岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『原発難民の詩』 佐藤紫華子著 朝日新聞出版

2012-09-06 07:39:52 | 原子力発電
はじめにより

「著者の佐藤紫華子さんは、原発事故でふるさとの福島県富岡町を奪われた、84歳の『原爆難民』です。避難を繰り返し、今は元警察官の夫・武雄さんと同県いわき市の仮設住宅に住んでいます」

自費出版していた詩集を2冊まとめて再構成した本だそうです。

樺太の街で生まれ、引き揚げて第二の故郷・富岡町に居を構えてたころ、ちょうど双葉郡に原発ができつつあった。当時、米国のGE社から多くの技師と家族と来ていた。技師の妻たちに生け花を教えに行ったという。
親しくなった家族とは今も文通を続けている。

このような交流があったのですね。
日本に原発を輸出するという「米国の意志」が、日本に原発を50数基もつくり、ささやかならがらも民間交流があったことを知りました。

「台所で皿洗いをしてくると、なんだか自然と浮かんでくるのよ」
作品の多くは、4畳半二間の仮設住宅で生まれたという。



いづこに

じりじりと身を焼く様な
蝉の声
三十四度の夏に耐え
きりきり舞いして
吾どこに行く

なぜここに
どうしてここに?と

見渡せり
夢中より醒め
胸に手をおく

台所に立てば
流れてくる涙
涙でお湯は
沸かせぬものを


転載させていただきました。

この本は、図書館の棚に置いてあったのですが、ぜひ購入したいと思います

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