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NHK「坂の上の雲」の日本軍隊の位置づけを危惧していたら、
昨夜10時『日米開戦を読む―海軍はなぜ誤ったか-400時間の記録』
今夜7時30分 クローズアップ現代『さまよう兵士たちの日の丸』
が相次いで放映された。
この二つの番組はともに、太平洋戦争を起こした68年前の12月8日、そして海軍を扱っている。
『昭和史』を書いた半藤一利さんが、両番組の解説をしている。
(『日米開戦』は澤地久枝さん、戸高一成さんも)
印象に残ったことはとても多いのですが、書き留めておかないともう忘れてしまいそう。
まず、第一は、日本の軍隊は、人を粗末にする。
1銭五厘の赤紙(召集令状)で兵隊は補充できる。軍馬より安いと言われた。
第二は、組織第一。組織を守る、伸ばす。国や国民のことは考えていなかった。
反省会(戦後、海軍の中枢にいた将官が集まっておこなった会)では、
いかにして負けたかの反省はするが、犠牲者への責任を感じてはいない。
第三は、戦争が終わると責任はとりたくないこともあって、戦争を忘れてしまおうと全国民が考え、
思考の外に置いてしまった。
その結果、未だに110万柱を異国に置いたままである。
また、兵士が肌身離さずつけていた日の丸は、アメリカの置かれたまま引き取ろうともしない。
第四は、日米開戦は周到に準備された。軍部にいる皇族の力の強さ。
海軍第一委員会の存在。その影響力。
そして、軍部は、軍事予算獲得を優先して道を間違えた。
第五は、日本は一度滅んだ。あの戦争はもう絶対に繰り返してはいけない教訓だが、
その戦争から学ぼうという姿勢がみられないこと。
『坂の上の雲』というドラマをつくるエクスキューズとして、この二つの番組を放映したのかもしれない。
ここには「明治の軍隊は偉かった。道を間違えたのは昭和の軍隊だ」という捉え方がないだろうか。
歴史は継続である。
日本軍を創設した明治期も反省の目を向けなくてはならない。
NHKの視点にはそれが欠けていると思う。
※総合グランドの黄紅葉。右手は野球場。
昨夜10時『日米開戦を読む―海軍はなぜ誤ったか-400時間の記録』
今夜7時30分 クローズアップ現代『さまよう兵士たちの日の丸』
が相次いで放映された。
この二つの番組はともに、太平洋戦争を起こした68年前の12月8日、そして海軍を扱っている。
『昭和史』を書いた半藤一利さんが、両番組の解説をしている。
(『日米開戦』は澤地久枝さん、戸高一成さんも)
印象に残ったことはとても多いのですが、書き留めておかないともう忘れてしまいそう。
まず、第一は、日本の軍隊は、人を粗末にする。
1銭五厘の赤紙(召集令状)で兵隊は補充できる。軍馬より安いと言われた。
第二は、組織第一。組織を守る、伸ばす。国や国民のことは考えていなかった。
反省会(戦後、海軍の中枢にいた将官が集まっておこなった会)では、
いかにして負けたかの反省はするが、犠牲者への責任を感じてはいない。
第三は、戦争が終わると責任はとりたくないこともあって、戦争を忘れてしまおうと全国民が考え、
思考の外に置いてしまった。
その結果、未だに110万柱を異国に置いたままである。
また、兵士が肌身離さずつけていた日の丸は、アメリカの置かれたまま引き取ろうともしない。
第四は、日米開戦は周到に準備された。軍部にいる皇族の力の強さ。
海軍第一委員会の存在。その影響力。
そして、軍部は、軍事予算獲得を優先して道を間違えた。
第五は、日本は一度滅んだ。あの戦争はもう絶対に繰り返してはいけない教訓だが、
その戦争から学ぼうという姿勢がみられないこと。
『坂の上の雲』というドラマをつくるエクスキューズとして、この二つの番組を放映したのかもしれない。
ここには「明治の軍隊は偉かった。道を間違えたのは昭和の軍隊だ」という捉え方がないだろうか。
歴史は継続である。
日本軍を創設した明治期も反省の目を向けなくてはならない。
NHKの視点にはそれが欠けていると思う。
※総合グランドの黄紅葉。右手は野球場。
出征したときの日の丸の旗を
アメリカ兵が戦場からもちかえり
200ドルくらいで売買されているという話も
やっていました。
なんという軽さでしょうか。
100万の兵の遺体はまだ帰っていない。
アジアでは多数の人を殺した。
ドイツに比較して
日本社会は無責任すぎますね。
*今朝書いた第3375号の記事に貴記事をリンクさせていただきました。
戦争への反省が自虐史観といわれ、
学校では明治以降の歴史を詳しくは教えない。
私の職場の若い人々はほとんど戦争の歴史を
知りません。
もっとも大きな戦争という「教訓」を知らないのです。
この傾向は改まりそうにありません。
大きな課題ですね。
いきなりですが、昨日十二月八日の山陽新聞の記事に「日本、ロシア主戦派の同盟案黙殺 日露戦争直前、新史料発見」とありました。岩清水さんのお話に関係ありますか?
情報提供ありがとうございます。
早速見てみました。
以下の部分がとっかかりですね。
「日露戦争開戦1カ月前、ロシア側の主戦派の一人と考えられていた政治家が戦争を回避しようと日露同盟案を準備しているとの情報を得ながら、日本政府が黙殺していたことを示す新史料を、和田春樹東大名誉教授が7日までに発見した。日露戦争についてはこれまで、作家司馬遼太郎氏が小説「坂の上の雲」で論じた「追いつめられた日本の防衛戦」とする見方も根強く、日露戦争前史を見直す貴重な発見と言えそうだ」。
詳しい検証が必要ですが、司馬遼太郎氏の歴史観では日本を守るためには遼東半島でロシアを
食い止めるということを正当化していると思います。
国民は、日清戦争勝利に勢いを得て、戦争遂行を叫び、マスコミは煽りました。
昭和の戦争の根は日清日露戦争にあると考えています。