昨日までの木曜日と金曜日に、稚内空港でエプロンや滑走路の舗装補修試験施工をしてきました。
試験施工は空港内の舗装って、滑走路はサイピングという横溝が入ったアスファルト舗装で施工して、降り立った飛行機が移動して駐機するエプロンと呼ばれるところはコンクリート舗装が普通です。
ところが予算の関係などで、別な素材で舗装をすることがあってそういうところに限ってまた傷みが早かったりするものです。
今回は北海道エアポートさんのご協力を得て、わが社の舗装修繕資材「マイルドパッチ」「スマートパッチ」「スーパーMDシール」の三種類を使って、舗装の端部の剥がれや穴、割れ目補修の試験施工を二日間にわたってさせていただきました。
外気温は12℃といささか低く、おまけに風速約10mくらいの風が吹く中での施工で、さすがは稚内という感じ。
そんななかで、骨材がポロポロ剥がれているところをまずは掃除して小石を取り除いてから作業開始。
段差の大きなところはまずマイルドパッチで大きな段差を埋めてから、その次にスマートパッチをコテ塗りで仕上げて段差をなくすようにすりつけます。
今回のスマートパッチは粉と液体を混合することで硬化が始まる資材で、非常に薄く塗れるのでいわゆる"ゼロ擦り付け"という、平坦なところに擦り付けることができるのです。
施工から小一時間くらいで強度も出てきて固くなってきます。
空港の路面管理の精神は非常にシビアなのだそうで、若手の職員も「僕は昔先輩から『小石一個あってもダメなんだぞ』と教わりました」というくらい。
なので舗装の骨材が剥がれて散らばるというのは実に好ましからざる状態なのです。
今回の施工で骨材が取れてくるのを防げることを期待したいと思います。
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また、滑走路の端っこにも割れ目があってこちらも溝を埋める修繕をします。
こうした割れ目には水が入るとさらに割れ目が大きく広がるのでこれも気がついたときに早めに修繕しておくと良いのです。
今回のアスファルト舗装の割れ目は結構幅が広がっていて深さもどこまでいっているかわからないくらい。
そんなときは始めはドロドロしていてやがて固まってくる樹脂系のスーパーMDシールで補修です。
深さが見えないところには先に乾燥砂を入れて間詰めをして、舗装面との厚さを1センチ程度にしてからスーパーMDシールを流し込みます。
そうするとシール材の量もそれほど使わなくて済むので経済的です。
こちらも小一時間くらいで固まって、触っても手につかないようになります。
今日は我々施工業者による試験施工ですが、やり方さえ学んで資材さえあれば現場の方でも早めの補修ができることでしょう。
どちらの施工箇所も、今後数カ月単位で何度か訪問してフォローアップすることになるでしょう。
わが心の故郷稚内に定期的に来なくてはならない理由ができました。