岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『武器輸出と日本企業』望月衣朔子著 知らない知識がいっぱい。

2018-07-06 15:57:28 | 

昨年、望月記者の講演を聴かせていただきました。

とても明快で、そして名演でした。

もちろん頭脳明晰です。

彼女が取材報道として取り組んでいるのが、この武器輸出です。

いわゆる「夜討ち朝駆け」が育児のためにできなくなり、昼間だけで取り組めるテーマを追ったとのことです。

菅官房長官キラーといわれる前の話です。

武器輸出と防衛産業については、まず基礎知識からはいらなくてはなりません。

いわゆる、武器輸出三原則、そして新武器輸出三原則。

なんでしたか。WIKIです。

世界各国の防衛費や輸出の状況などなども、私はとっても疎い。

望月記者は防衛省や防衛企業などの取材を試みるが、このハードルが高い。

みんな話したがらない。

大手企業が下請け企業の口封じもしている。

政府は経済発展、輸出振興のためになにかと協力したいのが、

原発、武器輸出、新幹線、航空機、そして、国内では、IR。

そう、真っ当な産業は、ほとんどない。

そして、海外にはいっぱいライバルがいる。

武器を輸出することは、日本の国是(平和、不戦)とは相反する。

だからか、日本の防衛産業はガラパゴス状態。 

自衛隊のための産業になっており、他国に売ることを想定していない。

当然単価は高くなり、国際的競争力はない。

それは悪いことではない。

では、輸出できる防衛産業があるのか。

ありますよ。

ロボットであり、自動運転技術、光学機器、医療関係、原発も。

これらは軍民両用(デュアルユース)であり、世界中で欲しがるノウハウだ。

もちろん、極秘のノウハウばかり。

そして、狙われる研究機関。

大学他の研究機関は、予算獲得に躍起になっている。

もとはといえば、国からも交付金が減らされたため。

防衛省や米国の助成金に手が出そうになっている。 

貧すれば鈍する。

そのように仕向けている国や政権。

このようなことを考えさせられる望月さんの書籍です。

一読をおすすめします。 

武器輸出と日本企業 (角川新書)
望月 衣塑子
KADOKAWA / 角川書店

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