映画や小説の題名がぞろぞろ出てきたり、妙な語呂合わせが謎の仕掛けになっていたり、ヒッチコックの「知りすぎていた男」のクライマックスの趣向の再現といった遊びというのかゲーム的な部分は、シリーズで繰り返されるとちょっとひっかかる。
犯人の正体の「ジャッカルの日」ばりの処理は、いわゆるリアリティをもって描くのが難しいのでうまく逃げたという感じもする。
キマるはずのシーンがうまく決まらず、やや膨らみに乏しいのは惜しい。
地下鉄の路線名が全部架空のものだったり、駅名は実名でも全部明らかに違う駅をロケに使っている(大阪や神戸や札幌などでも撮っているらしい)のは、どういう配慮によるものか。
東京の地下に知られざるトンネルが通っているという都市伝説(とばかりはいえないが)を採っている割に、その謎の地下空間の具体的な姿をくっきりとは描いていないのは、残念。
(☆☆☆★)
交渉人 真下正義 - Amazon