「火葬場について考える会」の事務局長の片山奈緒美さんがFBに掲載された記事を転載させていただきます。
控訴中ですが、岡山市は事業スケジュールを発表しました。このまま押し切ろうとしています。
控訴審の第2回口頭弁論は10月26日に決定しています。
転載します。
8月22日(火)の第1回口頭弁論で行った意見陳述書を原文のまま投稿いたします。
今回の火葬場問題について短く、端的に記せた物と自負していますので、長文ですがぜひご覧になってください。
以下、意見陳述全文です。
平成24年9月、岡山市は近隣住民に知らせることも、直接説明することもなく、地元町内会会長の「もう決まっていて、反対してもできる。岡山市が宅地並みで土地を買ってくれると言っている」などという説明から、「条件付き賛成」などという曖昧な決議をとらせたことから、今回の火葬場問題は始まりました。
岡山市は本来すべき説明を省略して、町内会長に丸投げをして決議をとらせたようなものであり、詳細を知らされないままに事が進んでしまう状況に、私たち地元近隣住民は疑問を持ち、また、この土地が産業廃棄物処分場跡地であり、市場価値のないような土地であり、危険極まりない土地であるという問題点を指摘し、岡山市に対して何度も再考を求める陳情を行いました。しかし、岡山市は「地元住民の賛成を得た」という立場を崩さず、火葬場建設に向けて、計画を推し進めています。
そこで、私たちは「火葬場について考える会」を結成し、安定型産業廃棄物処分場跡地という、法律によった手続きを経ないと利用すらできない土地を、特段の調査もせずに不動産鑑定士に鑑定させ、4億6千万円もの税金を投入することを決定した岡山市長および市の担当者の責任を追及するため、住民訴訟を提起しました。
1審の裁判の中で、本件土地を鑑定した不動産鑑定士2名と、岡山市担当部署の元課長の尋問が行われました。そこで、岡山市担当部署の元課長は、本件土地が安定型産業廃棄物処分場跡地であり、土地を利用するためには法律に基づきガイドラインに沿った調査を行わなければならないという最低限の知識すら持たずに、本件土地に関する鑑定を依頼し、不動産鑑定士も、本件土地の特殊性を一切考慮せずに宅地として評価したという驚くべき実態が明らかになりました。
にもかかわらず、1審では、「専門家である不動産鑑定士の鑑定に基づいて価格を決定したのだから岡山市長および市の担当者には責任はない」という岡山市の立場を正当化し、原告の請求棄却という信じられない判決が下されました。私たちは耳を疑いました。本当にこの不動産鑑定に正当性があるのでしょうか?岡山市の手続きに問題はなかったのでしょうか?
また、判決文の中で、私たちが毎週日曜日に行っている水質調査の結果について、「専門家が行った調査ではなく、岡山市の調査と異なることから、にわかには信じがたい」との文言がありました。私たちが毎週行っている調査は、電気伝導率を計測できる機械を使っての調査結果です。専門家の方のご指導を得ながら、伝導率の調査で大まかな水質汚染の見当をつけるために、継続して行っている調査です。それを、信じがたいと言われては、何をもって私たちは、真実を解明すれば良いのでしょうか。
1審の裁判の判決文を読めば読むほど、疑問が湧いてくるばかりです。岡山市のやっていることに間違いはないという前提で物事を見るのであれば、裁判など必要ないのです。三権分立が本当に存在するのなら、この岡山市のやり方に疑問を持つことから始めるべきだと感じています。
ほとんど開発されていない林地地域にある産業廃棄物処分場跡地を4億円もかけて購入する自治体、または業者がどこにあるでしょうか?まさに、岡山市はあり得ない金額でこの土地を購入していることは誰の目にも明白なのではないでしょうか。
公平公正な裁判を願ってやみません。
今回の問題が起こってからというもの、地域コミュニティは崩壊し、ぎくしゃくしています。安心して心穏やかに老後を過ごそうと、一生懸命に働き、子育てをし、守ってきた我が家を取り巻く環境が一変してしまったのです。この産廃跡地に最も近い小である小畑地区は、たった5世帯で富吉町内会を退会して新しい町内会を結成せざるを得ない状況に追いやられ、心穏やかな日常を奪われてしまったと心底残念で仕方がありません。
真の民主主義とは、少数意見も聞き、皆が参加して話し合い、そこで決まったことには従う、根底には全員参加の原則、そして、情報開示の原則があるはずです。全く基本中の基本である情報の共有なしで始まった今回の問題は、民主主義の根幹を揺るがす大問題であるにもかかわらず、岡山市は民主主義的な手続きの元で行われたという主張を変えることはありませんでした。事の発端に戻り、はじめのボタンの掛け違いを見つめ直すとき、そこに見えてくるのは、ほんの一握りの町内会役員達と岡山市側の利害関係に基づいた密約から始まったごまかしと強硬手段に翻弄される一般住民という構図しか見えて来ないのです。
去る8月4日には、岡山市の都市計画審議会が行われ、北斎場の建設に向けての都市計画決定が行われました。私たち火葬場について考える会のメンバーは、「私たちが疑問を投げかけ続けてきたこの問題について、どの程度の話し合いで決定しようとしているのかを見届けたい」との思いから、傍聴に行きました。
その場でのやり取りは、これまで市民目線でこの計画の無謀さを議会や委員会の中で提起し続けてくださった議員の最後の訴えにも、いわゆる多数派といわれる岡山市議会議員による恫喝的な発言によって、打ち消され、岡山市担当者はおろおろするばかりという印象を持ちました。いったいなぜ、ここまでして岡山市は、一般市民の意見を無視した政策を強行しようとするのか、なぜ、もっと建設的な話し合いが行われないのか、非常に疑問をもったとともに、「このまま岡山市議会、そして岡山市担当者には任せておけない、自分たちで声を上げ、真の民主主義を勝ち取るべきだ」と決意を新たにしたところです。
どうか、この高等裁判所にて、公平公正な裁判をしていただきたいと心から願い、私たちの意見陳述といたします。どうか、よろしくお願い申し上げます。
転載終わりです。
実はこの裁判を新聞で読んではいましたが深く考えていませんでした。
先日、片山奈緒美さんのお話を聞く機会があり、早速裁判を傍聴しました。
これは市民として重要な問題だと認識しました。
まずは現場です。現場を見て詳しく知ろうと思っています。
これからも逐次、書いていきます。
皆さまも注視していただきたいと思います。