北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

福祉施設中心の集住プラン

2022-05-19 22:45:58 | Weblog

 

 豊富町のNPO法人くらすた豊富で事務局を担当されているCさんにお会いしました。

 彼は地元の建設会社の社長ですが、その一方で鹿肉販売などの地域貢献なども手掛けている真面目な若手企業人です。

 そんな彼が今度はNPO法人を立ち上げたというので、また新たな地域貢献を始めたのか、と思って話を聞いたのです。

「NPO法人立ち上げの経緯は、新しい移住定住促進施設を作る際の協議会に参加していて、そこで『管理運営は民間に委託する形でやるべきだ』と発言していたのですが、実際に運営を受託できる民間団体がなかったために、『それなら作らなくてはいけないね』という流れで私が関わることになったものです」

 民間団体として管理運営をするためには人も雇用しなくてはいけませんが、そこに外部からの人材や豊富温泉を頼って湯治をしている方などの雇用の機会にもなるという事で大きな意味があります。

 そして一度そんな受け皿になると、今後はさらにいろいろな仕事をやらないか、というお誘いの機会も増えているのだとか。

「今度はデイサービス施設の管理運営もやってみないか、と言われていますが、やれたら町の中の高齢者の暮らし方が変わるように思うんです」と千葉さん。

 それが千葉さんの高齢者の暮らしを支えて人口が外へ流れ出ないようにする構想です。

 それはデイサービス施設を作るにあたって、一階をデイサービス施設にして、そのうえに高齢単身者が賃貸で住まいできるような居住施設を作るというもの。

 さらにはそのデイサービス施設をコアにその周辺に夫婦世帯が住めるような賃貸の町営住宅を作れば、一定の居住集落が形成されてデイサービス施設を中心にした地域見守り体制ができるというわけです。

 ある意味、集住を進める政策です。

 今のような個人所有のばらばらな住宅地ではデイサービスまでの送迎が必要になったり、それが面倒で施設に行かない、さらには便利な都会に出ていく、という人口減少の悪い流れができあがってしまいます。

 福祉サービス施設を中心に、一定の居住ができれば夫婦のどちらかが亡くなれば「おひとり様」として単身住居に移ってもらえばよい。

 実はおひとり様でいることで満足に風呂も入らずまともな食事もとれなくなるような生活に陥ることは良くある話です。

 それをデイサービスでお風呂と食事のサービス提供が受けられて、一定のQOLが果たされれば「実はこの町にいたい」という人が残る社会になるのではないか、と言うのです。

 大都市ならいざ知らず、人口減少に苦しむ地方の町村などではいかに住民を外に流さずにいるか、という点で、住み続けられて福祉の雇用が生まれるようなまちづくり政策は非常に興味深く思えました。

 コンパクトシティはなかなか実現しませんが、新たなコアを作ってそこが中心になって集住を進めて地域の人口を支えるようなまちづくりはどうでしょうか。
 
 お金以外の地域の魅力を見出したいところです。

  

コメント
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