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岡山にある名画座「シネマクレール丸の内」で観ました。
本日から公開です。朝一番で観ました。
本当にいい映画です。
詳しく書きたいところですが、映画の場合はこれは反則ですね。
そこで背景を含めて映画の半ばくらいまであらすじを書いてみたいと思います。
時代は第2次世界大戦直後です。1950年頃です。
若い主人公エイリシュは、アイルランドの片田舎に住んでいます。
母親とお姉さんと3人暮らしですが、エイリシュにはパン屋のパートしか仕事がありません。
このパン屋の主人がおばさんで嫌味な人です。
エイリシュがアメリカで働くと言うと、即刻解雇されました。
最後の嫌味は、「これでお姉さんはお母さんの面倒を見るしかない人生と決まった」
お姉さんは、地元の会社で会計係をしており仕事も安定しています。
お姉さんには他に選択肢はありません。
パン屋の女主人の言葉は残念ながら真実です。
エイリシュが渡米できたのは、ニューヨークにアイルランド出身の神父がいるからです。
神父がアイルランド人の生活を見守っているのです。
仕事も住処も世話をしてくれていました。
移民を支えているのが、教会を通じたつながりです。
ただ、エイリシュは信心深くはなく、就職先であるブルックリンのデパートと自宅(寮)を往復するのみで、やがて極度のホームシックに罹ってしまいます。
その様子を視ていた職場の教育係の女性が神父に相談します。
神父はすぐにエイリシュのもとに駆け付けます。
「すまない、あなたは大丈夫だと思っていた。ケアすることがおろそかになっていた」
エイリシュは神父の助言で簿記学校に通い始めます。学費の援助もしてもらいます。
そして教会のボランティアも始めます。
アイルランド人が集まるダンス会にも参加するようになりました。
そこでイタリア出身の男性トニーと知り合います。
彼はイタリア人の集まりに苦手だといいます。
イタリア男性の女性に対するアプローチが露骨で嫌だと。
そのような性格のトニーゆえエイリシュも好意をもつようになりました。
自宅にも招待してもらいました。
事前にパスタの食べ方を寮生に教わっていました。
イタリア人は家族で移住します。
アイルランド人は女性ひとりでも移住します。
この違いは、家族制度と言語にあると思います。
アイルランド人女性は訛りがあったとしても、同じ英語です。
移住して翌日から仕事ができるのです。
イタリア人はそういうわけにはいきません。トニーは今でも英語の文章がきちんとは
書けません。8歳の弟に代筆を頼んでいます。
このことでトニー一家の渡米時期は戦後だと推測できます。
エイリシュは充実した生活を送るようになります。
そんなある日、アイルランドから悲報が届きます。
姉の急死です。
エイリシュは一時帰国しなくてはなりません。
心配したトニーは、帰国する前に結婚してくれと彼女に頼みます。
彼女は受け入れます。
帰国した彼女を迎える母親と友人。
そのなかに密かにエイリシュに思いを抱いている男性がいました。
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これ以上は書いてはいけませんね。
ぜひ、映画館にいってください。
※Brooklynの典型的な住居。1階は半地下です。一つの階段に十人ほど住んでいます。
1家族で利用している人もいます。