北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

働き方改革と、暮らしを守る働きの落としどころはどこ?

2019-12-03 22:52:16 | Weblog

 

 稚内は朝から暴風が吹き寄せる荒天。

 市内の維持事業者さんたちを訪ねまわりましたが、車を風を背にして止めると、ドアがもって行かれそうです。

 稚内市内は昨夜の雨が路上で凍り、路面は超つるつる路面で運転していて怖いこと怖いこと。

 強い横風を受けると道路上で横にスライドするほどで、雪国の道路を運転し慣れている私でも非常に怖い道路です。

 稚内の暴風は、猿払村辺りではホワイトアウトを生じる吹雪になり、枝幸でもさらに強い嵐に。

 それが挨拶をしながら南下し紋別まで来ると、もう道路上に雪はなくからっとした天気に。

「あの嵐は何だったの?」と思うくらいに突然の天気の変化に戸惑うほどです。 

 日本海側が荒れれば荒れるほど道東は晴れるものですが、紋別辺りまで南下してようやく道東になったようです(笑)。

 北海道は広いです。


       ◆


 除雪や道路維持を請け負っている業者さんを訪ねて挨拶をしました。

 するとそこの社長は突然「小松さん、我々は土日は除雪をしないし残業もしないからね」と言い出しました。

「え?どうしたの?」というと、「働き方改革をしようと思うと、週休二日は推進しないといけないし、作業員の超過勤務にも制限が出てきますから、それに従わないといけないということです」

「それは本当にそう考えているんですか?除雪をしていて残業はここまで、なんて言えるんですか?」
「そこが我々もよくわからないんです。雪害は災害だと思っていますが、ではどこまでが普通の作業で、どこからが災害対応なのかは労働基準監督署の判断がないとできないのかな、と思うんです」

「でもそこは除雪は道路啓開が優先するのじゃないですか?」
「しかし、監督署から働き過ぎという指摘を受ければ指名停止などペナルティを受けてしまうのでそれ以上作業をして良いという指示はどこから出るのでしょう。私たちはそこをしっかりルール化してもらわないと動けないんです」


 話としては分かりますが、通常時の問題である「働き方改革」と非常災害時の「災害対応」を同列に語ることはできないと思います。

 ではどのような条件ならば働き過ぎの制限を超えた復旧作業が可能になるのか。

 『土日は除雪をしない』というのは一つの皮肉だとだと思いますが、いろいろな場面や状況を想定しつつ、人々の暮らしを早急に復旧できる制度設計が必要だと思います。

 吹雪の中をこわごわ移動した身には、風雪を緩和する防災施設のありがたみを強く感じますし、昼夜を問わず除雪作業をしてくれく方たちに感謝の念を禁じえません。

 働き方改革と目の前の災害復旧はどのあたりで折り合いをつけることができるでしょうか。

 「頭の中で考えるな! 事件は現場で起きているんだ」と言いたくなりますね。

 今夜は網走宿泊中です。。

 

 

コメント
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