岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

NHK朝ドラ『ごちそうさん』 戦時中が長い。これは「すごい!」こと。

2014-03-01 13:59:11 | 戦争を語り継ぐ
今までのドラマで、こんなに戦時中が長いことはなかったのではないだろうか。
これはなかなかできないこと。お見事です。

歴史を眺めていると圧政下では人々の楽しみも極めて限定され、明日への希望も失いがちでした。
今日とか明日とかといった目の前のことが生活の中心を占めてしまいます。
「ごちそうさん」は、題名通りに戦時下の厳しい生活の中で、配給の食料もままならぬなか、創意工夫をして
ささやかながら食事の楽しみを持続しています。
言論や行動を制限された時代には、人々の批評精神は食事のなかへと向かうとも言われます。

め以子の夫は、かつて母親を火事で亡くした経緯から建築家となります。
戦局も悪化し本土への空襲も迫ってきました。
当局は「空襲など大して危なくない、積極的に消火活動をすべし」と、防火訓練をくり返します。
しかし、彼はそのように単純に思うことはできません。
空襲の実態を把握するために資料を集め研究に没頭します。
このため危険人物と思われ満州へ送られます。

この部分を、私は原発と重ね合わせてしまいました。
怖くない怖くないと散々聞かされた原発。
批判した研究者はほとんどいなくなりました。
そして、その後に原発が爆発したのです。

大阪の町が空襲で失われるのが来週に迫ってきました。
その大阪空襲がすべての原点となった作家が小田実氏です。

私たちは福島から偉大な思想家が生まれることを目撃するかもしれませんが、
その前に原発を過去のものにしなくてはなりません。
それが私たちの使命だと考えています。

※讃岐の村に並ぶ戦士の墓。この村でこんなに多くの若者が犠牲になっている。


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