岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

社会的現実との格闘

2009-10-12 21:16:30 | 
この言葉は『公共政策の社会学』(武川正吾、三重野卓編 東信堂)のサブタイトルです。
この本はbonn1979先生のブログで知りました。
今まで全く読んだことのない領域ですが、知っておかなくてはならない学問だと思いました。

例えば、以下の文章は第4章 権利、裁量、参加   担当は秋元美世氏。

官僚主義と専門主義についての部分の引用(141~2p.)


 政治行政権力と専門家権力の問題に関しては「(政治行政権力を担う官僚の)官僚主義」対「(専門家の)専門主義」という対抗軸が存在することにも留意する必要があろう。
 つまり官僚と専門家に間には、それぞれの内面化する職業倫理が異なるために生じるある種の緊張関係が存在する。官僚は組織目標を達成するために効率や効果、組織のルールを優先することが期待され、結果よりは手続きを重視する傾向がある。
 これに対して専門家は、利用者の利益を最優先することが期待され、手続きよりは結果を重視する傾向がある。こうした中で専門家(専門主義)に対しては、利用者の利益が政治行政権力によって脅かされるとき、その防波堤としての機能を果たすことを期待しうる余地も出てくるのである。
<中略>
 逆に専門主義による権力に利用者が曝されるとき、官僚主義の一つの側面である形式主義が、上述した基準化という文脈を通じて、利用者の権利を守るために(機能を守るために)機能することも考えられる。

※その通りだと思う。日頃のもやもやが晴れる思いだ。
専門主義も相対化されなくてはならないということが抜け落ちると、変なリキミに身をゆだねることになるようです。
読んでよかった文章です。

今日の午後5時前の光線(岡山)

最新の画像もっと見る