岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『ココシリ」 中国映画に圧倒されました。

2011-09-24 06:44:44 | 映画・DVD 


2004年 中国 ル・チュアン監督

まことに骨太な映画です。
場所は中国西部の山岳地帯標高4700mにある「ココシリ」。漢字では「可可西里」。
最後の秘境と呼ばれている。
チベットカモシカの生息地だが、毛皮が高値で売れるため密猟者が跋扈していた。
かつて100万頭が1万頭まで激減したという。

この映画は、密猟者を取り締まる私設山岳パトロール隊を描く。
隊長は、チベット族のリータイ。元軍人。
まことに渋いいい男。
他の隊員もいい顔をしている。

物語は密猟団にパトロール隊員が殺されるシーンから始まる。
山岳パトロール隊の追跡が始まる。
その追跡に北京から訪れた記者が加わる。

密猟団の追跡とは、戦争に行くようなものだ。
当然、密猟団は武装している。
隊員は生きて町に帰れるかどうかわからない。
送る家族も同じ思いだ。



過酷な自然だが、美しい。
10日間以上の追跡に食料もなくなり、車も動かなくなる。
風雪も強まり、決死の追跡となる。

実話である。
この追跡で隊長以下の多くの隊員が犠牲になる。
さいわい北京から来た記者が生き残った。
新聞に掲載した記事の反響は大きく、公設の森林パトロール隊の発足、自然保護区の設定が進んだ。

よくぞ、映画にしてくれた。
監督やスタッフ、出演者に感謝したい。







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