『日曜日は青い蜥蜴』恩田陸

日曜日は青い蜥蜴 恩田 陸 筑摩書房

 

本や映画など鑑賞系のエッセイ第2弾。

ほとんど初っ端の「果てしなく書物との戦い」に、激しく首肯した本好きは多いのではないでしょうか？
そのせいか、読書日記で食指をそそられても、あまり気分が高揚しないのが残念なところです。
だって、積読本が先なんですから。

また、前半で出てきたマッドハッターの由来。
私は恩田さんよりずっと前に知っていたもんね♪と、ちょっぴり勝った気分でした。
だから、何？でもありますがね(笑)

さらに、中盤のウォシャウスキー監督の「クラウドアトラス」も、興味津津ではあります。

後半のブラッドベリについてや、星新一さんの『ノックの音が』についてもコメントも、面白く読めました。
肉体は滅びますが、作品は生き続けますよね。
他にも、お薦め作品がたくさん紹介されていますので、興味のある方はぜひ！
私の知る限りでは、良質の作品です。

コミックス『なごみクラブ(11)』遠藤淑子

なごみクラブ　（１１） (バンブーコミックス) 遠藤淑子 竹書房

 

今回も、ホストらしくない連中が、仕事でも休日でも普通の生活を営んでいます？

リモートで、なごみクラブをやれないか試す日もあれば、にわかキャンプに失敗して旅館でくつろぐ連中と釣りをしながら黒歴史を思い出す連中に分かれる時もあり、ホストというには気取りが無いのがいい人々です。

今回では、剛さんがなごみクラブに誘われた状況と理由が好きですね。
いつもニュートラルななごみクラブが、大好きです。

コミックス『魔法使いの印刷所(5)』もちんち

魔法使いの印刷所（5） (電撃コミックスNEXT) 深山 靖宙 KADOKAWA

 

アイルが、そうとは知らずに山賊を更生させるかと思えば、ミカはライバルの印刷所ができたり、元の世界に戻ろうとマジケにくる同人誌をたくさん試したり、そうこうしているうちにミカの暗殺指令が出たりと大忙し？

ミカは、単純に元の世界に帰るためと生きる手段として、印刷所をやっているだけとも言えるのに、敵としてやって来た者どもを次々と味方にするのは、ある意味、人徳でしょうかねえ？

『サラと魔女とハーブの庭』七月隆文

サラと魔女とハーブの庭 七月 隆文 宝島社

 

由花にはサラという空想の友だちがいる。
でも、五年生の頃からは儀式をしないと出てこなくなり、中学生になるとそれでも出てきてくれなくなり、三学期に入った頃から、ずっと現れていなかった。

そして、クラスの女子の間でいじめが起きた事から、由花は不登校になった。
そこで母は由花を、母の母、つまり由花には祖母の元で暮らさせる事にした。
祖母は、ハーブショップを営んでいるのだ。

久しぶりに祖母のハーブショップに行った由花は、居心地の良さに店を継ぐと言ったのだが、サービスティーを出すための言葉さえ出てこない。
でも、店であらゆる人々と接するうちに少しずつ成長していく。

本の装幀とタイトルから、梨木香歩さんの本を思い出しました。
ただ、これに関しては、イマジナリフレンドであるはずのサラが祖母に見えているような描写があったりと、解釈によってはファンタジーにもなりますし、普通の成長物語としても楽しめます。