昨日の礼文島に続いて今日は利尻島を訪問。
昨日と違って今日の利尻富士は山頂付近が雲に覆われていて、ちょっとご機嫌斜めの様子でした。
利尻町、利尻富士町の両町を訪ねて主に港関連の事業について意見交換を行いました。
利尻富士町では、港湾の防波堤を利用した稚ナマコの養殖を提案し採用されたとのこと。
「ナマコの養殖とはどうやって行われるのですか?」
「砂地だと育たないので、砂利をまいてナマコが張り付いていられる環境を作ります。そこへナマコを撒いて育ったところでもう少し沖へ移そうというのです」
「沖へ移すというのは、どうやって?」
「ダイバーが潜ってナマコを集めて沖へ運ぶんです。ナマコもすぐには大きくなって売れるようにはならないので、その間のダイバーに対する支払いでも漁業者の育成にはなるんです。そのために港湾の防波堤にもご協力をお願いしたいというわけで」
「できるだけのご協力はしようと思っています。いろいろな調整をよろしくお願いします」
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利尻町での意見交換では漁業者の減少が話題になりました。
「漁業者が減少して、すそ野が小さくなると漁業組あの規模も縮小しなくてはなりません。なので漁業者の数を減らさないような政策が重要です」
「異業種から漁師になろうという人がそれなりにいると伺いましたが」
「数はぎりぎりなんですが、経験が浅いと稼げないんです。うちの島の漁は、何人もが船に乗るようなものではなくて、一人ひとりがウニや昆布を取って稼ぐという形が主流です。経験がないとウニや昆布の獲れる量も限られて思うようには稼げないんです」
「やはり漁というのは簡単な技術ではない、と」
「コンブは二年生で二年目が収穫の時期です。しかし眼力がないと、そのコンブが一年目なのか二年目なのかの区別もつきません。さんざん収穫をして浜へもってきても、コンブ干しのおばちゃんの方がダメなコンブを分かっていて指摘したりしますよ」
「一年目と二年目ではそんなに違うんですか」
「見た目では本当に区別しにくいんですが、干してみたら一年目だったら薄くなってしまって厚みが充実していないんです。そういう眼力も含めたスキルアップ期間の収入補助をして新米の漁業者を支える政策を取っています。それでも残れる人と残れない人が出てくるのは残念です」
島の経済を支える漁業と物流・人流を支える港湾施設ですが、さらに頑張って充実を図りたいと思います。