岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「歴史は短距離走者ではない」 歴史家 キャロル・グラックさんのことば

2013-08-20 15:50:11 | 世界のなかま
以下の内容は、8月20日付朝日新聞のオピニオン欄の記事を元に考えてみた内容です。
(インタビュー)安倍政権と戦争の記憶 日本見つめる歴史家、キャロル・グラックさん

日本人は海外からどのように思われているよく気にすると言われますね。
考えてみれば海外だけではありません、空気読まなくては、と日々身の回りを気にしている自分がいるのではないでしょうか。
海外の人の言動が気になるというのは、実は他人の目が気になる国民的性分の拡大版でしかないと思います。

それゆえか、海外の目が気になるといいながらも、「海外の目の中身」が理解できていません。
私が言えた義理ではありませんが。

「海外の目の中身」を理解しない日本人も問題だが、キャロル・グラックさんは日本について報道する海外メディアも「極端で浅い」と言います。

なにが「極端で浅い」のかというと、日本は今すぐにでも軍国主義になるという考えです。
日本国民はそんなことを思っていないし、実際なるわけがないと。

なのに、メディアは安易にラベルを貼る。橋下徹大阪市長の慰安婦発言も好例です。まるでウイルスのように、あの種の発言は広まる。日本人の多くは発言に賛同しているわけではないのに、米国人はそれを知らない」

※そうか、ウイルスのように拡がってしまっているのか。その中身も知らない。
次のコメントも気になりますね。

「以前から感じているのですが、日本はいつも極端な言葉で形容されます。経済問題でもそうです。1980年代には『世界を支配する』、90年代には逆に『日本は終わった』と報じられ、その後、日本はほとんど無視された。安倍首相が再登板してアベノミクスを言い立てると、おお、欧州ができなかったことをした、再び日本に注目しよう――。私は歴史家だから確信していますが、世の中は決して、極端から極端へは変化しない。歴史は、短距離走者ではないのです」

※確かに極端な言葉で形容されやすいと思います。私が思うには、「日本人は言葉が通じにくいし何を考えているかわかりにくい。過去に極端な行動に走ったことがある。映画などで表現される日本人もサムライ、ニンジャと不気味なイメージが付きまとう」こともあるように思います。私もかつてイギリスで仕事をした時に、イギリス人に日本人のイメージについて、「ブラディ」と言われ、驚いたことがあります。
戦争時の捕虜虐待も影響しているのではないかと思いました。
次のコメントは理解しやすいように思います。

インタビュアー
――安倍首相は終戦の日の全国戦没者追悼式で、アジア諸国に対する加害責任に触れませんでした。

キャロル・グラックさん 「安倍首相を含む自民党の右派政治家たちは長い間、戦後問題やナショナリズムに関わることを国内政治扱いしてきました。加害責任を否定することで、国内の支持を得ようとしてきた。彼らはまるで、自分たちの話す日本語は海外ではまったく理解されないと思っているようです。実際はソウルや北京やワシントンにすぐに流れるというのに。これは一種の『地政学的無神経』です」


 Carol Gluck 41年生まれ。米コロンビア大学教授。同大東アジア研究所所属。米国における日本近現代史、思想史研究の第一人者


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