さくらの丘で

小路幸也さんの『さくらの丘で』を読みました。

はなちゃん、こと青山花恵さん。
きりちゃん、こと兼原桐子さん。
そして主人公の祖母のミッちゃんこと、宇賀原ミツ。

三人は、さくらの丘にある西洋館を＜私たちの学校＞と呼び、大切な思い出として、
孫に語っていた。

最後にミツが亡くなった時、その西洋館が、それぞれの孫三人に、遺産として残されることとなった。

西洋館が、子ではなく孫に譲られることとなった理由とは？そこに隠された謎とは？

戦後間もない日本での、優しく温かくつらく切ない、思い出の物語でした。

ミステリ★オールスターズ

本格ミステリ作家クラブ編による『ミステリ★オールスターズ』を読みました。

ここには、短編ミステリの珠玉の名作が、たくさん詰まっています。

一番好みのタイプは、第四セクション。
理詰めの果てに見えたカオスを描いたもの。
第一セクションは、オーソドックスなだけに、素直に楽しめます。
第二セクションは、甲乙つけがたいですね。
第三セクションは、ひねりが効いていて秀逸です。

どれもそれぞれ素晴らしい、粒ぞろいの作品群だと思います。
リレーミステリも、楽しい趣向で気に入りました。

面白かったです。

モネとジヴェルニーの画家たち展

北九州市立美術館本館で開催されている「モネとジヴェルニーの画家たち」の展覧会に行ってきました。

この絵画展で一番気に入った絵は、ウィリアム・ブレアー・ブルースの「水流、ジヴェルニー」です。澄んだ水の流れと水しぶき、美しい光景に惹かれました。

セオドア・ヴェンデルの「花咲く野原、ジヴェルニー」も明るくて美しくて好きです。

また、ジョン・レスリー・ブレックの「秋（新月）、ジヴェルニー」の雰囲気も良かったですね。

絵柄もさることながら茶目っ気も好きなのは、セオドア・アール・バトラーの「ジヴェルニーのお嬢さんたち」

温かみと美しさを兼ね備えたセオドア・ロビンソンの「産着作り」も良いですね。

ジョン・レスリー・ブレックの「積みわらの習作」の中では、「秋の日５」と「秋の日７」が好みでした。

フレデリック・ウィリアム・マクモニーズの「ジヴェルニーのアトリエ」も陰影と色彩が美しく、大好きな絵です。

フレデリック・カール・フリージキーの「庭での朝食」「水のある庭」は、やわらかな優しい絵で、気に入っています。

クロード・モネでは「睡蓮・水の光景」がベストだと感じました。

今回も、様々な美しい絵を堪能いたしました。

ポーランドの至宝展

今日は、北九州市立美術館分館に「ポーランドの至宝　レンブラントと珠玉の王室コレクション」を
見に行きました。
人物画は華やかで、風景画は繊細で、タペストリーは豪華でした。

レンブラントの「額縁の中の少女」も愛らしく、今にも飛び出してきそうで素晴らしかったのですが、「公妃ペラギア・サピエハ（旧姓ポトツカ）の肖像」は瑞々しく、生命感に満ちていて素晴らしいし、ヘンリク・シェミラツキの「泉のほとり」「ローマの田園風景（魚釣り）」も風景は繊細でありながら、人物は滑らかで今も息づいているようでした。

他にも、素晴らしいものはたくさんありましたが、覚え切れませんでした。
目の保養をさせてもらいました。

大正野球娘。４

神楽坂淳さんの『大正野球娘。４』を読みました。

静か巴が、呉服屋の若だんな（５０代）の後妻に入るようにとの手紙が父から届き、
静は巴にそれを見せることなく「自分がまいります」と返事をしたためた。

金の力で女を買うような状況に、憤りを感じた桜花会の全員が、彼女らを助けるための勝負に
挑むこととなった。

また５巻が待ち遠しい終わり方をしたこの巻ですが、汚い手を使おうとする者に負けず、
正々堂々と勝ってもらいたいものです。