岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

貧困が奪うもの。そして、試練の中で鍛えられた人間性を観た一日

2009-03-11 21:50:37 | 世界のなかま
NHKのクローズアップ現代で、教育が受けられなくなる若者が特集されていた。
教育を受けることができた人、学歴を手に入れることができた人には、知りえない差別が彼らを追い詰める。
このことに無自覚ではならない。
無自覚や無批判な人々が多いのが日本だとしたら、政権が替ろうが政治家が替ろうが、
日本の将来は暗い。
そのように強く思いました。

そして、金さんと田口さんの家族の対面。
こころ揺さぶられる場面だった。

人間の尊厳という言葉を思い浮かべました。
金さんと田口さん家族が、人生の厳しさの中で培ってきた「人間性」が、数分の映像でも
十分すぎるほど感じることができました。
金さんを、元死刑囚という立場に追い込んだのも教育です。
この場合は、国家首脳の精神の劣化による洗脳教育というべきでしょう。

それでも、彼女の人間としての崇高さを奪うことはできなかった。
彼女の言葉と態度に、私は本当に驚いた。

「それは私が先に言う言葉です」
「あなたを抱いてもいいですか」

人と接することとはこのようなことなのか。

私は、数分の会話に人間の尊厳という言葉が具現されるのを見たと思った。

忘れられない一日となった。

※神戸・布引の滝

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