北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

はやぶさに見る日本人精神

2010-06-17 23:45:21 | Weblog
 去る6月14日は、小惑星イトカワまでの長旅を終えた惑星探査衛星はやぶさが地球に帰還した日でした。

 大気圏突中前にイトカワの天体試料が入っているかもしれないカプセルを分離したはやぶさは、地球の大気に抱かれて燃え尽き、まさに天に召されたのでした。

 ところで、宇宙物理学という科学の粋を極めた人工衛星でありながら、その運用はトラブルの連続でいつ失敗してあきらめても不思議ではない日々の連続でした。

 そんな気持ちをやすらげたのがやはり神仏の世界だったとは…。


=========【 ここから引用 】=========

【読売新聞】はやぶさ中和器故障、「中和神社」参拝しお札
  打ち上げから7年ぶりに地球に戻った小惑星探査機「はやぶさ」
http://www.yomiuri.co.jp/space/news2/20100615-OYT1T00383.htm

 帰還を待ちわびた宇宙航空研究開発機構の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)運用管制室には、計画を率いる川口淳一郎教授が岡山県真庭市蒜山下和にある中和(ちゅうか)神社で買い求めたお札が飾られていた。途中、エンジン故障などで継続が危ぶまれたが、同神社の入沢喜一(よしかず)宮司(44)も“快挙”を喜んだ。

 同機構や入沢宮司によると、故障などでエンジン4台のうち2台しか使えなくなっていたはやぶさは昨秋、さらに別の1台が主要な機器である中和器の劣化から自動停止。

 お札は「中和器に御利益があるかも」と、11月中旬に川口教授が自ら同神社を参拝し、ポケットマネーで買い求め、管制室に「飛不動」「飛行神社」など、他のお札とともに飾られたという。

 入沢宮司は「はやぶさが帰還して良かった。成功は川口教授らの努力のたまもの。その成功に中和神社が少しでもかかわれ、名誉なことです」と話していた。         (2010年6月15日18時05分 読売新聞)

=========【 引用ここまで 】=========

 中和器の故障をお払いするために中和神社に詣るとは、いかにも日本人らしい振る舞いです。しかも飛不動さんのお札ももらってあったというので、神でも仏でもなんでもいい、という神仏習合の精神も実に日本人らしくて思わず笑みが浮かびます。


 また「日本人らしい思い」と言えば、大気圏突入の間際の最後にはやぶさが地球を写したという記事がこちら。

 はやぶさはその段階で姿勢制御エンジンが全て故障していたのですが、「もう一度はやぶさに地球を見せてあげたいという」スタッフの思いから、最後に残った生ガスを放出して姿勢制御を試みて写したのがこの写真。





http://kumanichi.com/news/kyodo/science/201006/20100613003.shtml

 はやぶさが最後に見たものはふるさと地球で、母港の内浦湾も写っているのだそうです。

 「最後に地球を見せてあげたい」なんて、機械を機械と思わない日本人の性格がここにきわまった感じがありますね。

 うーん、泣けるなあ 
コメント
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