岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

東電の対策破たん。『汚染水 一日 300トン海へ』 福島第一原発。

2013-08-08 15:11:08 | 原子力発電
この汚染水の発表は東電ではなく、原子力災害対策本部からである。

こんな話があっていいのか。
当事者である東電には汚染水の流出を阻止することができなくなっていた。
これは今に始まったことではない。
原発事故が発生して以来のことである。
場当たり的な対応を行ってきたが、もう隠しようもなくなった。

地下水の総量は、一日約1000トン!
この数字に、冷却水が1日400トンだから、計1400トンが原発敷地内に流れ込んでいることになる。
貯蔵管理している汚染水は1日800トン。

海に流れている汚染水が300トン。後300トンはどうなっているのか。
この300トンは汚染されずに海に流れていると推定されているらしい。

しかし、この数字すべて、不確かだ。

大きな問題は、タービン建屋からの汚染水漏出の恐れだ。
東電は「その可能性を想定していない」という。
否定していないのだ。

タービン建屋からの汚染水漏出とは、核燃料が格納容器からメルトダウンし、建屋の地下を汚染し続けていることを指す。
この可能性を指摘している研究者も多い。

東電の汚染水対策が破たんした以上、国がなんとか進めていくしかない。
是が非でも「重層的な対策」を成功させなくてはならない。

東電は原子炉建屋の山側に凍土壁を作るという計画だそうだ。
地下水の流入を防ぐためだが、今までの説明では流入を止めたら、敷地内の水位が下がることで新たな問題が起こると聞いていた。
それがどのような問題なのか、私は理解してないが。

東電が汚染水対策の中心に据えている凍土壁は2015年前半という。
まだ2年もある。
一日300トンの汚染水は海に流れるがままなのか。

状況は日々悪化している。

もう東電の汚染水対策計画では対応できない状況だ。
国は費用を担うだけではなく、遅きに逸してはいるが汚染水対策を進めなくてはならない責務がある。


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