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こちらも予備知識がほとんどない(チラシ程度)状態で観ました。
導入あらすじ
人里と離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。証人や検事により夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ〈真実〉が現れるがー
舞台はフランスアルプスの街グルノーブルです。冬季オリンピックがありました。
夫の実家(親はすでにいない)である山荘に引っ越してきたがそこで起こる出来事とその後法廷での論戦を描いています。
パルムドール受賞作品とは思えない地味?な映画です。
主要な登場人物は当該家族3人と裁判官、検事、弁護士と証人数名程度。あと愛犬も。
フランスの法廷は、検事、弁護士が苛烈な論戦を繰り広げ裁判長が仕切る。そして陪審員が有罪、無罪を決める制度です。
物的な証拠がないだけに検事、弁護士そして証人の発言を聴く私たちもは発言によって右往左往したり疑心暗鬼になったりします。
検事があざといのはいつものことですが陪審員からも観客からも反感を買ったことと思います。
基本的に登場人物の発言は主観的であり推測でしかないのですが〈真実〉にしか思えない演出の巧みさがあります。
それでも白黒をつけなくてはならないのが裁判です。裁けませんとは言えないのです。
疑わしきは罰せずではなく最も疑わしいように思われる人が有罪になる可能性も高いのです。
(もちろんノット・ギルティもありますが)
よくよく考えれば怖い話です。
夫は事故死なのか、自殺なのか、それとも妻に殺されたのか。
ポイントとなるのが家で飼っている犬です。
そして息子です。
法廷では夫婦間のややこしい夜の話も暴かれていきます。それを11歳の息子が聞いているわけです。
そして証言台にも立ちます。
もうネタバレをさけてこれくらいにしておきましょう。
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※その後、寝床の中でうつらうつらと考えてしまいました。
面倒な映画です。
なぜなら結論が分からないのです。
結論とは真実ことです。
それは提示されません。
この映画はフランスで100万人が見たそうです。
フランス人好みというわけです。
ひとりで悶々と考えるのではなく、カフェやレストランで円卓を囲みながら推論を交わし合うフランス人を想像しました。
フランス人の善き点を学びたいものです。
映画の夫婦は夫がフランス人で妻はドイツ人です。
夫はフランス人的で妻はドイツ人的です。あるあるという感じが出ています。
これもフランス人には受けるでしょう。
逆に南ドイツに住むフランス人の気持ちも想像したりします。
最後に息子さんが話したいといい証言台に立ちます。
実に聡明な子です。
父親を失った子が母親までを失うことを欲するでしょうか。
ならば思いは決まっています。
陪審員の心は動いたのでしょうか。
ややこしい映画評にお付き合いいただきありがとうございました(-_-;)