ちょうど一週間前の宗谷地域は「数年に一度」と形容されたひどい暴風雪が吹き荒れて、国道も各所で通行止めとなりました。
それから一週間が経過し、除雪を担当してくれている会社の方が挨拶に来たついで、当日の様子を訊いてみました。
すると、「当日は急速に天候が悪化したけれど、そうなるという事前の予報があったのでかなりしっかりした準備ができました」とのこと。
大事なことは、夜中いっぱい除雪のために作業をしてくれるオペレーターの人たちの人数を用意することで、そこを油断すると作業がおぼつかなくなるのです。
そして、「現場からの開発局の事務所に対して、『非常に視界が悪い個所が増えているのでもう通行止めにせざるを得ない』という報告を信頼してくれて、通行止めを決断してくれたこともスムースな対応を助けました」とのこと。
もう昔のことですが、現場からの「視界が悪いので通行止めにしたい」という報告をしても、「実際に見に行くので待ってほしい」という対応をする傾向があって、臨機応変な対応がしにくかった時代だったのが、今では「無理なものは無理」と早目に決断をするようになっています。
業者さんと管理監督者側の信頼関係があってこそ、素早い決断ができるというもの。良好な現場を作りあげるものは良好な関係性なのです。
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「ドライバーの人たちは通行止めに慣れてきたように見えますか」と訊いてみました。
すると答えは、「トラックなどの職業ドライバーの人たちは情報に敏感ですし、悪天候時は通行止めになるという経験もあるので落ち着いたものですが、困るのは一般のドライバーの人たちですね」というものでした。
「…というと、お年寄りとか女性とか、運転に慣れていないような人たちのことですか?」
「いえ、そういう人ばかりではなくて、普通の人でも暴風雪の道路を平気で突っ込んで行こうとするんです。今日ラジオはもちろん、カーテレビもついていますし、スマホがあれば悪天候の予報も入手できるはずだと思うのですが、そういうことに対して鈍感というか、天候がどうなるかなんて一向気にもしないで運転している人がいるのです」
「テレビではよく『不要不急のお出かけは控えてください』と繰り返しアナウンスしていますがねえ」
「はい、そうして外出を控えている人が多いとは思いますが、なかには平気で出ている人もいる。危機管理をしっかり身に着けてほしいと思います」
風吹のために立ち止まった車に後続車が突っ込むような事故では、除雪業者が警察に協力してピックアップすることもしばしば。
社会全体が上手く機能するために、情報に正しく接して、自分がちょっとだけ我慢するってこともあるのです。