静岡県から友人のサトー君が札幌へやってきました。
年に何度か、大通りビッセの地下歩行空間で静岡県所縁の産品の展示販売をしているのですが、今回もその用事。
展示販売というのは一つの形ですが、サトー君が目指しているのは「ポスト地産地消」ともいうべき「互産互消」です。
地産地消というのは、地元で作ったものをまずは地元で消費しよう、という消費促進政策。
しかし互産互消の哲学は、『互いに足りないものを補い合って互いに消費しよう』という、単に消費先を広げようというのではありません。
その先には、互いの人的交流をはじめ地域間交流を充実させて地域間連携を果たしてゆこうという考えがあります。
実際、静岡県掛川市では、北海道の豊頃町や京都府京丹後市などと個別の互産互消の互恵関係を構築して、単に産物を売り買いするだけでなく、自転車ツアーによる交流を行うなど、より深い関係性の構築に努力しています。
普通産物を売り込もうというときには、「ぜひうちの産物を買ってください」とか「観光に来てください」という、こちら側の要望を訴えることで終始してしまいがちです。
しかし「互産互消」では、「ならば先ずうちからそちらへ行きましょう」という人の交流が伴います。
単にモノの売り買いで終わるのではなく、その先に人同士の交流ができれば、多層に亘る人的交流による関係性の強化は大きな力になってくるでしょう。
北海道側から見ると、北海道の人たちは「北海道の産物は日本や世界の人気があるので、こちらから売り込む必要はない」と考えがちです。
しかし単にモノの良さや地域ブランドだけで勝負をするのではなく、それを重層的な関係性がそれを支えるような地道な努力があれば、さらに産物の価値が増すのでないでしょうか。
経済だけの関係よりもそこに情や共感の心を加えたいものです。