岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【JR尼崎事故】新型ATS設置認可?

2005-06-15 10:41:05 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
先日、近畿運輸局がJR西日本に新型ATS設置認可した。
これはなにかおかしいと思われなかったか。
本来、義務化していない新型ATSを設置することに
認可が必要ということに。
「認可」とは、許されないことに対して例外的に認めるという
意味である。
もちろん、新型ATSが適切に可動するかどうかのチェックは
意味がある。しかしその前提には新型ATSの設置義務規定が
必要なのではないか。

義務ではない新型ATSの設置に、認可がいる理由は、
すでに、義務化されている私鉄大手の設置認可に合わせたため
ではないだろうか。

今回の「新型ATS設置認可」はJR西日本にとって実質として
「届け」のようなものである。

近畿運輸局も「日勤教育」の改善指導をJR西日本に無視されて
た経緯がある(行政指導に拘束力はない)。
近畿運輸局は内容のない世間体だけの指導ぶりを今回も見せた
わけである。

19日の運転再開を進めているらしいが、23日の株主総会前の
再開が必要ということだ。
住民の再開要請が強いことが理由のひとつにあげられているが、
再開嘆願書でも出されているのか。
どのような声なのだろうか。これについても個人情報保護の名目
で明らかにされないのか。

宝塚~尼崎間運行時間は2分間プラスされた。
これで1997年の東西線開業時に近くなったが、まだ中山寺駅
停車分の時間は含まれていない。にもかかわらず、JR西日本は、
「2分間プラスは被害者感情を配慮したもので理屈のない数字」
といっている。
その上、来春改正時には再修正(短くなる)という含みを残して
いる。これは、過スピードダイヤが事故の原因と認めていない
からである(認めたくないという意)。

このような姿勢のJR西日本に、政府・国交省はいかなる根拠で、
運転再開を許すのか。一片の抽象的な改善計画書が提出された
からなのか。
再び事故を起こさないという担保(保証)はどこにあるのか。
見極めていきたい。

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