先週朱鞠内湖へワカサギ釣りへ行った帰りに幌加内町のまちなかで蕎麦粉を買ってきました。
折角なので新しいうちに、と今日のお昼は蕎麦に決定。
食べたいときに美味しい蕎麦が食べられるというのは日常の中の大きな幸せの一つです。
ただ二人前だと粉の量がせいぜい300g程度と少なくて、打ちにくいということがあるのですが、まあお客さんに食べさせるわけでもないので気楽に打ち始めました。
ところがちょっと水加減を大きく間違えて入れ過ぎてしまったよう。
石臼挽きの粉はロール挽きの粉に比べてたくさん水を食うというのが定説です。
なので何の気なしに粉の量に対して46%くらいの水をいれてこね始めたのですがこれがどうにも多すぎました。
蕎麦打ちでよく言われるのに「こね三年、延し三月、切り三日」という言葉があります。
蕎麦を細く一定の幅で切りそろえるのはパフォーマンスとして見ても面白いのですが、実はコツさえつかめば案外簡単で、まあ三日もあればできるようになる。
蕎麦粉の玉を大きな生地にする"延し"も三月もあればできるようになる。
ただ粉に水を入れてちょうど良い加減の玉を作る"こね=水回し"は最も難しくて、三年はかかる、という例えです。
水回しに失敗して水を多く入れてしまったら、もうそれは後から蕎麦粉を足しても修復ができない、というのも蕎麦打ちを始めた初期の頃によく聞かされたものです。
ただそれには理由があって、蕎麦粉は小麦粉などに比べると水を吸いにくい性質があって、水を加えた玉に後から蕎麦粉を追加するとそれには水を吸わせるのが難しく、水を吸収していない粉が混じることで延して切った時に、そこから蕎麦が切れる、ということを言われます。
今回はまあいい加減に水を入れ過ぎたのですが、もったいないのでとにかく蕎麦粉を足してゆき、ちょうど良い加減になってから再び延してゆきました。
蕎麦打ちの会合では叱られるところですが自家用なのでいいのです。
で、蕎麦粉に水が入りにくいならと、とにかく十分に玉をこねてから延しと切りに移ります。
結果的には全然問題なく、いつものように細く長い蕎麦が出来上がり、茹でても切れることなく美味しい蕎麦をいただくことができました。
いわゆる「世間の常識」というものも、一度疑ってみれば案外当たっていないこともあるわね、という話。
まあ使った粉が少量だから大丈夫だった、ということもあるでしょうけれど、教科書に書いてあることをなんでも鵜呑みにしない方が良くて、まずは何事も自分で試してみるのが一番です。
頭で考えずに体で感じましょう。
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