観光地での異質な体験の一つが船に乗ることです。
最近は私も空気を入れるカヤックで湖を楽しむことがありますが、やはり大型の観光船に乗って雄大な景色を眺めるのは独特の興奮があります。
道内の観光地でも船に乗せてくれるところは多くて、代表的なものが冬の流氷観光。
オホーツクの海でしか見られない流氷が見られるというので人気です。
私も何度か紋別のガリンコ号と網走のオーロラ号に乗りましたが、満足に流氷が見られたのは数えるほどしかなく、案外当たる率が低いというのが実感です。
最近では泳いでいるクジラやシャチ、イルカなどの海洋動物が見られる観光船も人気で、私は知床半島の南側の羅臼港から出る船に乗ったことがあります。
船にはクジラを研究しているという学生さんがアルバイトで見張りをしていて、一見して素人ではわからないようなクジラの存在を捉えて教えてくれたのは見事でした。
またその際、ドローンを飛ばして真上から寄り添うように泳ぐクジラの家族の姿を見せてくれるなど見せ方も進化しているなあと感じました。
そして今回悲しい事故が起きた知半島ウトロ漁港から出る観光船、私が乗ったのは記録を見ると2006年の10月のことでした。
そのときのブログを読んでいると、知床半島の先端まで行くコースは9月までの営業だったとのことで、私たちが乗ったのはカムイワッカの滝で折り返すコースだったよう。
当時どんな船に乗ったかはほとんど記憶にないのですが、波やうねりのない穏やかな日だと記録にあります。
また温泉の川として知られるカムイワッカの滝の下で、船内放送で「熊が滝野下にいます」と教えてくれたのは覚えています。
やはり景色だけではなく、野生の動物が見られるというのは非常に興奮するもので、乗船していた皆が船の片一方に押しかけて写真撮影をしていたのを思い出します。
今回のような事故があると、他の船は安全だとわかっていても船に乗って楽しむこと自体が不謹慎に思われるようなネガティブな気分になってしまうのも事実です。
安全を軽視した観光はやはりあり得ないのだという事が身に染みる事故でした。
一人でも多くの行方不明者が見つかることを願わずにはいられません。
同時にいよいよ本格化する観光シーズンに向かって、安全という事をもう一度肝に銘じたいものです。