蔵くら日記

人生最後の数年を田舎暮らしで。2004年4月、実現のための行動開始!それは思わぬ展開でスタート・・。今では安曇野三昧

松本・安曇野は日本のオート=プロヴァンス?

2008年12月05日 | 安曇野とその周辺
29日午前中、ホテルアンビエント安曇野のバンケットルームにいた。
大きな窓の外は


烏川渓谷緑地・からすの学校「『木を植えた男』の世界」の講演会に参加した。
講師は信州大学 山本 省教授。わかりやすいレジュメと講座内容に「そうなんだ」と頷くばかり。
荒地を緑豊かな森林に変えた男のベストセラー『木を植えた男』は、世に実話をもとにした・・・といわれているが、実は著者ジャン・ジオノのフィクションであることが明かされた。

そして山本先生は「著者ジオノが生まれ故郷で生涯住み続けた南仏オート=プロヴァンスは、松本や安曇野に気候が似通っている」とおっしゃる

ヨーロッパ文明の基層はケルト文明であり底流にながれるのは自然信仰であり、著者のジャン・ジオノはケルト的な世界観を受け継いだ小説家である。
彼の作品には楢(ナラ)の木がよく登場し、フランスの森林には楢の木が多く国民的な樹木であり、ケルト人が崇拝していたのも楢(ナラ)の巨木だという。

映像やビデオに混じって、アイルランドで活動する女性歌手「エンヤ」のCDがかかる。窓外の雄大な景色に澄んだ歌声は心地よい。
彼女もケルト文明を受け継ぐ歌手である。
休憩時間もCDを聞きながら・・・


山本先生から、自然観や生活感覚の相違についてこんな投げかけもある
フランスでは、田舎のゆったりした生活が理想的だと大多数の人が考えている。
日本では、都会の生活に憧れている人が多いのではないだろうか?
ここで
「松本や安曇野ほど素晴らしいところは、世界的にみても、見当たらない」
と考えておられることが明かされる。

同感です。
子どもの頃から自然豊かな恵まれた地域に住む人々は、その恩恵を理解しにくいかも知れない。むしろ雪かきの辛さや交通の不便さといった日常の煩雑が心を占めるのかも知れない。
でも、豊かな自然に恵まれているからこそ優れた文学や芸術を輩出しているのも事実。

日本を、信州を、安曇野をもう一度思い起こしたいと思う講演会でした。
「マルセイユから鉄道で行けますよ」
ひょっとしてぶらぶら旅のチャンスがあるかも・・・・


雄大な景色を眺めながらの講演は、今日の講座内容にはもってこい。主催者の感性に感謝だ

付録
ジャン・ジオノには多くの出版作品がありフランスでは人気の作家。邦訳書もあります。

余談
エンヤは、今年末のNHK紅白歌合戦に特別ゲストで登場が決定した。今でもアイルランドに住み続け、公演活動をしない人だそうだ。

最新アルバム「And Winter Came...」/雪と氷の旋律
日本語タイトルは陳腐で好きでない。「冬へ」ってのはどうだい?もっと陳腐かいな?

 
季節の中ではシンプルな冬を好む
午後から冷たい雨と風。enyaのCDを聞きながら・・・・
レジュメから抜粋の思い出話を綴り、時を過ごす
コメント (1)
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