごされて間に
患者や看護師など身近な人々を愛情を込めて書いています。
今なら個人情報に関することであり書くことが困難です。
その意味でも貴重です。
そして、1980~90年代の「老人病院」についての記述であり、歴史的にも興味深い内容です。
詩集は購入しただけでまだ読めていません。
楽しみです。
※長期入院が必要な老人を収容する「療養病棟」のある病院。介護保険制度の導入により、平成15年(2003)までに老人病院は廃止され、その役割は療養型病院に引きつがれている。デジタル大辞泉