今回の稚内~宗谷エリアの旅では、団体旅行客がかなり戻ってきていることが印象的でした。
利尻・礼文の離島への旅も、礼文島のウニが解禁とはいえまだ野草も咲いているわけではありませんし、利尻島でも雪山登山と思しき若者二人組はいたものの、団体ではまだ何を見るのかな、という疑問があるような印象です。
しかしもうコロナが少しでも収まれば、旅に行きたいという今まで貯めに貯めた思いを止められないというところでしょうか。
団体客もほぼ70歳半ばくらいのご夫婦連れという感じが多くて、コロナのために人生最後の旅の機会を2年間も奪われたような感じがするのではないでしょうか。
稚内で泊まったホテルでそんな印象を語ると、ホテルマンの一人は「そうですね、コロナ前の半分くらいまでは戻ってきているかな、と思いますが、実は6月はまだ本格的な戻りになっていないんです」と、まだまだだ、という思いを持っているよう。
「そうですか、僕は思った以上に来ている印象でしたが…」
「実は今旅行をしようと計画している方々の中では、旅行を後押しするいわゆる"GoToキャンペーン"が7月から始まるのではないか、と噂になっているんです。6月から旅を解禁・推進するのはコロナの収まり方から言ってまだ早そうだと。
それで7月からなのじゃないかというのですが、そうなると皆さん、お得な7月からの旅を狙って6月は買い控えに入るという行動パターンになっているようなんです。それで6月はまだ本格的な戻りにはならないのではないか、というのが旅行業界の見立てなんです」
なるほど、単純にコロナが収まれば旅に行けるという思いだけではなく、(どうせならキャンペーンでお金が戻るときにお得に行きたい)と思うのも道理なのでしょう。
旅の推奨キャンペーンが逆に直前の買い控えになるとはねえ、これが行動経済学という奴でしょうか。
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「それでも団体旅行で行く気になっている人が出てきているという事ですね」と私が言うと、件のホテルマンは「はい、私も始めは(え?今の段階で団体旅行?密な行動になるのじゃないかな?)と思いました。
でも翌々考えてみると、皆さんバスに乗るたびに全員が手指消毒や体温チェックを行い、行く先も食事も外に自由に触れるわけではありませんよね。
結局大丈夫な人たちのグループがクローズドな形で移動する分にはまず安全なのだなあ、と思うようになりました」と、団体旅行のメリットを感じるようになったのだと言います。
観光には旬な季節があって、いつ行っても良いというわけではありません。
今の時期のここだから良い、という旬な時期は短いものです。
まだまだ不十分ですが、少しずつコロナ前の元の賑わいに戻ってほしいですね。
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稚内の港を走っていて、紋別のガリンコ号を発見。
なぜここにいるのでしょう、船の整備は稚内が良いのかな?