岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

介護保険利用料値上げに無頓着な「福祉人」。

2009-03-26 22:35:16 | 社会福祉士
今日、利用者宅で、サービス担当者会議という名の「打ち合わせ」を
していた。
出席している通所施設や短期入所の相談員の方に、4月からの事業所加算が
いくらになるのか、利用者の方に説明していただこうとお願いしたら、
なんと、しどろもどろになった。
お一人は、「厚労省から言われているので」とのこと。
とても値上げをお願いする立場や姿勢とは思えない。

たとえ少額といえども、今までの利用料を値上げするのなら、懇切丁寧な説明と
利用者の方への真摯なお願いをしなくてはならない。

これが、おろそかになっている。人ごとのような説明をされる。
私は事業者に代わっての説明はできないから、とにかく頭を下げてお願いをした。

通常、値上げするということは大変なことである。
その値上げが、介護保険事業では、人ごとですむのだろうか。
「国が加算をとってもいいというから、とります」、だけですか。

そのレベルで利用者の方に説明するというなら、「福祉人」失格ですぞ。

利用者の方に値上げを認めてもらうなら、どのようなプラスが利用者の方にあるのか。
明らかにしなくてはならない。

現状の体制が加算に相当するから、「余分にお金をいただきます」というのは、
百貨店が、経験豊富な販売員が多いので婦人服の価格を高くします、というのと
同じではないか。
こんな百貨店、客は他店に逃げていく。

利用者の方にどのようなプラスがあるかを明示できてこそ、値上げの理由がたつということ。
利用者の方は値上げを拒否できないという立場だと骨身にしみなくてはならない。

厚労省の安易な考えに安易に乗ることは、事業所の「福祉力(ふくしじから)」を疑われますぞ。



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2 コメント

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形だけの加算にしないで!! (どりーむ)
2009-03-27 00:54:35
同感です。
介護保険でのサービスが「契約」に基づいて行われているということの深さが、理解されていないように思います。

ケアマネ同様、告示、解釈通知、Q&Aを「読めない」「読まない」事業所が多くあります。
そのため、新たに届け出することができるようになった加算のことさえも知らない事業所が、この時期に、まだあります。
「えっ、知らないの?」と聞くと、「説明がなかったから・・・」という返事。

国にも苛立ちますが、一部の同業者にも苛立ちます
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私たちの仕事 (Maa-chan)
2009-03-27 20:24:25
 どりーむさんのご指摘のとおり,厚生労働省(を含め役所)の通知は大変わかりにくく,読んですぐに理解できるものではありません。この点については,役所側が改善していかなければならないことだと思います。

 しかし,介護保険料という「公金」と利用料で「飯」をたべさせていただいている以上,きちんと通知を読んで,必要なことを利用者に知らせていくことは,現場の責務でもあると思います。

 また報酬改定を「好意的に」評価するならば,有資格者(介護福祉士)や経験者は「より質の高い」ケアを提供できると評価されたのですから,高いお金をいただけるだけのサービスを,きちんと提供できるか,を検証していく必要があるのだと思います。
 「質の高い」サービスとは何か,ですが,介護技術だけで見れば,それなりのものはどんな事業所でも提供できると思われますので,ソーシャルワークの「倫理」や「価値」に基づいたサービス提供ができるか,が「質」的に高いサービスなのだろうと,勝手に思っています。
 非常に抽象的なのですが,最終的に「質」を論じるとここに落ち着くように思えます。

 「倫理」や「価値」に基づいたサービス提供は,個々の事業所だけでは難しいので,きちんとした事例研究会を行い,「倫理」や「価値」からケアを見ることができる,外部のアドバイザーが必要でしょう。
 なかなかいませんけどね。
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