prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「暴れん坊街道」

2004年11月21日 | 映画
およそ内容とはかけ離れたお話。
不義を働いてできた子供を里子に出して主君の娘の乳母になった山田五十鈴が成長したわが子と再会するが、馬子になっていた子供は下賜品の宝刀を恩ある娘を助けようと盗み出し、不義の相手の実の父親佐田啓二が刀を取り戻して罰せられそうな子供を助ける代わりに自分が腹を切る。

原作は浄瑠璃で、まあ陰惨な話。馬方から買い取られた刀を取り返そうとした実父が馬方を殺してしまうあたりの長い移動撮影を生かした演出は迫力あるが、本来だったらそこからもっと凄絶な盛り上がりを見せそうなのになぜか駆け足気味に済ませてしまい、かえって陰惨な印象を残した。
子供の芝居が混ざると時代劇の様式を踏まえた上でのリアリズムを通すのが難しいからみたい。

監督・内田吐夢、脚本・依田義賢。
(☆☆☆)


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