prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「トリコロールに燃えて」

2004年11月25日 | 映画
前半の平和な時代に享楽的な日々を一緒に過ごした三人が、戦争になるとそれぞれの運命を生きるようになるのだが、ばらばらになりっぱなしでドラマの上で絡む場面がないので、どうもメリハリに欠ける。歴史の描き方も型通り。パリ解放の後、ロバート・キャパの写真のように髪を切られた女が出てくるだろうと思っているとその通りになるといった調子。

シャーリーズ・セロンがドイツ軍将校の情婦になったと見せてスパイを勤めているというヒロインで、うまく描けばずいぶんドラマチックな役どころになった筈が、正体がばれそうになる場面がないので、設定で満足してしまっている印象。

フランス人はフランス語、スペイン人はスペイン語という具合にそれぞれの言葉を喋っているのはアメリカ映画にしては珍しい。結構。ただドイツ軍将校が時々英語を喋っている。
画面はなかなか綺麗。しかしなぜかあまり厚みを感じない。
(☆☆☆)


本ホームページ