北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

老朽ビルはやがてなくなる~都市の新陳代謝

2014-08-13 23:16:30 | Weblog

 お盆に入り、夏期休暇の一日を墓参りに行ってきました。

 わが家ゆかりのお墓は道内各所にありますが、行ける範囲にあっていつも行くのは岩見沢のお墓と、虻田町のお寺さんの納骨堂。

 両親と私の兄弟とその家族が一堂に集まって、車三台で移動しながらお参りを済ませてきました。

 来年には新しい墓が札幌市内にできるので、今日お参りした納骨堂に納めてある御骨もこちらに持ってくることになり、今日の様な行程での墓参りは今日が最後になりそう。

 一年ごとに同じ道をドライブしていると、何となく店が無くなったり新しい建物が建ったりするのが分かりますが、そんなドライブ途中の景色ともお別れです。


      ◆  


 いつも行く格安な理髪店での会話。

 頭を刈ってくれる従業員の40歳くらいのお兄さんは、私が椅子に座るなり憤慨した様子で、「今入っているこのビルの設備が動かなくなっちゃうかもしれないんですよ」と言います。

「何それ?」
「このビルの管理を引き受けるはずだった金融機関が、改めてビルの財務状況を調べたところ、未納の債権が多いというので匙を投げかけているんだとか。それで朝ここに着くなり、私が管理人に呼ばれて、『来月からビルは止まるから』って言われて目を白黒ですよ」

「それはお兄さんじゃなくて、オーナーに言うべき話ですよね」
「仕方ないから私が電話しましたよ。でも『いまお寺にいるので後にして』だって!いくらお盆だからって、優先しなくちゃいけないことってあるでしょうに」

「このビルって、一階には大手コンビニが入ったばかりだし、内科や歯科のお医者さんだっているじゃないですか。どうするの?」
「わたしゃ知りませんよ。でもお医者さんが中心になって組合を作って対抗するという噂も聞きました。なんだかもうどうなるんだか…」

「こっちも困ったなあ。せっかくいい床屋さんを見つけたと思ったのに。どこかへ行くんだったら、『○○へ移りました』って張り紙くらいしておいてくださいよ」
「やれやれ、それどころじゃないですよ」

 そこから先の話題の矛先は、ぐだぐだな管理会社とオーナーに向けられつつ髪を切ってもらいました。


「頭は洗います?」
「んー…、いいわ、混んできたし、家でシャワー浴びるから」
「そうすか、すいません」

 こういうところはなんだか下町っぽい感じ。「やってもらわなくちゃ損だ」というよりも、周りの方がつい気になります。
 

      ◆   


 老朽化したビルでは設備が老朽化して魅力を失い、テナントがいなくなって売り上げが減少して経営を圧迫し始めています。

 一方で安定した経営をしているテナントとの差が付き始めて、まだまだやれるテナントが追い出されて他の場所に移らなくてはいけないという事態も始まりそう。

 空き家・空きビルの問題は次第に社会問題化していますが、その前段階で老朽ビルの問題はビルの経営とテナントの問題としてクローズアップされそうです。

 そうしてビルが消えて新しい建物になれば、それはまたマチの新陳代謝と言えるのかもしれませんがなんとなく寂しさもつきまといます。

 さて、来月はおなじ理髪店さんでやってもらえるのかどうか…。

 
 

コメント
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