岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

老いの最大の問題ー孤独には耐えなければならない。

2016-06-27 20:16:16 | ケアラーのために

今日は近所の方のお見舞いに行ってきました。股関節骨折で手術をされた方です。

私が生まれた時からのご近所さんです。

入院してから10日経ちました。今はリハビリに励まれています。

早く自宅に帰って1か月でも過ごせたらいいと話されます。

早く夫や兄弟姉妹に会いに行きたい。

もうこの世には肉親はほとんどいない。

本当に寂しいと。

人からはなんで寂しいの?

といわれるか本当に寂しい。

 

以下は阿部志郎先生の書物からです。

私どもは、一人で生活をするという訓練を受けてきませんでした。

むしろ家族と一緒、会社の仲間と一緒、隣の農民と一緒に作業をするという、生活をしてきました。

だから、孤独に耐えられないのです。老人の自殺が世界で2番目というのは、こういう問題がその背後に隠れているのです(10年以上前の本です)。

私どもの老いの最大の課題を、私は孤独だと思います。

孤独という問題は行政では守れないのです。

システムをつくってもこれを救うことはできないのです。

なぜなら孤独とは、私たちの内面の問題、主体的な問題でして、人が、行政が、心の中に介入すべき問題ではないからです。

この孤独にいかに耐えるか、これは一人ひとりそれぞれの方法をお持ちです。

孤独というものは基本的に一人で耐えるものなのです。

このように書かれた先生は、冷たく私たちを突き放すのではなく、孤独に耐える可能性を書き進めておられます。



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