蔵くら日記

人生最後の数年を田舎暮らしで。2004年4月、実現のための行動開始!それは思わぬ展開でスタート・・。今では安曇野三昧

ギメとシラス

2007年02月24日 | 安曇野を離れて
ギメとはフランスのギメ東洋美術館
シラスとは白洲次郎
本日の共通点はただ訪ねた場所が関東、それだけ!
7時34分穂高発のあずさ6号の甲府付近は雪景色


太田記念美術館で開催されている(25日まで)「ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展
この美術館は人通りの多い原宿の駅前から一本裏に入っただけなのに、とても静かで雰囲気の良い美術館でした。あいにくの雨模様だが行列が出来るほどの盛況だった

目玉はギメでの偶然の発見から、北斎の
『虎図』(太田実術館所蔵)と『龍図』(ギメ東洋実術館所蔵)が100年ぶりに再会したのだ
北斎90歳の最後の傑作でよくぞよくぞ・・・・
表装の布模様と落款サインが同じだった(双幅)から判明したのだが、発見した学芸員の興奮ぶりが想像されますね。
拝借サイトの写真を見てもらえばわかりますが、虎の目と龍の目は斜め一直線上にある。
当然腕をかざして確認
北斎の画人生最後にして最高の本領発揮だろう。写楽や春信や歌麿の浮世絵も展示されているのだが、
デザイン性にすぐれているのはやっぱり北斎がピカイチ・・・・・だと思っている

子供様用パンフあります、受付まで   の張り紙
「お子様じゃないけど欲しいんですが・・・・」「はいどうぞ」

  浮世絵ってどうやってできるの?がわかりやすくイラストで解説
受付嬢はにっこり。とにかく対応の美術館スタッフ達は素晴らしかった

余談
この美術展は4月10日から大阪市美術館で開催予定です。←サイト内に入場割引券あるよ。
そのあとフランスへ・・と聞きました
日本の芸術の素晴らしさを早くから高く評価した欧米のコレクターは凄いね

さてシラス
白洲次郎と正子が農家を改造しながら過ごした旧白州邸で「武相荘」
次郎が無愛想だったから自分で命名したそうです

町田市鶴川は、新宿から小田原線で20分。このまま乗車して行けば箱根に着く
しかし悲しい。バスを降りて”この角を曲がれば旧白州邸”のアプローチにはユニクロと色とりどりの新興住宅が建ち並ぶ。
が、曲がると眩しい景色が飛びこんでくる

早い段階で(第2次世界大戦)戦争に負けると予見し、きっと食糧難がやってくると東京から程よいこの地に別荘を持った
母屋(展示室)入口にあるハンドタオルは何故?  雨に濡れた衣服を拭くため
なるほど心憎い配慮。ここにある用具は全て木・石・つる篭などの自然素材でした

その端正な建物(最近屋根のかやを葺き替えたばかり)と石畳に見とれるばかり

緑鮮やかな竹林

納屋には彼が好きだった大工道具や農機具が残っている。「シラス」と穴をあけているのは工具箱か?

こまごまと用具を入れてあるだろう重厚な整理ダンスをみても、そのこだわり様がわかる

見事な書画・骨董、家具・着物が展示されている中で、別室書斎の本棚は棚板が薄く満載の書籍で弓なりになっている。書籍をインテリアとは扱っていなかったことが窺えて印象的だった
もし・・・ればはせんないフレーズだが、今の日本に彼が存在していれば日本はもっと違う方向に向かっていることだろう

日帰り旅の夕方は、美しい夕焼けを追いかけながら午後5時新宿発のあずさ27号で帰る


北斎と次郎に共通なのは、真髄は真剣に情熱的に、そして遊び心を忘れないことだろう。北斎の絵に、次郎の人生にそれを感じる

おまけ
表参道の一等地に大きなブティックに代わりこんな光景が・・・・

全フロア携帯電話のみ。資本にモノを言わせた商法にはちょい食傷ぎみ
コメント (7)
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