この映画のキーワードのひとつだと思います。
「エモーショナル・リテラシー」は、「感情の識字」と訳されます。
ちょっと、分かりにくいです。
エモーションが感情で、リテラシーは読解記述力ですね。
分かりやすく書いてありました(ネットを見ました)
「リテラシー」とは、適切に理解、解釈し、活用する能力のことを表します。
とありますので、
自らの感情を適切に理解、解釈し、活用する能力が、「エモーショナル・リテラシー」ということになります。
ここでは、「感情の識字」です。
なぜこのことが、TCプログラムで課題になるのか。
坂上さんの記述から学びます(世界2月号掲載)
「刑務所では、職業訓練や読み書きなどの習得が行われるが、もっとも肝心なことを忘れている。受刑者の大半は、自分の感情をコントロールできない。心から笑うということ、よい人間関係の築きかた、痛みへの反応、自尊心を持つこと、多様な感情を理解することができない。人生の中で起きたさまざまな出来事についても、そう解釈すればいいのかわからないまま、自らの感情を言葉にできずにいる」
これが「感情の識字」ができないということです。
私たちにしても「感情の識字」ができているかといえばかなり怪しいけれど。
目的は、「感情に振り回されるのではなく、感情を使いこなせるようになる」ことです。
私にも苦い経験があります。
自立準備ホーム(出所者が住居を得るための準備施設)の支援者をしていた時のことです。
ホームに入った方の住居を探すのですが、なかなか見つからないのです。
そうすると本人も焦ってしまいます。
精神的に追い詰められ、感情のコントロールが効かなくなってしまいます。
その結果、ほんとに少額の万引きをして現行犯逮捕されました。
再犯です。
逆戻りです。
どうにかならなかったのか。
とても悔やまれました。
しかし、私には知識も経験も不足していました。
たぶん、多く受刑者の方は「感情の識字」ができなくて再犯を繰り返すのだと思います。
お読みいただきありがとうございました。