昨年、望月記者の講演を聴かせていただきました。
とても明快で、そして名演でした。
もちろん頭脳明晰です。
彼女が取材報道として取り組んでいるのが、この武器輸出です。
いわゆる「夜討ち朝駆け」が育児のためにできなくなり、昼間だけで取り組めるテーマを追ったとのことです。
菅官房長官キラーといわれる前の話です。
武器輸出と防衛産業については、まず基礎知識からはいらなくてはなりません。
いわゆる、武器輸出三原則、そして新武器輸出三原則。
なんでしたか。WIKIです。
世界各国の防衛費や輸出の状況などなども、私はとっても疎い。
望月記者は防衛省や防衛企業などの取材を試みるが、このハードルが高い。
みんな話したがらない。
大手企業が下請け企業の口封じもしている。
政府は経済発展、輸出振興のためになにかと協力したいのが、
原発、武器輸出、新幹線、航空機、そして、国内では、IR。
そう、真っ当な産業は、ほとんどない。
そして、海外にはいっぱいライバルがいる。
武器を輸出することは、日本の国是(平和、不戦)とは相反する。
だからか、日本の防衛産業はガラパゴス状態。
自衛隊のための産業になっており、他国に売ることを想定していない。
当然単価は高くなり、国際的競争力はない。
それは悪いことではない。
では、輸出できる防衛産業があるのか。
ありますよ。
ロボットであり、自動運転技術、光学機器、医療関係、原発も。
これらは軍民両用(デュアルユース)であり、世界中で欲しがるノウハウだ。
もちろん、極秘のノウハウばかり。
そして、狙われる研究機関。
大学他の研究機関は、予算獲得に躍起になっている。
もとはといえば、国からも交付金が減らされたため。
防衛省や米国の助成金に手が出そうになっている。
貧すれば鈍する。
そのように仕向けている国や政権。
このようなことを考えさせられる望月さんの書籍です。
一読をおすすめします。
武器輸出と日本企業 (角川新書) | |
望月 衣塑子 | |
KADOKAWA / 角川書店 |