悪天候のために道東でのキャンプはキャンセルしたものの、代わりに一泊で長女の旦那さん(義理の息子)が務める会社の保養施設に宿泊に来ました。。
ニセコにある保養所は素敵なつくりでお値段も社員の家族なら割安で利用できます。どうやらこのエリアに魅力的な宿泊拠点ができたようで嬉しくなりました。
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札幌の自宅からニセコへ来る途中の余市町では、ニッカウヰスキーの向上を見学してきました。
余市町にある「ニッカウヰスキー余市蒸留所」は、「工場見学&社会科見学2014」において並み居る強豪を相手になんと堂々の一位を取った人気の工場。
若い女性のガイドさん付きで30分のガイドツアーに参加して、札幌軟石が積まれたレトロな雰囲気の工場や倉庫群はそれだけでも趣があって、敷地内ではスケッチにいそしむ人も多く見かけました。
残念ながら夏は水温の温度管理が難しいために8月は操業を行っていないそうですが、夏と冬の盛りを除けば今でも現役の工場。ただし今日原材料は、海外からピートで燻蒸されて香りづけされた二条大麦を買い付けてそれをウィスキーにしているそう。
ウィスキーの品質を安定して作り上げるための機械的なレシピがあるかというとそういうものではないそうで、いつも10年以上の長い時を過ごした樽から原酒の香りや味を見極めて、ブレンダーが味を調えているのだそう。
そんな興味深い知識を教えてもらった最後には、二種類のウィスキーの試飲まで用意されています。
二種類とはいえ、酒屋さんで買おうと思うとそれなりに値段のするウィスキーを惜しげもなく飲ませてくれて、おまけに見学料は無料というのですから、人気ナンバーワンの理由もわかりますね。
施設見学で面白かったのは、ウィスキーを詰めた樽の貯蔵の仕方。ウィスキーは何年も寝かすので、その年に同じ時期に詰めた樽がたくさんできますが、貯蔵庫にはランダムに置かれるのだそう。
貯蔵庫全部が今年詰めた樽というような状態にするということは、火事になって樽が全滅したときにその年の樽が一つもない、というリスクが生じるということで、それを避けるために、同じ年の樽は敢えて別々の貯蔵庫に置かれているとのこと。
完成までに長い間貯蔵をする必要のある製品づくりの苦労の一端を垣間見た思いです。
さてこの工場、「ニッカウヰスキー」という会社名ですが、「ニッカ」というのは、 1934年(昭和9年)、この町に前身である「大日本果汁株式会社」が設立され、同社の略称「日果(にっか)」の片仮名書きがそのまま現在のブランド名になったのだそう。
また、この秋からの朝の連続テレビ小説では、ここ余市にウヰスキー工場を建てた創業者竹鶴政孝とその妻であるリタさんの生涯を題材にした「マッサン」が始まります。
秋からは余市とニッカ工場のブームになるでしょうから、地元としては一足早くこの風情を味わっておきたいものです。
いってよかった工場見学ナンバーワンの称号は伊達ではありません。