友人と親御さんの世話の話になって、話題は「空いた家をどうしたか」、ということになりました。
その友人は高齢のお母さんが施設に入所して、お母さんの持ち家が空き家になりました。
その家というのが道北の地方都市で、まともにいけば市場の流通には乗らない物件です。
「家を壊して更地にするのも200万円くらいかかるというので、ちょっとビビりました」と彼は言います。
「それでその家はけっきょくどうしたんですか?」
「はい、"0円(ぜろえん)物件"として行政に登録して『使いたい』という人が現れるのを待ちました。結局、その町で地域協力隊として活動している人が欲しがったのでタダでお譲りしました」
0円物件とは、土地や建物を無償で譲渡している物件のことです。
家と土地を相続すると、固定資産税や都市計画税などの税金がかかるほか、維持管理にもお金がかかりますし、さらにはたまには家を見に行ったり庭の雑草の手入れなどもあると、わざわざそこまで行く必要が生じる手間がかかります。
もしうまく条件が合ってほしいという人とマッチングが成立すれば、こちらはたとえ0円でも、タダで物件を手放す方がお金や手間の負担がかかることを回避できるというわけです。
もちろん譲り受けた側には、格安で土地と家が手に入りますし、多少のリフォームや設備改修にお金をかけたとしてもので超お得です。
自治体によっては空き家回避のために、補助金や助成金を支給しているとこすらあります。
ゼロ円物件も、立地や環境などが好条件ならば取得した後に住むだけではなく、賃貸物件やオフィス活用、宿泊施設などとして利益を生むような資源になるかもしれません。
地方の人口減少は深刻ですが、譲りたい側と欲しい側とのマッチングがうまく成立して、双方がハッピーになると良いですね。
高齢の親の家・土地・資産は今後大きな社会問題になりそうです。
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