ラジオを聴いていたら、「日本も緊急事態宣言を解除したけれど、基準があいまいだ。それに比べると外国では基準が明確で具体的なので優れている」というコメントがありました。
「なかでもニューヨークの基準が良い」とほめそやすコメントがあったので、どんなものかと調べてみました。
するとニューヨーク州では、自粛解除計画のために州内を10の地域に分けて、それぞれに満たすべき「7つの基準(メトリックス)」を明示したそうです。
10の地域はそれぞれ、どこがどの基準をクリアしたかを色別にわかりやすく示したうえで、これがクリアされると今度は社会的に緩めてゆく段階(フェーズ)をあげてゆくのだそう。
上にあるように、フェーズ1が建設、製造、サプライチェーンなどで、フェーズ2次が小売店での買い物など。
フェーズ3がレストランでの食事にホテルやジムのオープンで、これらをクリアしたうえで最後のフェーズ4がようやく学校、アート、エンターテインメント、レクリエーションとされています。
これを見ると、社会の暮らしを維持するうえでの重要度に関するアメリカの価値感が見えて興味深いものです。
これに比べると、日本では感染者数や死亡者数の度合いがはるかに少ないので、フェーズを段階的に上げることもなく一気に解除して速やかな日常生活への復帰を目指しているように思えます。
日本では、中間に医療や物流、建設・製造などのエッセンシャルワークをはじめとする段階的な解除の度合いがあるというところに考えが及んでおらず、「緊急事態」なのか「そうでない」のかの二つに分かれてしまっていて、全て自粛と全部解禁の振れ幅が大きくなってしまわないかというのがちょっと心配です。
自粛と解禁の間にやらなきゃならない仕事や、そろそろ始めても良いという段階があると思えば、「札幌ナンバー」というだけで毛嫌いするような差別感も消えるんじゃなかろうか。
アメリカと日本ではそれぞれコロナの発生状況に大きな差がありますが、現状からどうやって回復するかのそれぞれの知恵が試されています。