こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『楽園ジューシー』坂木司

2022-05-11 20:07:28 | 読書感想
 
日本に生まれ育ち日本語しか話せないが、日本とドイツとロシアに加えて中国系マレーシアのミックスで、外見は残念な多国籍と言われ、子ども時代はいじめられっ子だったザックこと、松田英太は大学1年生。

いじめられっ子だった事が尾を引いて、アルバイトもなるべく人と話さなくていい弁当屋。
ただ、店長にちょっとした病気が見つかり、手術をしなくてはいけないので一月半は店を閉めると言う。

そもそもザックのバイトの理由は、そのいじめられっ子仲間との約束、大人になったら3人で沖縄に旅行に行くという事のための旅費を貯めるためなのだ。
それがこのバイト先のパート従業員、加藤さんの策略にはまり、沖縄のホテルが飛行機代まで出して募集しているアルバイトに応募してしまい、採用されてしまったのだ。

いじめの原因の一つが外見だった事もあり、接客業は苦手なんだけど・・・。
当のホテルジューシーに着いてからも、今、人を呼ばなければ逃げられると、とことん後ろ向き。
ただ、偶然にもある事で驚いて呼び鈴を押してしまい、やらざるを得なくなる。
また、このホテルのオーナー代理は昼寝ばかりして、やる気の無いところが心配でもあった。

さらにやって来る宿泊客も異色というか、独特で、犯罪者か?と思う事もあった。
それら宿泊客と個性的な従業員と接するうちに、ザックはたくさんの社会勉強をし、自分自身の素晴らしいところと、足りないところにも気づかされる。

私もいじめられっ子だった事もあり、ザックに共感しつつも、終盤のユージーンや、ゴーさん、アマタツの言う事も分かります。
きっとザックは、自分から逃げている事もあるのでしょうが、バイトしつつもまだまだ大学生で実社会にもまれていない分、彼らよりも未熟なんでしょう。
大丈夫、すぐ、追いつきます。
コメント
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