prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「鏡の女たち」

2004年11月27日 | 映画
田中好子が記憶喪失であることと、広島の体験が記憶され続けなければいけないのに忘れられていくことが結び付いていくあたりは「二十四時間の情事」を思わせる。

岡田茉莉子と田中好子が本当の母娘であるかどうかはDNA鑑定すればわかることだし、事実鑑定した否定される老夫婦が別に出て来たりするが、岡田が頑として鑑定しようとしないで抽象としての親子関係を結ぼうとするあたり、BS放映後のインタビューで岡田茉莉子が台本を読んだ時「見事な女性映画だと思いました」と語っていたが、自分の子供だけでなく他人のかもしれない子供も子供一般として愛せる体質はなるほどそうかもと思わせる。

今そこにあるものより、ないもの欠落したものを重ねて行く否定の論理とでもいうあたり、吉田喜重らしい。
もっともいつもの抽象世界に絢爛と突入してしまう感じは薄く、ひびの入った鏡のシンボリックな扱いなどわかりやすすぎるくらい。カップについた口紅の跡の扱いや、日本間に女たちが相似形で座る姿(小津!)など、古巣の松竹大船の匂いがする。
中堀正夫の端正な画作りが演出の体質とよくマッチした。
(☆☆☆★★)


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警備

2004年11月27日 | Weblog
また聞きだが、六本木ヒルズにはファンや警備員だけでなく、右翼の街宣車が集まっていたとのこと。ヨン様目当ては女性ファンではないということね。ナニをするつもりだったのやら。

生まれて初めてお通夜の受付というのをつとめる。
何しろ少なくない現金を扱うから結構気疲れする。いつお焼香に行くかも迷うし。
もっともお経の間(長かった)、もぞもぞ身体を動かしてもいいのはありがたい。