北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

条件が付いたらもうだめなんです

2016-03-24 23:37:54 | Weblog

 稚内空港は特に冬期の就航率(着陸できる割合)が低いことが課題です。

 飛行機が着陸できないというのは、風向きが滑走路に対して強い横風になり機体が不安定になる場合もありますし、風で新雪が舞い上がって遠くまで肉眼で見とおせなくなる場合もあるなど、いずれにしても気象条件が悪いことが原因。

 飛行機に乗ったことがある方はお分かりでしょうが、着陸予定の空港の天気が悪ければ「天候調査」を行うこともあるし、もし降りられなければ戻るか他の空港に着陸するという「条件付きフライト」ということもあります。

 これらの多くは空港の天候の不安定さと、空港設備ではそれがカバーできていない現状を表します。

 飛行機が目的の空港に降りられないということは、ビジネスや観光に様々な悪影響を与えるもの。

 あるバス会社関係の方が嘆いていましたが、「ツアー会社の中には出発地の空港にお客さんが集まっても、搭乗するフライトが『条件付き』になるともうそのツアーを中止するというところが多いんです。リスクを冒して飛んでみたものの、やっぱり降りられなくて帰ってきた、などというときの後始末のことを考えると、中止した方が合理的だという判断が働くんでしょうね」とのこと。

「なるほど、ツアーがどれくらい中止になっているかということを調べたら、空港のぜい弱さが経済に与えているマイナスの影響を測定することができそうですね」

「それはそうですが、こんなことが繰り返されるとツアー会社も次第にこの季節に稚内空港を利用するツアーを売るのは止めようというマインドになってしまいますよね。そうするとツアーを止めた件数を数えても、そもそもツアー数が少なくなっているということだって考えられます。やっぱり空港が安定的に利用できないというのはハンデだと思いますよ」

 札幌への移動くらいであればバスやJRを選択すると飛行機よりも確実性が高いのですが、東京から来ようとするとそうはいきません。飛行機利用の安定性はこの地域の願いです。


       ◆ 

 
「ツアーは条件付きフライトになったからと言って、必ずしも中止になるわけではないのでしょう?」

 そう訊いてみると「はい、ツアーはとにかく出発してみて、結局旭川や千歳などの他の空港に降りるということもあります。ダイバートと言いますが、これはこれで結構対応が大変なんです」
「やっぱり」

「とにかく稚内へのツアーですから、新千歳に降り立ってもしゃにむに稚内までお連れしようというので、新千歳からバスを出す一方稚内からもバスを走らせて、途中のどこかでランデブーをしてお客様に乗り換えてもらうというような対応をすることもありますよ」
「うわ、大変ですねえ」

「ツアーにはできるだけ中止にしてほしくありませんが、ちゃんと稚内空港へ降りていただくのが一番です」


 交通インフラは早さも求められますが確実性も同様。宗谷の冬の観光を確実に楽しめるようにしてあげたいものですね。

 

コメント
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